国民による政府批判は、グシャグシャのカオス状態
ネットで見た意見です。
アベノミクスも失敗だった。30年間も経済停滞した。
1200兆円でゾンビ企業を温存し、少子高齢化を放っておいた。
金融緩和も止められず、野党も弱者救済ばかりで、自民党の独裁国家だ。
この政府批判はグシャグシャにからみ、支離滅裂です。
海外が「失われた30年」と呼ぶ理由は、日本のカオスです。
たぶんみんな気づかない
順に行きましょう。
アベノミクス「三本の矢」は、宣言では全てが富裕化の促進で、実行時に二本が貧困化の促進に交換されました。統計上は、最も国を壊した総理大臣です。
全部で五本出された矢を、厳密に分けないと支離滅裂な批判です。
「失われた30年」は2021年12月時点で、1989年から32年間の株価下落、1992年から29年間の不景気、1997年から24年間のデフレ不況です。
原因と結果がひっくり返った、批判の暴走と空回り
ここから一気に勘違いの暴走です。
1200兆円は「政府負債」を指し、多いほど経済大国の先進国です。1500兆、2000兆と増やすと国は富み、裕福で未来が明るい国です。ゾンビ企業も減ります。
批判は「ゾンビ企業を早くつぶすべき」ですね。失業者を増やす気なのか。
ゾンビ企業はなぜ生まれた?
政府は1997年から緊縮財政と消費税増税で、通貨削減しました。動物のオリでいえば、中に入れるエサを減らし(国債発行の削減)、同時にエサを回収(増税)しました。
オリの中で弱った動物が、ゾンビ企業です。
貧困促進で企業を締め上げ、ゾンビを故意に増やしたのです。わざと。
マッチポンプか
レントシーキングとショックドクトリンは、またの話題にします。
「ゾンビ企業のせいでお金が減った」は、「動物が弱ったから、エサが減った」式の因果関係の逆転です。「皆が水を飲みたがるから、砂漠に水がなくなる」式の詭弁。
動物のオリに入れるエサを減らせば、繁殖しなくなり、子が産まれにくくなります。
「子を産め」と、メスに圧力をかけてもだめ。エサを増やさないとだめ。
結果を変更して、原因を除去したがる、間違った思考です。
高齢化は善悪どっち?
善です。高齢人口の増加は、医療の勝利であり、祝福する話なので。
なのに安楽死を法制化して、人口ピラミッドを変形するなど、日本らしい発想でしょう。根にあるのが「金本位制」です。
金本位制、出たー
政府が通貨発行を止める奇妙な行動に、国民は同調しています。国民の貨幣観が「お金は限られた資源だ」だからです。
石油を守るようにお金を守り、犠牲者がいくら出ても平気。
国づくりした先輩への憎悪がふくらみ、うばすて山と赤子の間引きの流行です。
お金とは何か、国民は何から何まで間違いだらけ
ひもがからむように、話がおかしくなる一方です。
金融緩和は、アベノミクスの三本の矢で唯一正しい政策です。社長が会社へ投資する金を借りやすくするために、利子を低くする「量的緩和」と呼ぶ金融政策です。
世界各国はコロナ対策として金融緩和し、経済が持ち直しました。
でも日本だけ、貧困のままだけど?
コロナの前から、日本だけがデフレ不況だから当然です。社長がお金を借りる必要がない時間帯だからです。「金融政策」は効果がなく、今必要なのは「財政政策」です。
弱者の救済をやめれば、使う税金を節約できる意味ですね。
「お金を使えば、国の金庫の一万円札が底をついて、日本は破綻だ」と言いたげ。
総量一定の財源論、出たー
1973年から政府はお金を必要なだけ発行する時代で、税金は財源ではない。国民はこの変化を知りません。教科書は間違っていて、政府もマスコミも黙っていて。
それでお金の取り合いとなり、選民思想へと向かうわけです。収入が少ない人や職種を、国民は根絶したがる。
他人の生存を許せない気分になり、放火殺人ブームにも反映しています。
選挙で投票したのは国民一人一人です。破壊者をわざと選んだ自業自得の自殺行為。
積極財政を言う政党もあるのに笑い飛ばし、緊縮財政を言う政党を愛した結果です。