【税金は財源でない】財源論の呪いから日本は出られるのか

たんす預金

最近見かける財源論とは何か、正しいか間違っているか

財源論という語がよく出てきます。意味はこうです。

「国には、財源という金庫がある」。

「ためるお金は税金である」。

「税金を国の支払いに使う」。

「税収入が増えれば、国の予算を増やせる」。

一言で言えば?

「国家の運営は、国民が納めた税金でまかなう」です。

この財源論は間違いです。世界の財政はそのメカニズムではありません。

じゃあどういうメカニズム?

「国家の運営は、政府が発行した自国通貨でまかなう」です。

政府が支出のかたちでお金を国民に渡して、一部を税金で回収します。

財源論はその逆コースであり、全くの間違いです。

財源論だと総量一定で考える?

吐いた息だけを、吸って生きていくようなものです。

誰かが息を吐かないと、吸う気体が用意されないわけです。

他人が深呼吸すれば、自分が吸う分が減る理屈です。

なるほど

財源論で解釈すると、税金が60兆円集まれば、来年の予算は60兆円です。

そこから予算配分します。高齢者にいくら使い、若者にいくら、子育て家庭にいくらと、山分けします。

財源論方式だと、国の態勢はすぐ崩壊します。

余裕がなさそうだが

地震や台風で自粛すれば税収が減ります。すると翌年の予算が減ってデフレになります。財源論だと助け船が出ないから、デフレスパイラルからの脱出が不可能です。

国はすぐに滅ぶ理屈です。そこで滅ばないよう事前に税率をうんと上げて、国民に多くの税金を差し出させて金庫をふくらましておく、お役所的な発想が出てきます。

「国民に重税をかけるほど、国がお金持ちになるぞ」と。

これを素直に聞けば「なるほど、なるほど、すっごくわかる」となりますね。

重税で国民はどうなるの?

手取りが減ります。貧困化です。

対抗してお金を後生大事に、タンスの引き出しにしまったり。

お金が動かず、経済が縮小し、慢性のデフレ不況です。今の日本がこれ。

最近医療費が上がったが?

今回の後期高齢者の医療支払い倍増は、財源論に近い発想の緊縮財政という宗教で補助金をカットして、高齢者の資産を吐き出させる決断です。

政府は高齢者の冷遇を決めたわけです。

まともな国の財政は、税でまかなう財源論と何が違う?

まともな財政は、税金でまかないません。

違いは、貨幣量の可変性です。

お金の総量が一定でない。

パイが足りないと増やす。

パイの奪い合いとは違う。

そこを詳しく

お金は本来、総量一定でなく民意で増やして減らしてが自在です。お金は働いて増やすのではなく、ボタンを押して増やします。

つまり政府の財政は、家庭の家計と全く違うロジックです。

サイエンスでいえば、政府は開放系で、家庭は閉鎖系です。

家庭と政府は何が決定的に違うのか?

家庭と違い、政府には打ち出の小づちがあります。

貨幣プリンター。通貨発行権と呼びます。

自分の国の通貨は、自主的に追加発行できます。家庭や企業では不可能ですが、政府だけはいくらでもお金を刷れるのです。景気が悪くなれば刷り足せます。

だから日本政府はドルで破産はあり得ても、円で破産は絶対にありません。ここに世間のものすごい誤解が集中しています。

確かに想像しにくい

偏差値がいくら高くても、国の財政に理解及ばぬ人も多いので、エリートの踏み絵みたいに言われます。

各国の政府はお金をつくれる許可どころか、ちゃんとつくらんかーい、という責務です。つくるのをおこたると、国全体が貧困化します。今の日本がこれ。

貧困化の初期の現象は、給食費を払えない家庭が目立ち始めます。

国際的にも悪影響が起きます。牛肉やオレンジなどをあまり買わない国民になるのです。外国に約束した貿易目標を達成できず、他産業の首を差し出す罰を外国から受けます。

財源論だと国の予算は余らないのか?

財源論の思想だと、予算が余って減税できる日は来ません。国民が欲しい公共物はいくらでもあるからです。

洪水が起きないよう川底を掘り、堤防を高くしたい。しかし財源論方式だと納めた税金きりだから、金欠の手抜き工事となり、台風のたびに水びたしでしょう。

工事だけではなく、化学や生物学の研究開発費も欲しい。地震ももっと調べたいし。

財源論だとお金が底をつく?

財源論だと今あるお金を使い回すので、どこかにお金を回せば、どこかを削ります。

政府が化学の補助金を増やすと、生物学を補助金カットして、研究成果を外国へ安く叩き売ったりしているわけです。

誰かが浮かばれ、誰かは沈みます。高齢者への補助金を若者から取る、シーソーゲームやゼロサムゲームです。

当然、国民は世代間や階層間で憎しみ合い、分断が進みます。互いに暴力的になります。

お金の奪い合いで、しだいに殺し合いへ至る。この共食い財源論の特徴です。

自分以外はみんな敵?

財源論では税金を払わない不労の人は、国民の敵となる理屈です。

ヒエラルキーができて適者生存の哲学が生まれ、人の価値の優先順位づけから、優生思想へ自然に向かいます。相模原の19人刺殺事件は、財源論が導いた優生思想でした。

税金を納めない障がい者は財源の負担になるとして、意思疎通できない者をゼロ査定し、国の無駄として削減したのです。財源論の民意を受けた、口減らし殺人でした。

日本人の特性とされる「足の引っ張り合い」は、他人を落とせば自分の取り分が増える、財源論に沿ったキャラクターなのです。

日本人らしさは、財源論と関係が深いのです。

財源論をやめたらどうなる?

財源論の思想を中止すれば、今回だと高齢者はサイフから出て行く医療費が助かるから、パソコンや楽器でも買って手習いでも始めようと、笑顔に変わります。

国が高齢者を保護するその財源はどこにある?

その疑問が、財源論の思想なのです。国費は最初から国債に決まっています。

自国通貨、円の発行です。

財源探しする時点で、発想があべこべになっています。

今の日本の財政は、財源論の一歩手前の中途半端?

今の日本では、国会議員も財務省も財源論で徹底しているのでしょうか。

まず、日本政府は国民に毎年240兆円を支払っています。

これが現実だから「政府は無駄な出費をなくせ」と怒る気さえ起きませんね。それどころでない巨額です。この多さは、政府がルーズだからふくらんだとは思いませんよね。

なんで多いの?

GDPが世界3位だからです。ひとつは人口の多さ。しかも長生き。国土は川あり山あり谷ありで、世話がやけるから240兆円です。

さらに地震や台風もあるし。おまけに平和主義だから、海外にお金を配るつき合いも多いし。どの国とも親しくすると、それなりに交際費がかさみます。

アジアのリーダーは関係ある?

アジア各国が利用する台風情報は、全て日本のお天気情報です。日本だけが気象衛星「ひまわり」を常時稼働できる貨幣を発行しているからです。Yahoo天気は、気象データづくりにものすごいコストと、年月もかかっています。

気象情報を毎日ネットで無料で見られるのは、政府がおごってくれるからですよ。他国は日本から情報を借りたり、もらえば済むわけです。

気象庁が消えたら、日本国内も東アジア国も、大弱りです。

年間の正味の発行額はいくら?

年間240兆円の一角に、みんなの国税も含まれます。60兆円です。それなら残りの180兆円はどこから来たお金でしょう。

180兆円の中には、集めて再配分する国保や年金もあります。これも還流分です。

180兆円の半分の90兆円が、国債発行による円の追加発行です。貨幣プリンター分。

差の30兆円は何?

国債発行による円の増刷90兆円に対して、税収は60兆円。その差の30兆円。

「30兆円が税収不足だー」と、あわてるのが財源論の思考です。

さらなる増税が必要だと騒ぎになりそう

吐いた息だけを吸って生きていく方式なら、もっと息を吐けということに。

世界の財政はそうは考えません。30兆円は国民がゲットした所得増、経済成長です。

バブルの好景気以外は、経済成長の内訳は実は国債発行の増分が占めます。

差を30兆円よりも増やせば全て解決するわけ?

たったそれだけの話で、差を縮めたら何もかもが悪化します。今の日本がこれ。

通貨発行90兆円と税収60兆円は、差を広げるほど富裕国になります。なのに財源論では差をゼロにして、国の経済成長をゼロにする思想なのです。
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