国の財源は国債と税金の二つでなく国庫短期証券だ

豚の貯金箱

国の財源は国債と税金だ、この間違いは特にしつこい

新型コロナ開始の2020年以降、日本経済の嘘をばらす動画が急増しました。

日本が貧困化し、若者や女性が不当な死をとげて、企業や特許や技術や土地が海外資本へ投げ売られ、国が現状変更されてきた、その原因を伝える動画です。

作者は金融系ユーチューバー。

動画の内容はこう。

・ 日本の財政は健全なのに、危機的とのフェイク情報が広まった
・ 国の借金は嘘で、返済する性質の赤字でなく、円の発行実績だ
・ 銀行融資は既存のお金を又貸しせず、店頭で円を即時創造する
・ 日本の貧困化は富裕層が仕掛けたワナで、庶民をだまし続けた

動画を見ると作者はよく勉強していますが、部分的にまだ付け焼き刃です。

何か間違いがあるの?

金融出身者は間違った主流派経済学を学び、お金の機能を間違えてスタートしています。「日本企業には改革が必要だ」など誤認識を持つ人が多い。

正しい説明のために、半生で学んだ知識を完全否定し、ひっくり返す作業になります。

まるで天動説から地動説への、相転移です。地球中心から太陽中心へ。

しかし身についた古典的な感覚は惰性し、失言がポロッと出やすい。

税金を負担する」もそう。何人もが動画の中で言います。

それを聞いた読者は何を誤解する?

税金は支払いに使う資金だと、これまでどおり誤認します。

「コロナの今、政府はお金を発行して国民の生活を支えるべきだ」。

と、これはよいのです。

「非常時には税金だけでは足りず、国債も併用しろ」。

と、これが間違った論法です。

国債発行は平時はご法度と言うつもりか?

政府による通貨発行を、重病人のみ服用してよい麻薬に位置づける誤解です。

コロナ終了後に薬を抜いて、元の貧困に戻す前提で考えています。

アフターコロナで、大増税に走る集団ヒステリーとか。

財源論がネックか

税金を「金目の物」とみる、俗な感覚が混じるのでしょう。

税金は、富裕者が持ちすぎた余剰金を間引く廃棄物

税金は財源ではありません。使うお金ではなく。

皆さんが払った税金は捨てており、高齢者や障がい者や公務員や議員にあげていません。

近代のイギリスの銀行が考えた仕組みです。

その理解に日本人はまだ届かない?

だから日本だけ、コロナ前からデフレ不況でした。

デフレ不況は本当に、日本だけなの?

どの若いユーチューバーもその理解が不十分で、あいまいです。

あいまいだと何がまずい?

「税金も財源の一部だ」と誤解すると、際限ない増税とお金の奪い合いに戻ります。

財源は国債だといくら知っても、税金も財源の一角と思えば、国民は納めた税金のゆくえを心配します。

どういう心配?

自分が払った税金が、貧困者に渡る心配です。悔しいからです。

働かない者を食わせてやるために働かされる、そんな自分がかわいそうだから。

今の国民感情はそれが全開

「国債と税金とも財源だ」と誤解釈すれば、弱者差別の優生思想が続きます。

「貧乏人が一人でも多く死ねば、僕は暮らしが楽になる」のメカニズムが残るからです。

障がい者が笑顔を向けると、健常者は「俺の納税で食えているくせに」と憎しみがわく。憎しみは「税金だけが財源だ」と「税金も財源の一部だ」のいずれでも起きます。

信用貨幣論と財源論を混ぜてるのか?
A 正しい事実 = 予算は国債発行。余剰金の廃棄が税金。
B 従来の誤解 = 予算は税金。不足分は国債発行して、返せず破綻する。
C 新しい誤解 = 予算は国債と税金の合計。国債発行を今より増やせる。

BとCは同じです。何も正せておらず、改めていません。

理屈でついて行けても、感情でついて行けず、妥協した折衷案に陥るのです。

太陽が地球を回ることも、時にはあるでしょと、未練を引きずる。

税金を使うという概念が、そもそも間違いだった

「税を負担する」「税金を使う」「税金をあてる」「税金でまかなう」という日本語は、根本的に間違っています。

税金は、負担し、使い、あてて、まかなうお金ではない。

商品が買われすぎて不足する懸念で、市場の余り金を除去するのが税金です。

「物を買うな」「ストップ売買」「買う金を手放せ」が徴税の主目的です。

インフレ率が適切な範囲に収まるよう、余りすぎた通貨を富裕層から回収します。

とんだ副作用ではなく、最初から消費のブレーキ役です。

ブレーキをかけすぎているわけね

国民から税をしぼり取るな、の批判も嘘か?

お金を発行する立場の政府が、発行済みのお金にラブラブなわけはありません。

自国通貨の発行元が、自国通貨にストーカーするはずがない。

母は実の娘を、娘の実母から奪おうとしないものです。

「税を確保する」の言い方も、何をかいわんや。

「税収」の語も、勘違い丸出し。

政府が支払いに使うお金は税金ではなく、「公金」と呼ぶお金です。

そうかっ、それだっ、公金という言葉があった!

公金の正体は、財務省が発行した国庫短期証券を担保にして発生させた、日銀当座預金の政府口座に置いたマネタリーベースからの財政出動です。

やっぱ説明長いね(笑)

だから東大卒も、早稲田慶応も、全く理解できないのが実情です。

公金は打ち出の小づちであり、政府の自己資金です。借入金ではなく。

・ 公金は政府が発行したお金であり、使えばお金の総量が増える
・ 政府が公金を使うと国民のサイフに入り、国全体が富裕化する
・ ただしサイフがふくらみすぎた者の爆買いで、商品が枯渇する
・ そこで買いすぎを阻止する目的で、一部を税金として廃棄する
・ 商品の増産に合わせ、造幣と減税の加減でさらにお金を増やす
それさえ知れば、動画の間違い探しができそう

次の考えは、両方とも間違いとわかるでしょう。

・ 子どもに与えるこづかい5千円は、子どもが差し出した5千円である
・ 子どもに与えるこづかい5千円に、子どもが差し出した3千円を含む

そんなわけないでしょ。

その説明ならわかる!

日本のデフレスパイラルは「税金を使う」の妄想で起きています。

1.納税者は税金が捨てるお金だと知らず、国の財源だと思っている
2.納税者は自分に恩恵がない分野への出費を、不愉快に思っている
3.国の出費を小さくするよう、政府に意見してお願いし続けている
4.政府は言われたとおり、国の出費を小さくして弱者を切り捨てる
5.出費が小さいと自国通貨が削減されるから、国内経済は低落する
6.切り捨てられた弱者は買い物を減らすので、国内経済は低落する
7.経済が低落すれば税収は小さくなるので、さらにまた増税を行う (2へ戻る)

1が間違っているから、2から7が永久にループします。

でも良心的なユーチューバーも「国債が財源、税金は捨てるゴミ」までは言えない。

お金の値打ちに未練が残るせい?

警察が押収した麻薬と似ています。押収後も、金銭価値はあるのです。

押収した麻薬を売って、警察の捜査費をつくるジョークがありました。

その気持ちわかるっ

ところが警察は官業なので、経費は通貨発行権で必要なだけ生めて、無尽蔵です。

打ち出の小づちを持つ側にいる警察組織は、麻薬の価格に目がくらまないのです。

もし警察が民営化したら?

民営化しなくても、独立行政法人に変えるだけで、お金を気づかう毎日です。

押収した麻薬を転売して儲けたい立場へ、ひっくり返ります。

国民が思い描く税金は、転売益が目当てで押収する麻薬に似た、勘違いなのです。

記事→ 税金を犬にたとえて説明すると

記事→ 勝ち組が働けない者を憎んだ事件がこれ

記事→ ビットコインだと税金で国をまかなう不幸となる

「国債と税金とが財源である」の説明は間違いです。国の財源は存在せず、国費をまかなう公金の正体は、政府が発行する国庫短期証券です。
Photo: by Konstantin Evdokimov on Unsplash