現金給付が日本で決断できない謎=他の先進国はなぜお金を配れる?

日本製超望遠レンズ

現金給付へ話が進まない日本は、いったいどうしたの?

アメリカ政府は、新型コロナ対策費を、2兆2千億ドル出す命令を出しています。本日のレートで242兆円です。国民への現金給付も含みます。

人口が2.6分の1の日本も93兆円出してよいはずが、一切出さないゼロ宣言です。

今は10兆円ほどを、しぶしぶ言い出しました。

すくねー

途中で、和牛商品券、お魚券、旅行クーポン券、寿司券などが出てきて。

新型コロナで収入が消えた人たちを、なぜ救済せずに放置するのか。

不景気だから?

「日本は好景気だ」は嘘と、国民は思っています。

「国が金欠で、出すお金がない」の認識が多いでしょう。

給付金を国民がもらえば、穴埋めでドーンと税金で持って行かれるのが怖いし。

そんなことが過去にあった?

あるわけなくて、国の金欠も、穴埋め増税も、ツケも、道理がありません。

そもそも、税金は財源ではないのです。

アメリカが出す経済対策費は、ドルの新発行だから

アメリカが用意する242兆円は、米国債を発行して、追加発行するドルです。新たに。

古銭を集めるんでなく?

連邦準備銀行(FRB)がドルを生む役、俗に「ドルを刷る」組織です。

ドルをデジタル発行し、銀行から国民に配ります。印刷紙や現金輸送車なしに。

余談で、アメリカの高速道路の無料も、自動車税がないのも、ドルを発行して道路メンテ会社に払うだけの話です。

遠乗りドライブしてもタダ?

全員が合衆国から、毎日給付金をもらうかたちです。国民は道路使用料を払いません。

運送会社も観光バスも市民も、高速をタダで使えちゃう。俗に「ばらまき」と呼びます。

ばらまきが充実した国を、先進国と呼びます。

先進国ほど社会主義的ですね。北欧国みたいに。

日本がアメリカの真似をできないのはなぜ

日本で特に目立つ拝金主義です。

お金のブツに値打ちがある信仰です。物体に値打ちが宿る感覚です。宝石類や書画骨董の作品みたいに愛でる傾向です。

お金を「カードとして切る」発想がなく「宝物として仕舞い込む」感覚が強い。

これを実物貨幣論商品貨幣論と呼びます。金本位制という経済用語もそう。

それでお金を使うのを罪悪視するわけ?

宝物は量が一定の限定品として惜しみます。

国債発行して93兆円のお金を生むと、日本では次の曲解が起きます。

「93兆円は、僕らが税金で払う」。

「93兆円は借金で、子孫がツケを背負う」。

「93兆円は、僕らの銀行預金が使われた」。

どうみても陰謀論!

実際には、93兆円を生むコストは0円です。

ところが国民は、93兆円を自分らが賠償すると勘違いしています。

日本では「お金の発行」を、お金を持ち寄る意味と受け取り、それで年金暮らしの高齢者に白い眼を向け、障がい者を殺したりへ向かいます。現にやった。

誰かが訴訟で国に勝つと、大勢が不機嫌になります。自分が払った税金がそいつに転がり込んだと勘違いしています。

なら日本人はアメリカをどうみてる?

「有能な産業で大儲けし、ためたお金が巨額だ」の認識でしょう。

金庫に寝かせていた「備蓄金」を放出するとの事実誤認です。

貯金箱の「所蔵金」を出すとてっきり思っていて。

集めた「持ち金」を必要な部位へ移す誤解です。

「さすが、アメリカは金があるなあ」と「有り金」だと日本人は勘違いしています。

現実はそうじゃない?

今からお金を発生させます。さっきまで、なかったお金を。

中央銀行がキーボードのボタンを押して、数字を出力するだけ。

午後にでもマシンを操作してドルを新発行します。

世にあるお金の合計が増える。

アメリカが裕福なのは、普段からドルを多く発行して増やすからです。

同じことをインドもできる?

アメリカにくらべ、インドは人口が4.1倍ですが、GDPは7.5分の1です。いわば国力の効率が30倍もアメリカが上です。

30倍の違いは何?

アメリカの方が、はるかに無駄が多いからです。

国の無駄がどう関係する?

100万円持ってインドへ行くより、アメリカへ行く方が、物やサービスがはるかに多く並んでいますよね。アメリカは遊ぶところだらけ。飲んで食べて、歌って踊って。

ロケットエンジンのカーレースって、アメリカだけでしょ。インドにはない。

アメリカには、生存に必要ない無駄なものがやたら多く、ドルを山と発行しても使い道が用意されています。

お金がだぶつかない?

お金の発行なら、どの国も無限にできます。無限に。でも商品がないのにお金を増やしても、紙くずと化しますね。お金を消化できずに余る。

お金が紙くずになる超インフレが起きる限界が、アメリカはとても高いのです。

物を買っても買っても、まだまだ商品がある生産力の巨大さで、大量のドルをばらまいても紙くず化が起きません。ばらまけば、調子よく商品が売れて経済成長するだけです。

商品の量がお金を増やせる限界?

商品が枯渇しない生産大国アメリカでは、中央銀行がドルを新発行して何かをひんぱんに買い物できます。道路へも、インターネット関連へも、多額を出資できます。

一方のインドでは、皆が自国通貨ルピーをちょっと多めに持つだけで商品が売り切れて、お金が紙くずになるから、常に少なくしか発行できません。国民を裕福にできません。

国産の商品が多い国は、政府がお金を発行するペースを上げるから裕福なのです。

それで中国は?

あらゆる商品の生産設備を国内にそろえ、第二のアメリカに上がりました。中国共産党は人民元を大量に発行してばらまき、大卒初任給は平均55万円のアメリカに並びました。

生産力を得た国は、キーボードでお金を多く出力し、ばらまいて経済大国になれます。

働いたお金でお金持ちになるのではなく、貨幣プリンターでなるのが国の正攻法です。

日本はインドに似てるのか?

日本はアメリカに似ているのです。ああやっても、こうやっても、円の紙くず化がまず起きない極端な国が日本です。生産力がめちゃめちゃあるから。

フルサイズ一眼レフカメラの400ミリF2.8望遠レンズは、アメリカは作れなくて、日本は何社かが作れます。異常低分散ガラスや超音波モーターを使ったハンドメイドです。

日本製は150万円ですが、他国が何とか作っても2千万円などになるでしょう。

日本人形も日本だけだし

ところが日本国民は、お金の仕組みを誤解しています。

「国がお金を使う時は、僕たちが働いてかせいだお金を国が奪い取って、偉そうに使ってみせる偽善だ」と、国をいちいち恨みます。

悪者扱いされた国会議員たちは、こそこそ隠れて貨幣プリンターで円をタダで発行して、国民が死なないよう図らいますが、市民グループが発見して糾弾します。

「この議員は、国の無駄づかいをまた始めた」。

「お金を使う議員は、次の選挙で落とせ」。

あちゃー

日本だけ金銭カルトで、政府が通貨発行を故意に減らし、国民の手にお金が回りません。物やサービスが余り、貨幣価値が上がったデフレ不況です。

あげくに、児童や女性の貧困化です。オレオレ詐欺や少女売春に、国民も納得していて。

最大の焦点は?

猛毒のサリンよりも大勢を殺せる、カルトの教えはこの嘘です。

「税金で国の運営をまかなう」。

本当の正解は?

貨幣発行で国の運営をまかなう。

でもカルトの嘘の方が強い。お金の発行不足で、貧困化が止まりません。

だからコロナウイルス対策もドケチ?

コロナ対策費93兆円を放送局も叩くはず。「国の財政は悪化します」と嘘を言って。

市民団体も、人間がお金を増やせない勘違いで妄想し、政治行政を批判し続けます。

アメリカの模倣をそこだけできないのは、日本国民がお金を誤解しているからです。

新型コロナの危機で日本だけが国民への現金支給を渋るのは、国民が財源論を信じているから。お金を出せば国は破産だと、勘違いしているせいです。
Photo: Ferenc SzabóによるPixabayからの画像