家庭と政府は何が違う?貨幣プリンターと通貨発行権とは何か

貨幣プリンター

国が出費を節約する意味が、どこにもないのはなぜか

ないどころか、節約や経費削減で国は貧困化します。

ええーっ、節約すれば貧困化する?

昨日の説明のように、日本政府は国民に、毎年毎年240兆円投資しています。国民はそれを基盤として経済活動を行い、2倍以上の540兆円へとふくらませます。

540兆円は世界3位のGDPで、だから日本は隅に置けない存在です。世界から称賛と批判とも多い国です。

だったら、政府がどんどんお金を配って、国民がありがたく受け取り、食いつないでいるようなものではないか。政府が親で、国民は子ってわけ?。

みんなそう思うはず

それで理想です。それが先進国の現代資本主義であり、現にやっています。

だとしても、そのお金はどこから来たのか。誰かのお金を借りたり、盗んだのか。

まさか天から降ったり、地からわき出るわけないし

そのまさかなのです。

お金を生む国際的な制度

お金がわいてくる仕組みが、国際的に決まっています。自然発生権です。

国のお金は、打ち出の小づちを振って、無から有を生みます。

さっきまで世に存在しなかったお金を、突然出現させます。幻や蜃気楼ではなく、実際に皆さんが手にして物品と交換されます。

打ち出の小づちは、貨幣プリンターのかたちをとります。

何それ?

「一万円札を刷る印刷機なの?」。

「昔の大蔵省印刷局のこと?」。

「今なら財務省の何とかというあれ?」。

「独立行政法人の国立印刷局だったっけ?」。

それも含みますが、円単位の貨幣を電子出力するコンピューターです。

「お金を勝手につくってよいのか」「犯罪にならないのか」と思われるでしょう。ほら、お札をカラーコピーして使い、色が変だと店員が気づいて逮捕される男がいますね。

紙幣の反対語が貨幣なの?

貨幣は英語で「マネー」「Money」です。日本語の通称は「お金」です。

貨幣に含まれる最大勢力は「預金通帳」の電子マネーです。他に紙幣、お札と硬貨がありますが、硬貨は厳密には貨幣と異質の疑似金貨グッズです。

問題は「貨幣」で、カキクケコの音なので、近い音の「硬貨=コイン」と混同されます。日本の経済界に、百円玉や五円玉など「硬貨」を「貨幣」と呼ぶ悪慣習があります。

実は通帳や一万円札も貨幣です。

紙幣は日本銀行が発行します。硬貨は政府の指示で国立造幣局が発行します。ところが預金通帳は、第三の方法で生まれるのです。

お金を生み出せる神様の役目は、皆も使っている銀行

お金を新たに発行できる者は、世界中で決められています。各国の銀行です。

銀行が自主的にお金を発行するのではなく、誰かが銀行から貸りた時にお金が生まれる制度です。考えたのはイギリス人です。

大事なのは、在庫のお金を貸すのでなく、新たに発行する点です。銀行に預けてある貯金から工面するのではありません。

ここは人類のほぼ全員が勘違いしています。勘違いしていないのは主に、方法を確立したイギリスの銀行マンたちです。

なぜ勘違いだらけなの?

各国の教科書にウソが書いてあるからです。各国民はウソを学ぶから、ウソを信じたまま生涯を終えます。

政府だけは独自通貨を発行し、日本銀行という中央銀行で変換する手続きをとります。

政府とは誰?

中央政府は国会議員と、官僚組織の合同チームです。

日本の「円」は日本で勝手に決めて、世界から信用を得ているお金の単位です。考えたら当たり前で、円を生む責任者は外国や宇宙の遠方ではなく、東京にある日本政府です。

独立国には貨幣プリンターがあるのです。これを「通貨発行権」と呼びます。

政府は金庫やサイフにお金をためずに、常に持ち金の財源がゼロでよいわけ。

世界のお金を作り放題?

日本にある権利は円の支配だけです。米ドルやユーロや人民元や英ポンドは作れません。作れば通貨偽造の国際犯罪です。

アニメ漫画の『ルパン三世』に、各国のニセ札を作る印刷所を隠しているお城が出てきましたね。『カリオストロの城』だったっけ。

家庭は破産し国は破産しない、その違いは通貨発行権

ちなみに貨幣プリンターは、家庭にも企業にもありません。

だから家庭や企業は、お金が減って破産があり得ます。怖いですねえ。

しかし国だけは破産しません

お金が減れば、貨幣プリンターで新たにプリントして加えるだけ。国民の手元のお金を、常に適度にだぶつかせておけば、国家は安泰です。

ご意見番たちは、国を家庭にたとえるけど?

この言い方ですね。

「月給30万円の家庭で、生活費が毎月40万円なら破産するでしょ」。

全くの間違いです。

それもウソ?

完全にウソ。円の著作発行権は日本政府にあり、毎秒1000京円でも出せます。

自国通貨では絶対に破産しない

使うお金が予算をオーバーすればどうなる?

生活費が毎月40万円に増えたら、月給に当たる予算額30万円を40万円に上げて解決です。以前より10万円多くプリントするわけです。

政府が通貨を多めに発行して、国民の生活費として多めに与えるだけの話ですね。

自らがお金を出す立場なのに、不足して泣くとか、お笑いコントじゃないですか。

国民が使うお金を、国民の意思で代理人の政府に用意させる制度なのです。

でも調子こいて増え続けない?

「予算40万が45万、50万、60万と増えていかないか、心配で心配で」。

わかります、わかります。机上の論だと、国の予算240兆円が将来増えると、すごい落とし穴にはまりそうで、胸騒ぎが起きるのはわかります。

机上の論だと泣きます。びびって。おじけづいて、叫びたい恐怖。

ところが、現実世界だと笑います。

予算がどんどん増えたらどうなるの?

予算を多く使えばGDPが増える、それを経済成長と呼びます。

下が『名目GDP』の計算式。

・ GDP = 個人消費 + 民間投資 + 政府支出 + 輸出入トータル

下が『GDP三面等価の原則』。

・ GDP = 生産の合計 = 支出の合計 = 所得の合計 = 経済成長の指標

国は何を目安に動けばよいか。

・ 経済成長の定義 = 名目GDP(国内総生産)が前年より増えること
・ 政府支出が前年より増えると、名目GDPに加わり経済成長している

だからどの国も、調子こいて国の予算を増え続けさせたいのです。

調子こいた状態を、好景気と呼びます。

いつも調子こいた国を、経済大国と呼びます。

そういうこと?

40万が50万へ、お金の使い道が増えればGDPが上昇、経済大国の順位も上昇します。

日本も世界第2位に返り咲き、銀メダルに昇格。応接セットや天体望遠鏡や大型セダンや出窓付き一戸建てを、各家庭が楽に買える時代にまた戻れます。

各国には、自国通貨を出力する貨幣プリンターがあります。だから、お金は国内に不足しません。国にお金がないぞと騒ぐ者は、ワルかアホです。
Photo: Oliver MenyhartによるPixabayからの画像