日銀の金融緩和で国民は助からない←新型コロナ恐慌を避けられず

日本国民救済

日銀による金融緩和策って、よく聞くけど何なの

新型コロナウイルスによる肺炎は、WHOが世界でパンデミックだと宣言しました。疫病が大流行している意味です。欧州の昔のペストを連想します。

日本だけが、特に防疫をミスしていない点では安堵です。しかしやがて国内で仕事がなくなり、個人や家庭の飢餓、飢饉、恐慌が起きそうで、対策が必要です。

それで、日本銀行が金融緩和策を言い出しています。きんゆうかんわをよく聞きます。

金融緩和って何?

日本銀行の金融緩和とは、金利を下げることです。

マネタリーベースを増やすなどし、民間のマネー・クリエイションを促進します。

お金を国民にくれるんじゃなくて?

銀行からお金を借りた社長が、返しやすくする策です。

民間銀行はお金を生む権限を持ち、他人にお金を融資して期限に返してもらう仕事です。金利を上乗せして、儲けるビジネスモデルです。

金利とは何?

金利は利子の率、パーセントです。

金利が4パーセントなら、会社の社長さんは100万円借りて、104万円返します。4万円が金利です。3パーセントに下げれば、返すのは103万円で済み、1万円助かります。

金利が変動する理由は?

複数の要素があります。手数料、回収率、インフレ率など。インフレ率が大きい。

ゼロ金利というのもあります。100万円借りて、100万円返します。かつての大学奨学金がゼロ金利でした。借りる負担が軽くて楽です。

昔はお金がない家庭の生まれでも、学力さえあれば大学へ行きやすかったのです。

新型コロナの令和恐慌に、金融緩和は必要な策ではない

以上の説明で、今の日本国内で金融緩和することは、無意味とわかりますね。

日銀の金融緩和は、日本経済を良くも悪くもしません。

なんで?

日本はデフレ不況だからです。

デフレ不況とは、昨年より今年、今年より来年と、時とともにお金が貴重になり、節約を徹底する気持ちが強まる経済環境なのですよ。

日に日に物が売れなくなり、未来に貧乏を強め暗い社会へ落ちるのがデフレです。

皆はデフレを必ず話題から外すし

1992年以降の28年間が不景気で、1997年以降の23年間がデフレ不況でした。

未来がしぼむ流れの中で、社長さんがお金を借りて活用する空気はないのです。投資すれば儲かる経済成長が、日本にないから。今日より明日の方が、景気が悪化するから。

経済成長が続く時に金利を上げるわけね

デフレだと社長さんがお金を借りる動機が消えます。100万円借りた後で、返す100万円をつくれるほど国民が消費しないから、返す利子が小さくても無意味。

社長さんは不況で会社がつぶれて首を吊り、あの世にいたりします。

お金を借りる意味がない今、お金を借りやすくする策は無意味です。

たとえるなら?

海に落ちて漂流して、助け出された漁師さんを考えます。その人に必要な物は、食べ物や飲み物の現物ですね。くたくたの遭難者には、水とおにぎりを手渡しすべき。

飲食物を買うとお得なクーポン券や、グルメ三昧の割引チケットは欲しくありません。

そりゃそうか

現金収入がなくて死にかかった人に、お金を借りた利子が少ないサービスは、間が抜けています。イソップ物語に出てくる、意地悪キャラみたいな。

なぜ日銀は、無意味な金融緩和ばかりやるのか

飢え死にしかかった遭難者に、無効なサービスしか日本銀行が用意しないのはなぜか。

理由は、日本銀行が市場にお金を注入したり、お金で何かを買えないからです。金融政策しかできない役目なのです。

だからお金に困っている人にお金をあげられず、借金を優遇するか冷遇するかのルールを微調整して、積極投資する者に特典を与えるしかできないわけです。

日本以外はどこも好景気なのか?

アメリカはインフレ好況で、日本はデフレ不況です。世界で日本だけがコロナウイルスの前から経済縮小が続いています。日本だけが異常事態です。日本だけが。日本だけ。

日本だけが異常なの?

いつなら金融緩和の出番なの?

バブルが少し陰った、好景気の頃でした。好景気ではあっても伸びが鈍化した時、まだ元気がある企業が多い時が、金融緩和すべきタイミングです。

不景気のどん底でやる金融緩和は、お笑いギャグです。

今の日本は「好景気がやや鈍化した」とウソの物語を元にして、だから凍傷ですぐ入院が必要な患者に、温かい雑炊の優待販売を持ちかける不手際になるのです。

日銀もお金を発行できるそうだが?

日銀がお金を発行するという、そこを国民は全く勘違いしています。

日銀が発行するお金は「日銀当座預金」と呼び、マネタリーベースなのです。

それは何を意味する?
日銀が発行するお金は楽屋にあり、舞台にない。世に出ず、国民は手にできない。

デフレ不況から脱するには、政府財政出動が必要です。

政府がお金を追加発行して、使うのです。

政府支出しないからデフレ不況が続くのか?

デフレ脱却の手順はこう。

・ 政府が国債を発行する
・ 市中銀行が買い、日銀当座預金を政府預金へ移す
・ 政府預金を担保にし、政府が企業や国民に支払う ← これが決定的
・ 企業や国民が得たお金で、市場が正常に回転する

間に合わないコロナ恐慌では、全国民の食住費補助、ベーシックインカム突入です。

政府がお金を使う以外に方法がないのが、国際的な制度です。

政府自身が、消費を行うのです。

社長さんではなく、政府が。

政府がお金を使う。

政府以外ではなくて。

政府が。

政府。

アウト!

日銀単独ではアウトです。遭難者に食料を与えられるのは政府だけで、日銀の金融緩和は日本国民を救えない宿命が約束されています。

異次元金融緩和は何だったの?

空回りです。

「金融緩和や量的緩和で経済が上向く」のフェイクは、俗に「リフレ派」なる消極財政を指向する派閥のかけ声であり、新自由主義経済の分派です。

このフェイクの裏には、新自由主義経済はインフレだけをカバーし、デフレの概念が存在しない不備があります。デフレなら逆をやれという発想が元々ない。

やけどはあれど凍傷はない思想なので、つける薬は常に冷却剤です。

日銀がお金をじゃぶじゃぶ出せば、貧乏になった非難もあるが

日銀が出すお金は日銀当座預金です。

楽屋に山積みでも、舞台には上がっていません。

だったらなぜ政府は動かない?

宗教です。

プライマリーバランスの黒字化目標という、財源真理教。

お金を増やせば破綻するというカルト思想が、国民の飢えを強める理由です。

新型コロナ恐慌が現実味を帯びて、日銀が金融緩和策を出しました。市場へのお金の投入ではなく、借りた人が返しやすくする場違いな政策です。
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