ディープステートとは何か:誰なのか見分けるポイントはどこ

ハゲタカファンド

ディープステートとは何?、国際社会を巻き込む陰謀?

ディープステートという語の最初の謎は、この言葉が書籍とネットに出回っていて、でも新聞テレビなどマスコミには出ない点です。

論者がマスコミでしゃべれば、カットされて出入り禁止になるとか。

ネットでは時々目にするみたいで

ディープステートとは、国家(ステート)の中に国を支配する者がいて、深く隠れているという話になっています。

ところが実は、そんな行動はありふれています。ひんぱんに表に出ています。

後方へ引いた大物議員が敷く院政だとか、議員のお友だち以上の権力を持つフィクサーや政商もそうです。ロビイストのレントシーキングや、政府が依頼する民間委員会だとか、今やしょっちゅう出てきます。マスコミにもちゃんと出ていますし。

わかりやすい例はあるの?

たとえば1988年にマスコミをにぎわせた日本の「リクルート事件」は、国会議員がつくる法律を、人材情報会社に好都合な仕様内容にしてもらうお願いとして、何人もの議員たちに政治資金を提供した事件でした。

与党へも野党へも。

現金で渡さず、一般人がまだ買えない未公開株を譲渡したのです。

その人材情報会社は、ディープステートの立場になっていました。今になってみれば、その会社のやり方がかわいいレベルにみえるほど、21世紀は露骨なディープステートだらけです。

ディープステートは仮説的な陰謀論に似ていますが、過去形と現在進行形でとっくに定着している上に、近世や中世からあったわけです。おそらく別の言葉で呼ばれて。

ステートと言うから、失われたアトランティス帝国の末えいが地底人となって、闇の手で世界を動かす陰謀をイメージしますが、そんな超自然的な話ではありません。普段から目に入っている範囲に、その人はいるのです。

ディープステートは身近にもいるの?

「日本は財政破綻など起きないと嘘をつく経済学者がいる」などと、裏返し、意趣返しの虚偽ブログがいくつもあります。

「政府はお金の著作発行権を持つから、円は絶対に不足しない」という本質を国民が理解するのを、妨害して回る工作隊が存在し、財政関係者の間に鋭い対立があるのです。

国の財政をめぐり、重大な利害のタネがあるとわかります。

現代のディープステートは、どこで見分けるのか

21世紀の現代のディープステートの見分け方は、意外に簡単です。こういう言い方をする人がすぐに浮かび上がってきます。

「経費の無駄をなくせ」。

「コストパフォーマンスで考えろ」。

具体的には?

「国はお金を使うな」。

「国民はいらぬ物を買うな」。

「日本は米づくりから撤退して、外国から買えば安上がりだ」。

「採算が合わない業種もゾンビ企業も、早くつぶしてなくすべし」。

「公務員給与が高すぎる、国会議員の報酬も高すぎる、人数も削れ」。

「政治をクリーンにするには、公共工事を廃止して土建の利権と既得権をなくそう」。

「人は都市に集中して住むべきで、コスト高の地方は衰退してもしかたない」。

「規制緩和しろ、構造改革しろ、民営化しろ、政府の役目を縮小しろ」。

「貧困化した地方都市は特区に変えて、外国の技術と資本と人材でつくり直そう」。

まんま新自由主義経済じゃん?

これらを実行すると何がまずいのか、ほとんどの国民は即答できないはずです。

「限られたお金だから無駄をなくそう」「お金は使えば消えてなくなるのに、使って失う貧乏人が馬鹿なだけ」と言いくるめられ、簡単に論破されてしまうはずです。

コストカットに従ったら何が危険?

ディープステートは上級国民です。カットするコストとは、下級市民の給料や報酬のことを指すのです。直接であれ、間接であれ。

「コストカットしましょう」は、「皆さんを低所得にして、代わりに働き方の自由を与えます」の意味です。薄々感づいている方や、思い当たる方もいるでしょう。

国民はどういう暮らしに変わる?

たとえば写真機材。

スマホカメラで撮っても、売れるポスター向けの画質にはなりませんよね。

そこで一眼レフカメラでも買おうという発想が、向上心や探求心として生まれてきます。趣味であれ、プロレベルを楽しもうという上昇志向で。

フルサイズセンサーのカメラが15万円、キットでない高級ズームレンズが17万円。あれこれそろえて百万円。

カメラ女子とかもあったし

その種の願望に対して、「身の丈に合った消費にとどめなさい」と生活レベルを下げる話が出てくるのです。経済縮小する準備として、痛みを伴うと予告する懐柔です。

「お金を使っちゃえば貧乏になるだけの話だよ」と、カメラを買いたい心理に釘を刺し、倹約を持ちかけます。

「飽食の時代に物を持つのは馬鹿のやること、ミニマリストや断捨離が最高」と。

「貧困を訴える者は、生活に不要な物を買うわがままの自業自得だよ」と責めてくる。

働く時間を削って高価な趣味に手を出すのを、無用な企業を儲けさせる愚行と忠告して、労働者の賃下げが許される社会の空気を先にこしらえます。

ぜいたくは敵だと教えてくるわけ?

たとえば公務員を派遣労働に替えると、その人は百万円のカメラ類を買わないはずです。だから公共のコストカットをあおる者は、貧困ビジネス指向だとわかるのです。

法人税率を下げると、企業の純益から減る法人税納付額を小さくでき、残りから出す株主向けの配当金を劇的に増やせるのです。

消費税を上げるのと同時に法人税を下げて、国民の資金(マネーストックM3)を株主へみつぐ所得移転を日本で続けてきたのは、そういう目的です。

ということはディープステートは株主なの?

「そうなんです」なんて言うと、何を今さらという話です。

現代のディープステートは、実体経済ではなく、金融経済の人間ですからね。

株だとかの投機や投資の関係者か?

経済学者の中でも、実体経済(土木工事の予算配分研究)より、金融経済(デリバティブやファイナンス)に軸足がある者が、平成時代に日本を壊してきた流れがあります。

作るメーカーではなく、口利きして手配するブローカーです。中間搾取の仕事。国際金融資本の近傍で、コネを持つ知識人が非常に多いのは確かです。

節約のすすめに長く従えばどうなる?

節約すれば国の経済は縮みます。その時、国債発行させないよう釘を刺しておくと、日本のようにお金を出し放題の国さえ貨幣を増やせなくなり、貧困化するのです。

国債発行を阻止して、経済を縮小させ貧困化させる殺し文句が、御存じ「自助の精神」と「国の借金1100兆円」です。

無駄を減らすなど貧困化が進む方向へ引っ張る者が、ディープステートだと言われます。議論の余地がないほど、状況証拠がそろいすぎて、新しめの古ネタになっています。

ディープステートは何が狙い?

国の施設を、民間へ払い下げさせる目標があります。

政府の通貨発行権という本物の財源で、私有財産をつくるうまい方法なのです。

いったいどういうこと?

たとえば海の港や、空港がそうです。各国で通貨発行して、政府赤字で計上して建造しています。永久に返さなくてよい性質の赤字です。豪華に作って民間に安く使わせて、民間が伸びればよかろうとの考えで、国策に役立ててきた施設です。

ディープステートは最初に、その施設の累積赤字を批判して糾弾して、国民に告げ口して政府に対して憎しみの目を向けさせます。

「こんな無駄づかいして、国の借金が返せなくなれば、君ら国民はおしまいだぞ」。

「君らの国の政府は、子孫に借金のツケを背負わせて平気な、恥知らずなんだぞ」。

怖い

未来が真っ暗だと吹き込まれた国民は、震え上がってパニックを起こします。

実は政府赤字が自国通貨なら、赤字が大きいほど大国になるだけの話だから、その忠告はデマなのです。国立の施設がいくら赤字でも、赤字を永劫増やせば済むだけです。

しかし、知識がない国民は赤字という文字におびえ、服従させられるしか選べません。

それから何が始まる?

国民はいっせいに政府叩きに熱を入れます。

マスコミが先導して。

国民から叩かれている政府に、ディープステートはこう持ちかけます。

「お荷物の施設を損切りして解放されるよう、我々が引き取りましょうか」と。

こうして国が国債を発行して千億円かけて作った施設を、民間企業が数十億円などで巻き上げてしまいます。民間企業はその後の利用料や運用益を独占します。

「赤字だが重要な施設」「欠点があるが有用な土地」のリストを用意していて、安く買い叩いて回るのです。黒字でウハウハです。

自己責任もその布石だったのか

自己責任論は、政府に国民を見捨てさせる下地づくりです。

公共の資産を奪い、民営化して値上げします。「値上げされて困る貧乏人は、努力しない自業自得だからね」という国民感情を醸成する空気が自己責任論です。

国会議員の願望ではなくて、そう言わせる受益者が外部にいて、仮にディープステートと呼んでいるわけです。

それほど難しい話じゃないんですけど。

ディープステートと、アメリカ大統領の関係は謎なのか

ディープステートは、国の政府とは別ものです。

それがはっきり表れたのが、アメリカの不思議な「自由貿易」のTPPでした。

TPPはドタキャンになったが

オバマ大統領が進めたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)を、次のトランプ大統領が一瞬で捨て去った謎の流れです。

そもそもアメリカ側がTPPを持ちかけて、日本の現政権は大反対して、後に大賛成しています。ところが日本がワナにはまる直前に、トランプ大統領は突然「日本が仕掛けたワナであるTPPに、アメリカは乗るものか」と、就任直後に破棄して葬りました。

日本側にすれば「アメリカが仕掛けたトラップにしぶしぶ乗った次の瞬間、日本が仕掛けたトラップであるかのように悪く言われた」と、開いた口がふさがらない状態です。

裏に糸を引く黒幕が別にいたわけか?

TPPをやりたい者は、アメリカ政府でも日本政府でもない、第三、第四の勢力です。

双方の政府のバックに圧力団体がいて、それぞれをあやつる構造だったのです。だからTPPは英語文書で質疑応答する条件で、日本国憲法の上位(アメリカ合衆国憲法の下位)に位置する大規模な契約仕様書は、アメリカ企業の弁護士が書きました。

内容は大部分が非公開のままで、全く不平等な内容で、しかも密約でした。皆さん、中身の強引さや民権の侵害ぶりを知りませんよね。

だから実は、日米の政府は双方とも、TPPをやれば強い分野がもっと強くなり、弱い分野は廃業して終わりだと気づいていました。政界にコネを持つ強い分野のCEOが、株主の意向を受けてロビー活動(政界工作)したと言われます。

何だかディープさに欠けてない?

泥臭い意味でのディープでしょうかね。

全ての根底には、お金への勘違いがあります。日本だけでなく世界全体で、経済学は常に投機と蓄財、バクチ方面へとそれています。キャピタルゲインやタックスヘイブンなどと親しい分野に引っ張られ、保育所やバス路線などの経済が取引材料や人質にされます。

一般的な資本主義は、二つに大別されます。

インフレ好況を起こす方向がケインズ理論、デフレ不況を起こす方向が新自由主義です。もう長く新自由主義が流行して、世界同時不況なのです。その理念は政府を縮小していく緊縮財政だから、財源論の共食いが基本形なのです。

やはり行き着くのは財源論か

日本人以外も意外に多くが「お金は財宝」と思い、争奪戦の人生になっています。

弱者をいじめるみたいに、動物の本能として殺りくの快感が、ディープステートの動機の深部にある疑惑です。富への執着とは別次元の広がりで、金欲以外の何かが。

現代のカリスマたちが攻撃的で、矛盾した提案を並べ立てては、あの人サイコパスではと陰で言われるのは、何がしかの関係がありそうですよん。

ディープステートは巨大組織ではなく、国家を裏であやつる人を指します。決まり文句はコストカットと自己責任で、目的は公的資産の私物化です。
Photo: by Dorothea OLDANI on Unsplash