障がい者支援と土建行政が国民の血税を奪っているのは本当か

東日本大震災

障がい者支援や高齢者介護は、納税者の負担なのか

ネットには読者自らスレッドを立ち上げ、みんなで意見を書く掲示板サイトがあります。そこに出るテーマに、障がい者を税金で支える負担があります。

「僕たちが収めた貴重な税金を、障がい者に使うのはもったいない」。

を皆で共有する意見交換会です。障がい者に資金を投じても、働いて返してくれもせず、と健常者のため息が聞こえます。

負担は苦しいという声と、負担もやむなし、の声が集まります。

どちらも間違いです。

どう間違ってる?

税金は財源ではないのです。

「健常者のぼやきは間違っている」は、倫理問題ではありません。道徳やモラルや人道的な見地から、障がい者差別をなくそう式の人権は、全く関係ありません。

世間に多いのは、次の話の落とし方ですね。

「お金も大事だが、人の生きる権利はもっと大事だ」。

「ある程度は、みんなで負担してあげようではないか」。

「もしかすると、自分も障がい者になっていたかも知れないし」。

「明日車にひかれて、車いすの生活になる可能性も考えなさいよ」。

いかにももっともらしいが

「確かに負担だけど、がまんしようぜ」という話ですよね。

それらは全て間違った話の立て方です。

国民は政府支出を負担しないからです。

ハンディキャップを持つ人をあわれみ、大目に見ようなどの納得は間違いです。見方を変えれば心が晴れる的な話ではありません。

税金は財源ではないから。

需要が増えるほど、国民のお金を増やせる

政府は打ち出の小づちを持ち、貨幣プリンターがあります。通貨発行権と呼びます。だから「国にお金がない」はお芝居です。狂言です。

ただしお金の発行には上限があります。あまりに多く発行すると超インフレになります。その制約条件は、国内の商品供給力です。

タコ焼きを一人で何万個も買えるほどお金を増やせば、商品が枯渇してレア化し、物価が上がりすぎて、お金の価値が下がりすぎます。

日本でも起きるの?

日本では非常に起きにくいのです。

途上国や内戦国だと、タコ焼き1個が百万円などに上がってしまいます。日本も工場がつぶれたら、ゼロに近い確率でも起きるかも知れません。

逆に言えば、タコ焼き1個に25円払えば済む程度にお金の値打ちを維持するには、国内にタコ焼き以外も含めて食べ物屋さんが多ければよいわけです。みんなが買いまくっても、品物が枯渇しなければ円の価値は落ちないのです。

インフレはお金の多い少ないじゃない?

お金が多くても、商品も多いと経済大国になるだけです。

つまり商品を増やせば、お金を多く増やせます。政府財政出動の規模を大きくできます。するとGDPが上がって経済大国になるわけです。貧困は消えます。

だから経済大国には大きい商圏があり、商売と仕事の種類が豊富です。

何でも色々ある国が経済大国になれ、すっきり整理した国は貧乏国です。

作る力と買う力を釣り合わせるのがコツ。製造力を高め高めに持って行くのがコツ。

障がい者はその需要になるわけ?

障がい者のお世話も、売っている品物の一種なのです。災いではなく、経済成長の材料になっています。国の経済力は、負担金の多さで押し上がります。

健常者が負担する苦痛を言い出す人は、財源論を信じていますね。

結局また財源論かよ

「税金を集め、皆で分け合い、国の運営をまかなう」デマを信じた人です。

記事→ 財源論という勘違いの妄想

デマは次の現実で否定されます。

・ 家庭には通貨発行権がない
・ 政府には通貨発行権がある

家庭で1万円札を自在に刷れたら、何が変わるか考えてみてください。

政府がお金を刷れなかったら、何か変わるか?

経済成長がなくなり、国はつぶれます。

日本だけがそれかよー

土木工事の負担のおかげで、日本は経済大国化する

日本列島に宿命づけられた地震、噴火、台風、洪水も、似た需要になっています。日本は土建国家と言われ、かつて「人間ブルドーザー」と呼ばれた総理大臣もいました。

地震が起きれば復旧にお金がかかります。そこに僕らの血税をたくさんあてるから、その負担で大学へ行けない人が増えたり、給食費も払えない、というストーリー。

それも全くの勘違いです。

地震対策や復旧の費用はどうする?

地震が起きれば復興国債を出すのが世界標準です。新たな需要にお金を追加発行します。

買わなきゃいけない物やサービスが生まれたのだから、粛々とお金を刷ればよいのです。打ち出の小づちです。貨幣プリンター。通貨発行権

ボタンを押して増やした円を、倒壊した建物の撤去や道路の修繕に当てます。そのお金は国民のサイフに入ります。

なら、災害が追い風で日本経済は伸びたわけ?

日本は災害対策で、建設国債の発行もより多く強いられます。

それで経済規模が自動的に大きくなります。商品不足だとお金の価値が落ちすぎるから、政官財がタッグを組み、産業育成して商品を量産しバランスさせました。

日本を物余りにすることで、お金をじゃんじゃん増やせたのです。その結果、橋やトンネルが絶対に崩れないほどコストをかけられました。

平成初旬までは。

平成に土建業を皆で叩きまくったから

その公共投資を縮小する政策で、日本は弱小国へ転落しました。当たり前です。

日本経済が落ちた理由を知らない人は、かなりやばいですよ。

たとえば3.11東日本大震災です。復興国債でなく復興特別所得税で逆走してきました。通貨を増やす場面で、通貨減らしを犯したのです。

「お金とは何か」を政府も勘違いし、知識がない幹部たちが逆走したわけ。

日本の宿命を知らない者が日本を壊す

北欧国と違い、日本は小さな政府は無茶で、お金を多く発行する大きな政府に自動的になります。それで新自由主義の小さな政府の流行に乗ると、国はボロボロに崩れました。

お金を多く使えば裕福になるから、増やすか減らすかのジレンマは存在しません。

日本には地震と台風が集中し、火山噴火に大雨と大雪も降るのも利点です。結果、北欧国より人口も経済規模も、巨大に向かいます。

そうなる宿命を列島は強いられ、日本人はうまく順応してきました。

平成初旬までは。

障がい者支援が国の無駄とされても、人権尊重で反論するのは間違いです。政府財政出動して経済成長するための、出費の対象として必要なのです。
Photo: famous public domain