甘えという問題が、経済を悪化させている日本の国民性
際どい話で、消費税はあるアフリカ国に残る風習、女子XXと似ています。
「手術をやめろ」と国際社会が言うのは、痛いからでなく、メリットが妄想だから。
ところがそこに、男子のある種のロマンが無礼に割って入るのです。
今度はどういう話?
政治評論家や社会批評家は、比較文化論で欧米人対日本人で語るのが好きですね。
「欧米人は新しく洗練され、日本人は古くさくて野暮だ」がよくある展開です。
「日本人は心を入れ替えて、欧米ふうに変わろう」の締めくくりも多かったし。
そのひとつに、土井健郎さんの本『甘えの構造』がありました。読者は「日本人に特有の甘えの心理を、少しでもなくそう」と受け取ったもので。
これが今の日本経済で、致命的な国民性です。
甘えるのが問題か?
逆です。
甘えの態度ではなく、甘えをなくしたがる態度です。
・ 精神病は甘え
・ 発達障害は甘え
・ 登校拒否は甘え
・ 出社拒否は甘え
・ PTSDは甘え
厳しさが経済を悪化させるわけ?
自己責任論もそう。「国を頼らずに生きろ」の、孤立主義的な勇ましさ。
自己責任を声高な人こそ、ちゃっかり他人を利用しべったり甘え、経済弱者をとっちめる攻撃ばかり。強者に取り入り、実は自立から遠い。
デフレ日本は甘えをなくすブームで、欧米を個人主義に見立て、日本らしい協調性を捨てようとやっきです。反動で、隠れキャラの非人間的な残虐性が表に出て。
世界はそんなにドライなの?
欧米国は案外、国民同士が助け合います。
日本のギスギスした殺伐は貧困が原因で、冷淡な鬼が主導権を持つ平成と令和。
鬼が増えすぎた日本。
鬼がカリスマの日本。
甘えをなくす男気が、増税を好み、減税を嫌う中二病へ
税金が下がれば、暮らしが楽になります。先進文明国に戻れる。
収入から、経費を引いて、控除を引いて、所得税と保険料を引いて、家賃と光熱費を引いて、それで正味の手取りでなく、さらに消費税で1割減る。
お金を使えば重ねて持って行かれ、当然貧乏になります。
だから当然、消費税率が下がれば暮らしは楽になり、余裕で物を買えます。
ところが?
「減税は楽だから甘えだ」。
「甘えは排除すべきだ」。
「己に厳しい生き方を自分は選ぶ」。
そう来るのです。
痛そうな俺イカスだろの中二病?
痛みが大きい方が善だと、道徳につなげる勘違いです。
満たされない不服な方に天からのお導きを読み取り、苦行のロマンに走る。
「艱難汝を玉にす」(かんなんなんじをたまにす)の格言どおり、苦難にめげずに心頭を滅却して、徳の高い存在へと昇華し、宇宙と一体になり新たな地平が開けてくる。銀河の果てまで飛翔した、我が魂は俗なる時空を超えゆくと。
そんなにいいものなの?
「水を一切飲まずにどれだけ長時間走れるか」。
「高温のサウナに何分がまんできるか」。
みたいに、自己の精神鍛錬に熱中する、求道的な心理暴走です。
ブラック企業の精神論みたい
負担や重圧や苦痛を、精神を高める教材として、ありがたがる。
ありがたがらない正常な人をさげすみ、マウンティングするヒロイズムです。
政府と国民は、税金で対立しない関係なのに
本当は、コンフォートが国を裕福にします。
なのに、生き地獄を正道とする屈折した思想です。酒が飲めない者に飲ませて、死んじゃうのを喜ぶ感じ。その程度で死ぬやつはだめという根性礼賛と、指導的役割。
これを税金でもやっちゃう。
大勢が死んじゃう。
気持ちが死ぬとかじゃなくて、亡くなって火葬になる。遺骨になる。
精神主義あるある
「お金を払いたくない甘えた人に限って、減税を言い出す」。
「払う税金がないなら、つくらないのは人として終わってる」。
「減税を言う甘ったれにくらべて、自分は自分に厳しいタイプです」。
「減税に逃げる腰抜けと違い、逃げない自分は身も心も強くたくましい」。
「先天性異常や重病や大けがや認知症で国に頼るなど、自分はあり得ないです」。
「減税は軟弱なポピュリズムで、増税は硬派な男の甲斐性です」。
「お国のために多く捧げる自分は正義の人」。
「あなたとは違うんです」。
「払わない非国民は死ね」とくれば、ありゃりゃ、相模原の19人刺殺といっしょ。税金を使うだけの障がい者を、まとめて口減らししました。まあ今その話じゃないし。
忍耐強いせいで経済が悪化する?
「重いコンダーラ、試練の道を」の昔のアニソン的人生観が、日本人の良い一面ですが、国税だと国難です。税制は軽いコンダーラが理想です。
徴税は貨幣のだぶつき対策で、蛇足のお金を間引いて廃棄する作業です。激しい金余り分を捨てるお金が税金です。徴税は、超インフレ抑止が目的ですよん。
デフレ不況の時に税金を多く納めると、市中の通貨(マネーストック)を適正より減らすから、国を毀損する反社会行動です。
普通の感情のままが正解だった?
国家財政の原理は、本来は政府にも、国民にも、ごく優しいのです。
増税をせめぎ合う時点で、双方が全く勘違いしています。
そこだよ、そこを詳しく
金余りの国民は、税金をがっぽり持って行かれても、破産しませんよね。その時、国家としては金余りで超インフレを招く恐れで、税金をがっぽりとるべき局面です。
国民は金余りだし、政府は多額を回収したい、だから衝突しないのです。
逆にデフレの時は?
金不足の国民は、税金が少ないと助かりますよね。その時、国家としては金不足でデフレを招き企業倒産したり、他国に国土を奪われる恐れで、税金をとらない局面です。
国民は金欠だし、政府は少額のみ回収したい、だから衝突しないのです。
政府と国民が衝突したら、アフォってこと?
そう、簡単な話ですよ。税金は財源ではないからです。
・政府は、市場のお金を減らしたいから、増税して国民の手から回収
・国民は、その時ちょうどうまいことに、お金を余るほど持っている
・政府は、市場のお金を増やしたいから、減税して国民の手へと残す
・国民は、その時ちょうどうまいことに、お金が足りずに困っている
景気に関係なく、政府と国民は、反りが合い、ウマが合い、波長が合う仕組みです。
「税を出せ」「出す金がない」の対立は、起きた時点で狂っています。
誤認する人の頭に、何が足りない?
政府には通貨発行権があり、国債発行が財源です。なので好景気でも不景気でも安定してとれる税金は、発想からして頭がおかしいわけ。
夏の昼でも、冬の朝でも、どっちでも自動的に冷房する車に似たおかしさです。
それで日本以外の国は好景気なのか?
そこに斜めに入って話を曲げる主張が、これ。
「増税の痛みが、男を強く鍛えるんだ」。
「女々しい快楽主義者が、めそめそと減税を言い出す」。
「貧困の解消など大衆迎合を言う者は、軟弱で信用がならん」。
「死の苦しみからのがれたい、そのヤワな根性が気に食わん」。
「幸せになりたいだと?、そうはさせん」。
「行くなら、俺を倒してから行け」。
勇ましい中二病です。