国の税金の意味や目的は何なの?→ある数字を守る意外性

国の税金、国税を徴収する目的は主に4つある

税金をなぜ集めるかは、実はほとんどの人が思っていることは間違っています。

けっこう説明は長くなるのですが、長い話はお断り、三行にまとめてくださいという方もいそうです。では、そうしましょう。

国税の徴収には、主に4つの目的があります。「自国通貨の定義」「通貨の価値の安定」「貧富の格差の縮小」「悪行のけん制」の4つです。特殊な小国を除けば、国際通貨として安定させる目的で、国税は絶対に必要です。

これなら簡単ですね。

1 自国通貨の定義

国は自国民に納税を義務づけ、税務署に納める貨幣の単位を指定します。日本は「円」です。すると、円を自国通貨として定義したことになります。

ファッション店や大家さんやホカ弁も、納税用の貨幣単位と同じ「円」を、お客の支払いに要求することになります。だから、ドルや人民元で支払える店は日本にまれです。こうして我が国の通貨は円だと、確定するのです。法律で決められています。

2 通貨の価値の安定

たとえば500円玉の価値です。硬貨1個でタコ焼きが20個ほど買えるとして、翌月は12個に減ったり、40個に増えたりしないように、お金の購買力が上がり下がりするぶれを小さくする目的です。

これを、インフレ抑制と、デフレ抑制と呼びます。ビットコインみたいに、何年かで5倍になったり半分に落ちたら、ぶれすぎて支払いに不便です。

3 貧富の格差の縮小

簡単に言えば「職業に貴賤なし」という職業差別の防止です。楽して儲かる仕事と、苦労しても儲からない仕事があります。儲からない仕事も大事なので、儲かっている人から多く税金をとります。所得が少ない人は無税とします。

これも非常に大事で、格差社会がすすむと、路上無差別テロだとか共産主義革命や、暴動や戦争へと進む集団ヒステリーが起きます。過去の歴史に学び、革命を予防します。

4 悪行のけん制

たばこや酒に税金を多めにかけて、合法だができれば買わないようにして欲しいという、国の意向を示す目的です。税率が高いほど、誰だって買わなくなりますよね。

国庫の財源づくりが、話に全く出てこないのはなぜ?

「おかしいぞ」と思われた方もいるでしょう。大事な話が抜けているぞと。

財源です。

「税金は国を運営する予算であり、国民から税を集めて国庫にため置くはずだ」と。

「高齢者の介護や、子育て支援や、大学への補助金に使うかんじんの財源の話は、いったいどこへ消えたのか」と疑問に思われるでしょう。

ところが、国税に財源の役目はありません。

何だって?

国の税金に、金庫の機能はありません。

国の税金に、予算執行する準備金の機能はありません。

国税は財源ではないし、予算づくりや備蓄金ではないのです。

国庫という言葉こそが、フェイクだったのです。

ついて行ける人は多いのかも

そうはっきり言われたら、「んっ、待てよ」と考え始めて、少し前の説明を思い出されるかも知れません。

そうです。家庭と違って国には、打ち出の小づちがあります。貨幣プリンターと名づけた通貨発行権です。日本政府は、円を生み増やせます。いくらでも刷り足せます。

国の予算執行や支払いは、毎年発行している追加の円で行っているのです。

ご存知でしたか。

打ち出の小づちを持っている者が、他人のサイフのお金を欲しがるでしょうか。強奪しようと必死になるでしょうか。

いや確かに

貨幣プリンターがある政府にとって、税金は金目のものではないのです。

この当たり前のことに思い至るのが、難しいのはなぜか。その理由こそが、日本がうまくいかない理由です。税金を財源だと思っているから、日本は世界で空回りしています。

一般家庭と同じやりくりに制限され、飛べなくなっています。

具体的にどういう空回り?

税金を財源とすれば、あたかもヘビが自分の尾を口に入れて食べる循環です。

予算を多くつける時は増税するわけで、ヘビは自分の尾をより多めに食べます。このヘビは体重が増えることなく、体が成長しません。

世界で唯一成長しない日本

日本だけが貧乏じゃん

上のグラフで、「日本は世界で一番ナマケモノ」「日本人だけが馬鹿で、他国人は賢い」と本気で思いますか。自分の馬鹿に、そこまで自信が持てるわけもないし。

むしろ、国の運営に間違いがあるとは考えませんか。

おぼろげながら話が見えてきた方は、もう一度国税の4つの目的をチェックしてみてください。「ああ、そういうことなのか」と思えてくるでしょう。

「家庭も国も同じで、借金すると破産する」の発想は間違いです。

「国税は国の財源だから、税収不足で国は破産する」も、全く同じ間違いです。

自分の国で発行できるプリント物が、自分の国で枯渇する恐怖は、どうかしています。

なぜ国税が国の財源だと、ウソをつく必要があるのか

「そうだよ、国税は財源なわけないでしょ」とよく知っているのに、財源だとウソを言う人もいます。これはどういうことでしょう。

実はこれ、「赤ちゃんはどこから来たの」という児童の質問と似ています。「コウノトリが運んできたのさ」と答えたくなる理由があるのです。

そりゃ初耳

「税金は国の運転資金です」とウソを言えば、脱税する者を極悪人扱いできます。ところが「貨幣価値の安定です」と本当のことを言えば、重大性が薄れたように感じます。

脱税しても国は亡ばないと、甘く考える国民が増える可能性が出てきます。

脱税の防止だった!?

脱税するワルの増加を防ぐために、話をすり替えたのではないでしょうか。

赤ちゃんがどこから来たのかを児童に詳しく説明したくないのと似て、本当のことをスラスラ言えない事情です。

これにはワケがありまして、と?

そうこうするうち、ただの方便だったはずのウソを、真に受けたドジな後輩たちが現れ、税金をとる理由が逆さまになってしまい、日本国民を貧困化させたかたちです。

税金の話をする時には、財源確保を前提とした人は相手にするだけ無駄です。家族計画の相談で、コウノトリが連れてくる前提で話をする人と同じです。

ところがさらに、全体的に理屈がおかしいのです。

日本の税制がめっちゃ変?

財源でないとひとたび理解すれば、むしろ逆に何のために重税が課せられるのか、わけがわかりませんよね。税に苦しむ意味がありません。

先の4つのうち「貨幣価値の安定」とは、「誰もが欲しい物をある程度は買えて、ただし商品が枯渇するほど爆買いする財力はない」という、好ましい物価と所得のバランス秩序を国民に与えることです。

発行が多すぎて、だぶついて余ったお金を、回収するのが国税なのですよ。

国の税金とは、余剰貨幣の間引きです。だから余剰部分から徴収します。

それなら、米が買えずに飢え死にしそうな人にも納税させるのは変です。1億円儲けた人から半分近くもごっそり税金で持って行き、やりがいを喪失させたりとか、全体的に厳しすぎること自体がおかしいではありませんか。

大人のいじめ目的に化けてしまった?

せっかく少額をかせいだ人、あるいはうまく多額をかせいだ人にしても、激しく巻き上げるのは何のためなのかと、首をかしげる事態です。

お金持ちから多く取るべきなのは当然ですが、変に多すぎる場面がみられます。特にすでにある資産への課税です。貨幣価値の安定と関係ないから。

また財源でないのだから、「これだけ集めたい」の目標額があればウソですよね。

本末転倒?

車が売れなくなるほど高い自動車税やガソリン税をかけたり、年金しか収入がない人が家で飲む水道水に税を1割上乗せして、自殺に追い込むメリットがありません。相続した家屋敷を召し上げてしまうメリットも小さいでしょう。

税収額が過去最高の記録数字を達成したぞと、喜んで国民に報告するモチベーションも、明らかに様子が変です。常軌を逸しています。乱心というか。

日本だけ大勢がいっせいに狂った?

やっきになって税収を少しでも多くかせごうとする行政に対して、頭だいじょぶ?と疑問が出るわけです。

つまり日本の税が変に重い現象は、国のトップに上り詰めたお偉いさんも、表向きだけでなく内心も国税を財源だと勘違いしている疑いがあるのです。

これが財源論の呪いです。

国税は、自国通貨の値打ちを安定させるために必要です。貨幣の増えすぎを遅らせる機能です。国税には、国の予算となる財源の機能はありません。
Photo: Barbara IandoloによるPixabayからの画像