最も小スケールの陰謀論は、財務省出世コース説
1997年以降の緊縮財政と消費税増税で、日本は決定的に貧困化しました。
デフレスパイラルを続け、人が住めない国へ現状変更する恐ろしいプログラムです。
恐怖プログラムの名は、財政の健全化。健全ならよし、と思った人はいませんか。
違うの?
健全化とは、政府赤字を黒字に変える意味です。国民を赤字へ落とし、暮らしていけなくする破滅です。会計処理で、政府と国民はシーソー関係ですから。
政府が黒字なら、国民は赤字。
政府をリッチに変えたら、国民はビンボーに変わる。
この逆走の力強さを知った日本人は、国際陰謀を考え始めます。地球を支配する魔の手が日本にも伸び、人口ゼロまで干上がらせる計画が進んでいるのだと。
陰謀論や、陰謀説というカテゴリーです。
陰謀論大好き!
誰が日本を倒すかは諸説あります。最も小さい説が「財務省の出世レース説」です。
伝統的に財務省内では、増税に成功した職員が出世してトップの局長になるそうです。
逆に減税して経済成長させれば、税収は増えます。自然増収と呼びます。でもこの功績は人事評価されず、失脚して派閥メンバーらと中途退職し天下りに回されます。
省内出世競争の得点ポイントが、日本を倒す方向に一致するという陰謀です。
なぜこの説が根強いかは、インサイダーの告白がかなり多いからです。
証言者がいるわけ?
増税しておきながら、消費の落ち込み防止で割引販売するなど、ねじれて不自然です。
寒い日に冷房を強めてから、ストーブに火を入れるみたいな。暖房中も冷房を消さずに、強め続ける奇妙さです。
冷房が強いほど成績が上がる人事査定です。国民生活を豊かにすると出世が止まる。
決定的な状況証拠か
この説は規模が小さく、ケチな世界すぎて、エンタメ性に欠けるのが難点です。
闇が浅すぎて、陰謀論としてはおもしろみが乏しく、盛り上がりもイマイチ。
歴史的にはナチスが結束した論理がこれと同じで、ヒトラーの下で各省で出世する喜びが主たるモチベーションでした。一同が狂っていたわけではなくて。
ヒトという生き物の特性に合いすぎていて、「おおかたそんなところでしょ」と最初から腑に落ちて、話題を広げる発展性が乏しい。
それに国際陰謀じゃないし。
話題性が高い国際陰謀論はないの?
ありまーす。
最も大スケールの陰謀論は、国際金融による日本破滅
対照的に最も壮大なのが、国際金融コンツェルンによる国家破壊ゲーム説です。
老舗国際金融グループが、近世から国境を超えたグローバル活動で、世界に対して指導的役割を行使してきた事実は、もう隠されていません。
数々の紛争の準備金もそうだし、自国通貨を発行する中央銀行の民営化も、反国家的だと言われてきました。貨幣不足の貧困化が起きても、正そうとせず無責任です。
その国際金融資本が特権におごり、ネットワークを駆使して、国を富ませては崩壊させ、富を巻き上げるビジネスモデルの陰謀論です。
その先にわくわく
お金は銀行が発行し、マネー・クリエイションで貨幣を新造します。
多くの銀行を管理するのは各国にひとつある中央銀行で、その中央銀行を管理する機関が国際決済銀行(BIS)です。スイスのバーゼル市にあります。
国際決済銀行の幹部も金融グループからの出向が多いとされ、特権を悪用して民間企業の儲け主義で株主の利益づくりで、世界の国々を富ませたり貧困化させたり計画的に行い、各国の資産を巻き上げる陰謀論です。
日本をカモにする場合は、まずバブルで裕福にして、その後に崩壊させ着陸も失敗させ、デフレスパイラルに陥らせ、バブルの富を海外ファンドへ移す手順です。
みんなに気づかれないの?
確かに国民が大勢死ぬまで貧困化させたら、「これが陰謀の実態だ」「犯人はロスチャイルドだ」と素人にも言われますね。
本やサイトで攻撃され、イメージダウンです。
現になっちゃってるしー。
他にも何か不自然?
金融メジャーが日本を倒す陰謀論への反証は、2019年にも出てきました。
国際金融とつながる金融街のひとつ、アメリカのウォール街です。『ウォールストリートジャーナル』新聞の記事です。
「日本の消費税10パーセントはクレージー」だとさ。
増税の何カ月も前に、日本の消費税増税を失笑ぎみに批判していました。
自らタネ明かし?
ウォール街は、老舗金融企業たちのフロント営業部ですよ。犯人一味が耳寄りなヒントをしゃべって、日本人に入れ知恵するでしょうか。
普通なら「しめしめ、馬鹿な日本人どもめ」と、黙って増税をやらせるはずです。
欧米を信じやすい日本人を諭して目覚めさせ、敵に塩を送るヘマはやらないはず。
アメリカ黒幕説の陰謀論も、根強い人気で赤マル上昇中
日本を属国扱いしてきた国が、アメリカ合衆国です。そのアメリカが日本を貧困化させて国力を低下させ、アメリカの敵でなくす説もあります。
これ実は過去はそうだったのです。戦後の進駐軍(GHQ)の日本統治で、1947年に財政均衡を法律に記して、日本経済の発展を食い止める条文が確かに入っています。
プライマリーバランスを均衡させると、当然ながら国家は極貧になります。それを強いる法律をマッカーサーの下で進駐軍が日本に押しつけていたのは事実です。
しかし1950年頃から、流れは大きく変わりました。
なぜ?
日本は地理的に共産主義の防波堤になったからです。
アメリカが「敵は日本ではなく、ソヴィエト連邦だ」と悟ったから。
共産主義と自由主義経済がせめぎ合う位置が、韓国の北部、北緯38度線です。
朝鮮戦争か?
韓国が共産主義化すれば、二つの主義の境界は日本の対馬に移ります。対馬と壱岐の二島が、領土の奪い合いに巻き込まれます。
日本が共産主義国になれば、アメリカの防波堤はハワイ州へと移ります。
アメリカ本土にじりじり迫り来る
貧困化した国民は、共産主義社会の理想に目覚め、飛びつきやすくなります。
20世紀に、資本主義の搾取で貧困化した国で、共産主義革命が続きました。アメリカは日本を共産国にしたくない。マッカーシーのレッドパージ(赤狩り)の反映です。
貧困化した日本国民が体制否定に走ると、日米合同委員会の米軍にも手に負えない反米の空気が生まれる公算が高まります。日本が親中へ深入りしすぎる危険とか。IMFの介入で助かった韓国ではそれが起き、反米親中でこじれています。
アメリカ製品を買う交換条件で日本がほどよく裕福になる程度なら、アメリカ政府はそうしたいはずです。
今の貧困だとアメ車も買わないし
貧困な日本人だと、フォードやシヴォレーの大型SUV車も買いません。現にフォードは111年も日本にあった直営ディーラーをたたんで撤退しました。
日本でも1997年までは、SUV「フォード・エクスプローラー」「シヴォレー・サバーバン」、ピックアップトラック「ダッジ・ラム」、ステーションワゴン「シヴォレー・カプリス」などが多少は売れたのです。
今はクライスラー「ジープ・ラングラー」以外だめ。消費税増税に前後した8ナンバーの制限で、アメリカ車は日本で絶滅危惧種になりました。
アメ車はオモチャさと転がせた頃!
日本人もお金の自由がきけば、アメリカ車を買う気に変わります。
アメリカの国益優先なら、日本を富ませてアメリカ製品を買わせる方が得策です。日本国民も政治家もお人好しだから、経済発展すればクリエイトしたお金を海外にじゃんじゃん流すでしょう。国連への資金拠出も日本は多かった。常任理事国でなくても。
日本人の多趣味はすごいし、戦争も永久放棄した草食系の国だし。
結局、暗躍してる者はいるの?
大勢います。国際金融資本の関係者が連携し、通貨発行権を我田引水する策を各国政府に強いています。『ニュー・ワールド・オーダー』。陰謀どころか顔も見せて。