資本主義の限界と終わりは、コロナ以前の歴史に突破口があるよ

月の岩

資本主義はもう限界に来たという、カリスマ論者の極論

最近ネットのカリスマ論者が唱えるのが、資本主義の限界です。資本主義はもう終わり。

根拠があります。

ひとつは世界の富裕者8人が、世界の個人資産を合計した半分を持っている、極端すぎる富の偏在です。8人は、報酬に見合うほど世界に貢献してもいないし。

近年は世界同時不況です。先進国がおしなべて経済成長が小さく、一般国民が貧困化しました。ヨーロッパ全域が特にだめ。

EU加盟の元西側国の低調に注目

日本だけは衰退し続けてるし

日本は長い年月デフレ不況です。全員を満足に食べさせられず、コロナ騒動でも有効打が打てません。所得が消えても補償を拒否。

日本で飢饉のごとき口減らしは、子どもです。新生児カットの少子化急伸でした。

ブラック企業もひどい

国内のいがみ合いや殺し合いは、貧困化と連動しています。路上無差別テロで国民同士の共食いも起きました。殺人事件の人数も、2019年、令和元年に最高記録を更新済み。

日本を見ても、世界を見ても、資本主義はもう無理だと。次の主義が必要だが、どこにも見当たらず、人類はもう終わりではと。

「世界は資本主義にあいそをつかした」と。

現代の資本主義が不調となった理由は、とても簡単

昔から、資本主義の限界は言われてきました。20世には対案探しが増えました。

多い批判は銀行制度です。金利で儲ける金貸し屋など廃止しろ、と。

銀行悪人説は動画サイトにも多い

見落とされるのは、やはり歴史的な経緯ですね。

皆さんは歴史をとらえずに、今の現象にカッカしていますよ。

過去に何かあった?

よく聞く、この言い方です。

「資本主義は1970年代までは機能して、先進国は裕福だった。しかし1980年代からおかしくなって、21世紀にはもうヨーロッパもボロボロで、賞味期限をすぎた」。

どういうこと?

1970年代と80年代のはざまに、明確な区切り、ターニングポイントがありました。

どういう区切り?

ケインズ理論から、新自由主義への交替です。しんじゆうしゅぎ。

二つはどう違う?

目に映る現象は、アメリカのアポロ計画から、スペースシャトルへの変更でした。

大金を使う時代から出費削減への転換を、70年代から80年代にやりました。

スペースシャトルは、繰り返し使うリユース方式ですね。再利用。

まだわからないんだけど

ブロガーやユーチューバーたちは、昭和末期のバブルから平成を経た、今の令和時代までを観察しています。

ところがその直前に、資本主義のやり方を180度変えていたのですよ。

資本主義にも何種類もあって、たとえば旧ソ連の計画経済も資本主義です。計画経済型の資本主義を共産主義と呼ぶから、共産主義は資本主義の反対語ではありません。

それで日本で何があった?

1980年代の前半の、民営化の波です。

「三公社五現業」という言葉が、報道で飛び交ったあの頃の話。

たとえば国鉄民営化電電公社民営化の大改革でした。前者は死者も出ました。

あれはそんなデカい話だった?

民営化の目的は、貧困化。

要はデフレ圧です。

景気を冷やす時代に変えたのか?

政府の財政出動を減らして、民間のマネー・クリエイションを増やす転向です。

政府をなるべく排除して、民間だけでお金を回すよう変えました、民間には通貨発行権がないので、限られたお金を奪い合い、切り詰めた経済に変わります。

節約、経費削減、コストカットの時代です。

カルロス・ゴーンみたいな?

昭和の昔はコストカットにうるさくなかった。今やコスト削減が全てですよね。

日本国有鉄道も、日本電電公社も、列車運賃や電話料金で価格競争していませんでした。それを競争社会に放り込むと、物価は下がるのです。

すると国民経済は縮小します。財源論の共食いの開始。

当時の日本人は、自分たちを貧しくする策だと知りませんでした。

今それが終点に近づいた?

新自由主義は低成長で、空調でいえば冷房です。

冷房を続ければ室内は寒くなりますが、暖房に切り換えれば解決します。冷房を続けて、寒くて住めないからと建物を取り壊すのは早計です。

文明の解体はあわてすぎ。

資本主義にも大きく二種類ある、簡単すぎる結論

日本の平成の財政モデルをシミュレーションします。

「政府がお金を出せば、国民が得る」は「母が母乳を出せば、子どもが飲む」です。

マネー・クリエイションはミルク・クリエイションです。

平成になれば母は何をした?

母は母乳を子に、100cc飲ませます。

翌日に子から、101cc返してもらいます。

母のミルク損失を、取り返して黒字化するわけ。

プライマリーバランス黒字化目標ね

この異常な思想で理屈どおり貧困化させ、大勢を過労死や自殺や餓死させました。

なぜそうした?

出した母乳の合計が、母の体重の9割に達すると、母は死ぬと経済学に書いてあるから。

どういう経済学なの?

政府負債がGDPの9割に達すると、国が財政破綻すると書いた本がありました。

日本でフェイク本だと指摘したのは、他分野の人です。指摘を、経済界は無視しました。

多く授乳した母は、実は死なない?

出したミルクのキログラム数がいくら増えても、母は死にません。

現に「国の借金」と偽った「政府負債」は、日本はGDPの2倍を超え、とっくに財政破綻しているはずが、国債は超低金利のまま、超高信用のままです。

「狼が来るぞ」の声が、50年近く日本に響き渡っています。

あおるだけあおって、現実はあべこべか?

セルフ・クリエイションに破綻する上限などなく、日本は偽書にだまされました。

しかしすでに授乳制限し、子どもを栄養失調や虚弱体質にさせて、飢えさせ犠牲を出した後です。責任問題やメンツがからみます。1997年からの23年間のことです。

たった今もやってる?

これから犠牲者を増やす決定が、2019年10月の消費税増税でした。

増税で名目GDPが7.1パーセント減になりました。実質どころか名目までが。

腰が重かった報道までが「増税後に福祉を切り捨て始めた」と地域の問題を報道し始めた直後に、新型コロナウイルスのパンデミックで、うやむや。

経済の暖房はどうやればいい?

国民の所持金を減らす政策から、増やす政策へ転換します。

緊縮財政と消費税増税をやめて、積極財政と消費税0パーセントにひっくり返します。

23年間の逆走を、順走へ切り替えるのです。

今はまだ、赤ちゃんの餓死を続けています。

1980年頃の区切りは何だったのか?

1979年にイギリスのサッチャー首相が、新自由主義経済に切り替えました。

ルートヴィヒ・フォン・ミーゼスやフリードリヒ・ハイエクとミルトン・フリードマンが論文リーダーで、アメリカのレーガン大統領が同調し、世界をデフレに変えました。

税率で良性インフレ率を上下できる基本原理さえ、人類がまだ知らない頃に。

当時は成功したのか?

その実験場が1984年のロサンゼルスオリンピックでした。オリンピックの民営化です。従来は禁句だった、スポンサー企業という語が前面に出ましたね。

男子陸上のカール・ルイス選手のオリンピックでした。東側諸国が参加しなくて、日本のメダル数も多かったあれです。

ロス五輪はカネ、カネ、カネで成功しました。あらゆる物ごとにプライスカードを貼り、金銭価値で全てを測る時代の幕開けです。オリンピック利権の幕開け。

ずいぶん昔のような気も

その陰で儲かる人と搾取される人の格差が広がり、社会不和とテロが増えていきました。基本的にアメリカは、公的福祉を捨てた国です。

日本はその後、日本銀行の公定歩合操作でバブル好景気が始まり終わったのと、2008年のリーマンショックとで、話がごちゃごちゃ。今は新型コロナでごちゃごちゃ。

「失われた30年」の原因を、起きて2カ月のコロナに責任転嫁し、言い逃れるばかり。

新自由主義は何がやりたい?

小さな政府です。

新自由主義経済はお金以外の価値を排除し、困った人を助ける政府を不正とみなします。福祉を敵視し、公の援助や補助を嫌うのです。

だから日本でも、ベッドや人工呼吸器や医者や看護師を1997年から削り続けています。経団連も予備を無駄だと叩いて、削れ削れと政府を糾弾し続けました。

お金が神だから、医療の備えを削減して、神を守る思想信条です。

ここでも財源論か?

病院を減らせば病人が病院へ行けなくなり、国全体の医療費が下がる計算です。病院なる施設を廃止すれば、医療費をゼロにできる市場原理主義の理想郷。

ゴキブリが家に増えるのは、エサがあるからだという発想です。

だからコロナで騒ぐ最中にも、病院の削減計画が新たに発表されましたよね。日本国民は無関心で、ニュースを覚えてもいないでしょう。

日本の安全神話を、わざと壊したのか

新型コロナウイルスの医療崩壊は、新自由主義の目標です。全世界で感染症が流行れば、各自の自己責任でしょという、お気楽な宗派です。

「日本に病院がなければ、外国の病院に入院すれば済む話でしょ」と。

「そのお金が払えないあなたは、学歴もなく、まじめに働かないからでしょ」と。

きつー

医療体制を縮小していく危険性に、医学会で警鐘が鳴らされました。でも国民は、外車を持つなど高所得の医者を敵視し、彼らの失業を喜ぶ心理もあったのです。

将来新型ウイルスで、医療を受けられずに火葬になるのが自分だとも知らずに。

外部→ 全世界を破壊したのはミルトン・フリードマンだと指摘した女

資本主義の終焉説は感情的な極論です。資本主義は大きく二種類あり、今はデフレ型です。経済成長が続く良性インフレ型もあり、混合型も可能です。
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