景気が良い悪いは、誰がどうやって決めるの?
令和元年の2019年もあと少しです。10月に消費税率を10パーセントに上げてから、報道ニュースが少し変わったと気づきませんか。
平成時代の終盤に「日本史上最長の好景気」と報道していたのに。景気が落ち込んでいるとはっきり言い始めたのです。実は不景気だと、マスコミがばらし始めました。
景気はどこでわかる?
景気がよくわかるのは、男性より女性です。主婦感覚です。主夫感覚でもよいのですが、スーパーマーケット通いでも景気は感じ取れます。
商品を買う時に、どうも心がはずまないと不景気です。たとえば果物。高級バナナよりも安いバナナに目が向くとか。お菓子を2個買いたいのに、1個にとどめるとか。
大きい買い物なら、前の大型の車を一回り小さいモデルに買い替えたり。フル装備よりも略された下位バージョンをチェックしたり。そのグレードダウン心理が不景気なのです。
景気とは心理のこと?
よく「景気は気のもの」と言いますが、俗説じゃなくて実際に気分です。「景気」とは、購買意欲を指す言葉です。買い物にブレーキがかかり、買い渋る時は不景気です。
「景気は良いけど、節約に気をつけます」は、絶対にない話です。景気が良いなら節約しないで、あれこれ買って爆買いぎみになるもの。
というより順序が逆で、あれこれ買いたい気持ちがふくらんだ心理状態を、好景気と呼ぶのです。景気とは買いたい気持ちのことです。
買い物を続けるとだんだん読める、景気の微妙な変化
女性の視点なら、世間の心理を感じ取れます。
毎週毎週スーパーマーケットで買い物を続けると、他人の気持ちも伝わってきます。総菜の唐揚げパックをお客が次々カゴに入れる。その価格や100グラム価格を見ています。
買う勢いがなく、在庫が残りがちな時の価格も、自然に把握するものです。
値段をどう感じるか?
高いと感じる金額は、景気で変化します。景気が悪いと、小額でも高く感じます。いつも安くておいしいのに、お客の買う手が伸びにくいと景気が落ちたんだとわかります。
好景気だと逆に、高い製品から売れます。高いとは感じないからです。
総務省が全国調査するより、景気の良し悪しは女性が一番詳しく知っています。
現場の空気が大事
場の空気は、調査より正直です。誰かへの気づかいもないし。ニュースで今は好景気だといくら言っても、正確なのは自分たちの肌触り感です。
結局は平成終盤の好景気は、統計データが細工されていたと後で発覚し、国会議員の直接指示なのか忖度なのかが国会で追及されました。ウヤムヤでしたが。
景気は政策の成績表なので、偽装や改ざんがつきものです。
どういう嘘が多いの?
インフレなのに、今はデフレだと嘘をつく政治家はいません。でもデフレだと、今はインフレだと嘘をつきたくなるものです。デフレは国の破滅だから、失政を隠すためです。
そこで続落中なのに「回復している」、最低を「最高だ」と言い換えるわけです。従順な国民ほど、その一言に合わせて妄想でつないでくれる効果が期待できます。
オレオレ詐欺と同じで、犯人がしゃべる勢いに国民は飲まれます。
証券取引所の株価は、不景気なのに逆に上がることも
偉い人が今は好景気だと言う根拠も、外資ファンドが動かす株価だったり、セレブ限定の景気かも知れませんね。部分を全体にみせかける時代なので。
不景気の時代には貧困ビジネスが栄えるから、不労所得が目当ての株の上下動を好景気と誤認させる手口が最近は多いんですよ。
株価を理由に好景気だと誇っていたが?
たとえば社員の賃金カットを行った企業は、カット分を株主への配当に回すので、株価が上がります。それを好景気だと、素人は丸め込まれやすい。
社員が貧困化すれば不景気なのに、逆だと誤認させる手口です。
なぜ庶民の景気が大事かは、それが国力を決めるからです。国の景気はセレブや上級国民の羽振りとは関係がないのです。
セレブだけがすごい大金持ちで、庶民が金欠でピーピーなのは、先進国ではなく途上国のわかりやすい特徴です。
途上国とて上級国民は軒並み豪邸と高級外車を持ち、でも庶民が学校の給食費も払えない貧困状態にあれば、国の文武は非力にとどまり、国際的には経済小国です。
庶民が買い物に慎重な時代に、「景気はよい」と宣言する国は信用できません。
節約と不景気の関係
ところで「節約したせいで不景気になったのだ」という言い方は少し変です。節約する、その気持ちを不景気と呼ぶからです。
節約と不景気に因果関係や時間差はなく、イコールの関係です。「川沿いリバーサイド」みたいなギャグになっています。
お金を大事にする気持ちを、日本語で不景気と呼びます。
大事なことなので、二度言います。
お金を大事にする気持ちを、日本語で不景気と呼びます。