高齢者は老害として日本経済を悪化させているのか?

AT車踏み間違い事故

世界各国で、日本だけで嫌われるのが高齢者

世界的に敬老は常識で、高齢者は大事にされます。日本は逆で、老害という語が出回っています。AT車の踏み間違い事故でも出てきます。

AT車の事故原因は、こちらで解明しています。アート分野の本に記しました。

企業プロダクトデザインの文脈で、絵など芸術表現が人に伝わらない反語表現にヒントを得た説明です。車業界には伝わりませんが。

ともあれ世界で日本だけ、老害の悪口が広まっています。

なんで日本だけ?

日本だけがデフレ不況だからです。貧困化に加え、格差社会の痛みが年齢差別と合流し、国民を分断しています。

お金が少ないと、何かと憎しみの感情が芽生えますし。

昔は老害と言わなかったの?

バブル時代には、老害の概念はありません。平成に老害をあおったのは、実は絵でした。働く世代が下から、高齢者をかつぐイラスト図です。

昭和時代はみこしをかつぐように、10人で高齢者1人を楽々と持ち上げました。

平成になると6人で1人です。年月を経て4人で1人、3人で1人、2人で1人と、支える人数が減っていく図です。だんだんトップヘビーになり、1人で1人だと肩車です。

下でかつぐ中年以下が耐えきれず、しんどそうな表情に変わる絵でした。持ち上げられる高齢者はニコニコして、働く世代の苦しみが強調されています。

高齢者を若者がかつぐ図

あの絶望感はすごい

あのイラストは、財源論を元にしたフェイクでした。

政府の大きい仕事のひとつに、国民へのお金の供給があります。

国はお金を発行できます。国費を国民が払ったりしません。

日本なら円を出し放題ね

国はお金には困らないのです。国のお金は枯渇しません。

高齢者にかかるコストは、政府が通貨発行して使います。

税金は財源ではないのです。

それを隠してこしらえた作り話が財源論です。財源論とは税金をため込んだ金庫があり、そこから一万円札を分け合う間違った思考です。

本当は高齢者にあてる経費はお金を追加発行するのに、若者が負担するという迷惑な話へウソをついた図版でした。

高齢者を若者がかつぐ図の種明かし

図版にみんなだまされたわけ?

若者の敵は老人だと、教え込まれました。

世代間の憎しみをあおり、国民を分断させた絵です。

図版はウソだと、高齢者が若者に言えないなぜ?

高齢者も図版を信じているからです。

高齢者が敬われる理由は、国を築いた先輩だからでしょう。

新幹線や高速道路や、新宿ビルの建設も、今の高齢者です。40年前は40代だった。建国の父と母は、高い年齢の全員があてはまります。

そんな高齢者の望ましい姿は、物知りで知恵がある頼れる存在です。

高齢者は何でも知ってる?

日本経済が傾いて国民が貧困化し、国際的な地位も落ちた原因を、直ちに説明できる知力が高齢者に期待されます。

勘違いした若者や中年に向かって、国家財政のメカニズムを高齢者に言って欲しい。

高齢者はみんなに何を言うべき?

「自国のお金だけは、自在に刷り足せるのじゃ」。

「お金の合計は固定せず、政府が増減する方式じゃ」。

「管理通貨制度と呼び、そのお金を信用貨幣と呼ぶのじゃ」。

「増やしたお金は帳簿上の赤字で、誰かに返す借金じゃないわい」。

「高齢者が増えるほど発行額が増えて、若者までもお金持ちになるのじゃ」。

「税金は市場にだぶついた余剰金の間引きで、廃棄処分して捨てる貨幣のゴミじゃ」。

それを知らない無知の一角が政治家なわけ?

それで高齢の議員が、高齢者が経済困窮する政策を進めます。同世代の優遇などせず。

財源論はお金の総量が一定です。パイを大きくする発想がなく、限られたパイを奪い合うイス取りゲーム社会です。他人を蹴落とせば、自分が得する。共食い。

それで高齢者は、死ね死ね言われる?

ネット掲示板で安楽死の法制化など、高齢者を早く消さないと若者が消される焦りがみられます。相模原19人と同じで、税金ドロボーを天国へ送りたい民意です。

その根拠は間違った財源論であり、それを高齢者さえ信じている始末。

記事→ 財源論とは

高齢者はなぜ、日本経済の知識がない?

新聞とテレビしか見ないからです。

経済学そのものの間違いが、日本が斜陽化した根底にあります。

世界はテーブル形だとの信念が今の経済学です。ボール形だと教えてやっても「アホか、裏側にいる人が逆立ちで落下するだろ」で議論が止まって進まない。

新聞テレビは、常識に沿ってテーブル形で話を進めます。

高齢者は黙ってるだけ?

黙ってはおらず、政府にこう言います。

「国の無駄づかいを削減したまえ」。

・ 国の無駄づかいとは、国の出費であり、正体は通貨発行して民間に支払う
・ 国の無駄づかいが多いほど、企業と国民の所持金を増やし経済成長させる

しかし国民は、国が支出ごとに通貨発行するとは知らず、一万円札が底をつくと勘違いしています。出費を減らそうとして、日本は階段を転げ落ちるように貧困化しました。

だったら、やっぱり老害じゃん?

老害に若害が合流しています。

「国の無駄をなくせと言う老害め」と批判すべき若者は、「高齢者の医療や介護コストが無駄だ」と全く誤認しています。

両者とも最悪w

若者が税金で高齢者を支える嘘のイラストを、若者もてっきり信じているのです。

高齢者の医療負担1割が2割に増えたら、若者が製造した製品を高齢者が買うのをやめ、玉突きで若者も貧困化します。仲良く階段から転げ落ちます。

政府がばらまく金額に比例して、経済成長するグラフ

国民皆老害なわけか!

今の日本の悩みは、他国人が同情しないコントです。他国は自国通貨を適宜発行して無駄づかいしてルーズで、それで景気はよいのだから、日本人の苦しみはお笑いです。

笑い話なのに、日本人はシビアな恐い顔で、高齢者をひたすら叩きます。働かない年代が死んでくれたら、自分にお金が回ってくる期待が宗教並みです。

国の金庫の一万円札がなくなる恐怖におびえ、共食いする修羅場が日本です。

他国に理解者はいない?

デフレ不況の日本以外は、どの国もインフレ好況です。日本の苦悩を理解できません。

日本だけが珍しい奇病だから、世界に相談相手がいないのです。

相談相手がいない日本だけの奇病

老害の語はバブル時代にはなく、平成の大不況の間に流行語になりました。高齢者は「国の無駄を増やせ」と言える知識をつけないと自滅あるのみ。
Photo: by Jean-Philippe Delberghe on Unsplash