政府がお金を出すから経済成長する←因果関係を逆にできる?

逆立ちの論理

政府がお金を出す国ほど経済成長する、というグラフ

このグラフの話題です。

政府支出に比例して、経済成長するグラフ

期間やサンプル国が異なるグラフが、種々ネットに出回ります。

中華人民共和国も記したグラフ

経済成長の秘訣って政府がお金を出すだけ?

それだけのことで、考えてみれば当たり前です。

動物のオリの中に置くエサの量が多いほど、動物は繁栄します。

エサを増やさないと、動物は活力が落ちて出産もせず、弱って死んでしまう。

日本人の苦手な話か

上のグラフは、政府がお金を国民に多く渡せば、商品を多めに買って経済が活発になり、経済成長率が高くなるであろう「信ぴょう性のある仮説」です。

GDPが増加し、富裕化、近代化、先進国化のスピードが速くなる。

ブラック企業やら、詐欺や売春や強盗殺人や放火テロ、臓器や覚せい剤や児童売買も抑止でき、国家の荒廃や転落から遠ざかるであろうという仮説。

それって逆の関係だったりしない?

「政府が公金を多く出す国ほど、GDPが大きくなる」。の、正の順序があります。

これを疑似相関と疑い、因果をひっくり返してみます。

「GDPが大きい国ほど、政府が公金を多く出せる」と、逆の順序も疑われますね。

さあ、どっちでしょう。

本当は、政府支出が先か、経済成長が先か

「経済成長した国ほど、政府がお金を多く出す」の解釈は可能か。

経済成長した国は、お金がいっぱいあるから

「原因不明の経済成長が起き、税収の自然増で国の金庫が一万円札で満たされる」。

「国民から集めた一万円札をじゃぶじゃぶと、国民に向けて出せるようになる」。

の順序も考えられますね。

どうなんだろ?

このように因果関係をひっくり返す弁論は、世間によくあるのです。

「君がスポーツ全般が苦手なのは、スポーツを全くやらないせいだ」。

「足を前に出すから歩けるのではなく、歩くから足を前に出せる」。

「皆が薄着をしている日は、なぜか気温が高くなる」。

「離婚したら、そりゃ夫婦仲も冷えるさ」。

あるある、因果関係を逆にした詭弁

「日本政府がお金を出さないのは、日本が経済成長していないからだ」という逆立ちした現象はあるか?。あるわけがないのです。

「経済成長したから、お金を出せた」は、勘違いの妄想です。

なぜ?

思考が、財源論だからです。 ← 出たあ

記事→ 財源論をやさしく説明

政府支出は先行するに決まっており、考えるだけ無駄

通貨の増量なしに、何となく経済成長が起きたりしませんから。

オリの中の動物が繁栄し、それが原因でエサが増えたりしない。

原因不明の経済成長が先に起きた時点で、もはや言葉遊びです。

先に起こすことが可能なアクションは、政府だけが持つのです。

政府が支出した 政府が支出しなかった
経済成長している 該当国しかない(日本以外) 該当国はない
経済成長していない 該当国はない 該当国しかない(日本)

お金を増やす行動は、政府には可能で、国民には不可能です。

政府と国民の違いを知らない者が、逆順を言い出すわけ。

・ 経済成長はGDP増大であり、政府が刷り足したお金で皆が多く売買した現象
・ お金を刷り足して合法なのは政府であり、企業や個人が刷り足せば刑事犯罪
・ 従って政府がお金を刷り足して使い、好景気が起きる順序のみ人類は選べる

上の説明を日本人だけ飲み込めず、順当な結果がこれ

・ 経済成長中は、お金じゃぶじゃぶなので、政府がさらに追加する必需もない
逆順を日本人が信じたがるのはなぜ?

思考が、財源論だからです。 ← 出たあ

「相関関係はあっても因果関係はない」と言い出す大物経済評論家たちは、お金は国民が刷り足して政府に与えるものだと、話が最初から逆立ちしています。

オリの中の動物が飼い主にエサを与え、そのエサを飼い主がオリに入れる勘違いです。

記事→ 現金給付が日本で決断できない謎

記事→ あの国が脅威になる根拠は、世界一賢い財政手法だから

政府は「お金を出したいよー」と言いません。出したくない本意こそが先にありきなので、デフレ不況の起点は政府の緊縮財政だと容易にわかります。
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