日本国民の貧困化がゆっくり時間をかけて進んだのはなぜ

ゆっくり進む貧困化

経済はゆるやかに悪化し、徐々に貧困化が進行中

貧困化するスピードを考えてみます。

バブルがはじけてからその後、ある日から日本は貧困化しています。しかし急激に貧困化したというより、むしろじりじりと少しずつ、少しずつ貧困化しています。

昨日よりも今日、今日よりも明日と、国民の経済は時間をかけて悪化中です。

具体的には?

国民の一人一人が物を買わない傾向がより強まり、消費の合計である名目GDPも、実質GDPも減っています。企業の倒産が増えています。コンビニ店長の危機も、いよいよ常軌を逸して突き抜けてきました。楽天、おまえもか。

往年の雑誌が次々と休刊になっています。読者が年々貧乏になったからでしょ。ラーメンやステーキや牛丼店の苦悩も同様で。伝統工芸などの分野も買い手がいません。

報道はどう言ってる?

個々のショップの自己責任で説明しています。日本人の経営能力が不足している線で。

商売がへたな者の自業自得だとして、国の衰弱を話から外しているのです。デフレ不況のせいで全ての商売が売上減になって当然だという正論は、表に出されていません。

しゃべったら、左遷になるのかしら?。地方に飛ばされちゃって。

日本の平成と令和の貧困は、なぜゆるやかなのか

政府の緊縮財政と消費税増税を、ゆるやかに進めているからです。

御用学者やカリスマのコメンテーターなどが、将来は消費税35パーセントが必要になると言っていますよね。

15と25と35がよく出る数字

1997年の消費税増税で、5パーセントではなく35パーセントへと、一発で最終目標へ進めばどうなっていたでしょう。

日本の経済悪化と貧困化は、さっさと進んだのです。事件が露骨になっていました。

消費税5パーセントで、自殺は当然増えました(翌1998年に自殺数34パーセント増)。

警察庁が自殺統計を出しているから

増税を2パーセント増でなく32パーセント増としていれば、より多くが自殺していたでしょう。社会人の自殺原因の多くは、失恋ではなく失業と所得減と過労です。

増税の上げ幅が小さいから死者は分散し、社会問題として浮かび上がりませんよね。

ゆっくり進んでいるのは、ゆっくり増税しているからです。

日本語で、なぶり殺しなどと言いませんかねー。

なぜ国民はスローな拷問に耐えた?

自分の貧困化は、国の借金のせいだと勘違いしているからです。借金を返済するために、増税が必要だと国民が間違って信じているから、自分の罪滅ぼしと思っています。

自分が生きていたら子孫が迷惑し、自分が死ねば子孫が栄えると考える新興宗教です。

正当な理由がない、罪状のない拷問を受けているとは、全く感じていないのです。情報を持たない者に特有の、悲しい定めです。

途上国でよく言われる「貧困の原因は教育水準の低さだ」の嘆きを思い出します。

税金の基本的な知識をもう一度

国の税金とは、金余りでみんなが金持ちになりすぎた時に、余剰金の価値低下を防ぐために、余剰通貨を回収して捨てる作業です。だぶついた貨幣の削減なのです。

これをインフレ抑制と呼びます。超がつくインフレを予防的に食い止めます。

その理解が足りない?

日本人は、税金は国をまかなう財源だとてっきり思い込んでいます。

本来なら、貧困になりかかった時点ですぐに貨幣を発行して、国内にばらまく方式が国際標準です。なのに日本人は、ばらまけば財源が減ると勘違いしています。

思想がそもそも正反対か?

増税をやめろと言うと、「財源はどうするのか」と皆がトンチンカンを言い出します。

国の予算執行は、最初から国債発行による造幣に決まっているのに。

知らないとは恐ろしい

やけどの治療法である水で冷やすことを、凍傷の時にやって何がおかしいのか気づけない日本人が、とても多い状態です。

このたとえ話が、税金と何の関係があるのか、全く見当もつかない人も多いのです。バスが道路を逆走していることに気づかない乗客の状態に、日本国民は置かれています。

国民はいつになれば、逆走していることに気づけるのか

1997年に政府がやるべきことは二つでした。財政拡大と消費税減税でした。

政府財政出動を10兆円ずつ増やして、消費税3パーセントを0パーに下げれば、国民の手に貨幣を増やして買い物を続けさせ、景気低下を防いで日本は強いまま維持できました。

そうすればバブル後の不良債権処理で金融経済が縮小しても、実体経済では、国民が物を買う機運を下支えできたのです。それが順走です。

それをやった国はどこ?

日本以外です。統計が公開されているアメリカがよくわかります。

アメリカ国民は市場にまかせる考えで、自由主義経済に徹しています。そのアメリカ人も景気を悪化させてもよい自由までは、さすがにないと考えています。

市場が全てを決める方式に忠実すぎると、国は簡単に倒れるからです。景気に影が差せば政官財が国民にお金を注入し、庶民の手にドルをねじ込みます。

ドルを刷ってばらまく、そのばらまき方もうまいのです。アメリカ人は日本人のように、不景気なのに「今は好景気です」とか、ペラペラと嘘をつかないのも特徴です。

EUも景気下支えをやる意識的な発言が、2019年にも追加されています。欧州中央銀行の発表でした。EU加盟国ドイツは、減税をほのめかしていました。

日本もやればよくね?

メンツがじゃまします。日本を倒す間違った対処法を、多くの有識者たちが公言したり本に書いています。本当に倒さないと、不都合になる立場が多すぎるのです。

自分の地位を守るためには、日本を助けるわけにいかない状態にあります。

ウソを徹底的に言うと、後でウソでしたと言えなくなる、あるある現象です。

だから逆走を続ける?

高速道路を逆走する、本人の心理になってみればわかります。

自分以外の他の国はみんな間違っていて、自分が唯一正しいと信じたい瞬間が来ます。

これって唯一正しいつもりなの?

日本の貧困化と国の倒壊が長い年月かけてゆっくり進んでいる理由は、消費税を段階的に上げているからです。この状態が「ゆでガエルの寓話」です。
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