34年失う原因は、ケインズ理論から新自由主義への転換
新自由主義のイロハのイは、自己責任です。
政府が国民を放棄し、福祉を壊し、経済成長を止めてやる国策です。
するとお金の総量は一定にとどまり続けるから、国民は共食いする。
日本が経済成長しない理由は、日本国政府が故意に成長を止めているからです。
そうする理由はレントシーキング。
この流れを知らない人が多い。
目的は庶民の貧困化です。
・ 官業を民営化し、構造改革と規制緩和で格差拡大させて庶民を貧困化させた
・ 日本では、緊縮財政と消費税増税で通貨削減し、賃下げして社会を崩壊させた
・ 崩壊し価格破壊した国内企業や土地建物を、外国資本へ安く売って、利を与える
利を得る資本家が、政府を抱き込むわけね
上級国民が自国の経済政策を支配し、下級市民の生命財産を奪う作戦が、1980年以降の世界的な潮流です。先進国の所得は伸びなくなり、世界同時不況が続きます。
「上級国民」の語は、池袋の「AT車暴走事故」で躍り出ました。昭和のバブル時代にはない語で、平成デフレの格差拡大にフィットする概念です。
今の正統の経済学に沿ってるらしく
世界を覆った主流派経済学は、新古典主義と呼ばれ、デフレを歓迎します。
経済学者がデフレに恋するのはなぜ?
手作業のみで量産ができない時代の思想なので、商品が常に不足する前提です。
科学的な生産拡大やロボット工場の時代に、中世の教えを守る学問が今の経済学です。
緊縮財政という言葉すら知らない国民は、「飽食の時代のノリ離れで買わないんだろ」と解釈を間違えましたね。浅草ノリの好き嫌いだと誤認した。
「買う金がねえんだよ」と言うと「低所得の無能な馬鹿は、優秀な者の足を引っ張るな」の声が押し返し、国民は納得して働き方改革へと脱線し続けました。
「所得の低い者が日本経済を下げた元凶だ」と因果関係を逆さまに解釈し、国民は互いに憎み合い、分断が進みます。国民は誰に何をされてきたのか、理解できないまま。
中野剛志氏は、認識共同体が新自由主義を固めたと説明
このブログより格段に専門的な二冊組の本があります。著者は中野剛志氏。
4年前の話題の書で、こちらは他人にすすめたこともあり、今やっと入手しました。
奇跡の経済教室【戦略編】 : 政治家が新自由主義で日本社会を壊した流れ
【戦略編】では、人類に二つの成長戦略があると説明します。
アメとムチです。
経済では初めて聞くキーワードだ
・ ムチ型(企業利益主導)の成長戦略
アメ型は、社員にお金を多く渡して買い物させ、企業の売上を増やし、経済拡大させる。
ムチ型は、企業が節約してお金を多く残し、企業の純利益だけ増やし、経済縮小させる。
ムチ型は要するに、徹底的なコストカットです。企業が社員たちを敵視し、ムチで打つ。
企業利益は、どちらも上がるわけか
どちらも同じ結果とはいかない。ムチ型は企業利益のみ増やし、国民を貧困にさせるから物が売れなくなり国は衰退します。インフラの老朽化で、土砂崩れや洪水も増えます。
今の日本人はムチ型しか頭にないせいで、国内資産が下落し領土を奪われています。
アメもムチも、いつ始まった?
アメ型は1930年代の世界大恐慌の後と、戦後からアポロ宇宙船の頃まで、西側国が採用しました。通貨発行を増やして商品売買を活発化させ、GDPを増加させました。
イギリスの『ゆりかごから墓場まで』の福祉も、その一環でした。
しかし1970年代の石油ショックで起きたインフレで、イギリスは政策を間違います。
あのオイルショックが歴史の分岐点か
起きたのは悪性インフレなのに良性インフレと誤認し、1980年にムチ型へ転換を開始。
そもそもインフレが二種類あるとも考えない、経済学の瑕疵です。
悪性インフレは不景気なのに、英政府は景気を冷やす政策で、世界は不幸へ暗転。
アメからムチに切り換えたのは誰?
英サッチャー首相と、米レーガン大統領です。世界を大不況にした二人。
サッチャー首相の恩師が、格差拡大の神様ミルトン・フリードマンです。
二人を大政治家として尊敬する議員は日本に多いけど
ヨーロッパ各国が没落して中国依存なのもそう。イギリスがEUから抜けたのも、二人が起こしたブームで国が壊れたからです。国を立て直すためにEUから脱退したイギリス。
EUや日本で緊縮が長く続く理由は何?
中野氏は「認識共同体」だと言う。このブログに一度も出ない重要語句です。
認識共同体って、政界のお友だち?
「支配層と富裕層の集まり」「ハイソのコミュニティー」です。
頂点は『ダボス会議』と呼ばれ、新自由主義の大金持ちが集まって、庶民を上から押さえて国際社会をコントロールし、世界をどう変えるかを決める秘密会議です。
コオロギ食の各国への強要も、この会議からと言われます。
『ダボス会議』の面々も「ディープステート」と仮に呼ばれます。
飛び飛びの話がつながってきた
資本家、大企業幹部、財閥家系、有名大学教授、アメリカ経済大学留学組やら、カリスマコメンテーターや超有名タレントも招かれます。テレビ局が重用する面々です。
他にも、仲間内を意味する言葉が最近なかった?
同類項がネットで集まり、閉鎖的な同調圧力で洗脳が進む群集心理「エコーチェンバー」に近い意味が「認識共同体」でしょう。
富裕層だけが集まると、世界の庶民を見下ろす人格形成を互いに強め合い、庶民の圧殺も平気になります。ヒトという生き物の脳のはたらきです。
日本も世界と同じ階級闘争でつぶれた
日本の「失われた34年」は最初はミスでしたが、途中からわざとやっています。
中野氏の説明は、支配層は庶民に無関心だと言います。
「今だけ、金だけ、自分だけ」の軽いノリで、低所得層に身を斬らせます。
民主政治の破壊も、新自由主義の目標だった
中野氏は「新自由主義が、民主制を破壊している」と指摘します。
資本家が政治家に、民主主義の否定をやらせていると。
どういうこと?
平成日本でも、民間諮問委員(ディープステートや代理人に該当)が決めた法律を、国会で素早く通すやり方が多用されています。審議時間を取らず、議論を排除する。
諮問委員のバックに経済団体がいて、政党に献金や選挙協力(事務所や車やウグイス嬢を貸すなど)し、利益供与の関係だという。
良識ある議員が「その法律で国民は苦しむぞ」と歯向かえば干されます。議論の場をなくして、庶民を翻弄し身を斬らせます。
構造改革と規制緩和の、上級国民に富を集める法律が次々通り、英米がひどかった。
認識共同体は怖い
国際社会のナチス化といえます。
中野剛志氏の言うには、民主経済を破壊し新自由主義経済に変えるブームは、1980年頃から2020年までです。
コロナで止まったってこと?
英ジョンソン首相、米トランプ大統領、仏ルペン議員らがキーパーソンです。長続きせず消えたのは、上級国民たちが報道の協力を得て、悪と定義し追い落としたから。
新聞テレビが「ポピュリズム批判」を始めたのも、民主制の多数決をやめさせて、少数の上級国民による「全体主義」の独裁をアシストする目的です。
現代のナチスが本当に現れると、マスコミが必ず加勢するのは、歴史のお約束です。
つまりファシズムが、大局のトレンドなのです。
このブログと中野氏の差は何?
このブログは、いじめっ子の論理で考えています。弱者を苦しめたい本能の突出。
一方、中野氏の本では、認識共同体の輪に入ると、弱者が視界から消える論です。
当ブログと中野氏は、庶民を抑圧する悪意が、強者にどう芽生えたかで解釈が違う。
貨幣観の誤りはどこに出てくる?
国が1兆円用意するコストは0円なのに、国民が1兆円払うのが日本人の勘違いです。
全員が全財産を没収される日まで、重税が続く理屈です。皆殺し。
国費は国民負担じゃないと説明しても、国民がはねつけるし
コロナ直前から「センメルヴェイス反射」の語が出回りました。
中野氏の本が出典らしく、暗示は米国の本『現代貨幣理論入門』です。
・ 「税金は財源ではない」の原理を頭から拒絶し、増税せよの反応が起きた
ガリレオ、センメルヴェイス、ゴッホが不遇になった流れは、男性社会の害です。