合成の誤謬=みんな正しいのに全体が滅ぶおもしろ法則で日本が

合成の誤謬

合成の誤謬というおもしろ現象に、もっと注目しよう

合成の誤謬という語は、大学の授業で初めて聞くのかも知れません。

ごうせいのごびゅう。やたら難しい言い方です。

中学では聞かないような

一例は胸のリボンです。公式のセレモニーなどで、主賓や来賓など特別な招待客は、胸にリボンをつけます。

つけた何人かは目立ち、「あの人が特別ゲストだ」と判別できます。

ところがです。もし、来てくれた全員に敬意を示そうと、客の全員にもリボンをつけたらどうなるか。誰も目立たなくなります。

全員で同時にやれば失敗する?

合成の誤謬の例です。会社の入社式で、一人だけ白いスーツを着たら目立っても、全員が白なら誰も目立ちませんよね。派手な赤い服も、全員が着れば埋没します。

一人がやれば意味があっても、みんなでやれば無効や悪い結果になるのを、合成の誤謬と呼ぶことが多くなっています。

合成の誤謬は、国の経済が傾く貧困に当てはまる

みんなで節約した悲惨な結末も、まさに合成の誤謬です。

シンプルライフ、ミニマルライフ、断捨離生活、買わずに借りる暮らしを大勢がやれば、経済縮小します。国内の資産を外資に買われ、主権も握られてしまいます。

節約は、お金を使わない意味です。売買を止めます。買い物金額の合計である国内総生産GDPが落ち、経済は右肩下がりに転じます。

GDPの話は難しい気も
GDP = 生産の合計 = 支出の合計 = 所得の合計

「売買の合計」は「所得の合計」でもあり、国民はGDPを山分けする計算です。

お金を使わない生活を全員がやると、全員にお金が入ってこない道理です。

当たり前すぎか?

「GDPにこだわるな」は勘違いです。国力の指標は核兵器を除けば、GDPが決めます。

メカニズムは、一万円札一枚が行き来すれば、多人数が多数の商品を入手できます。

二枚、三枚と枚数が増えなくても?

一枚のお金が動き回れば、商品のゲットが次々と起きます。

だから物を買いまくるのは善です。節約は悪です。

物を買わない人は、国をつぶす悪人。

ミニマルライフは、国にとって反逆行為です。

実は物持ちが正義?

アメリカ合衆国の方針がそれ。

節約するとお金が動かず、商品も動きません。すると市場に物品がふんだんにあるのに、国民は貧困化して入手できず。おにぎりが買えず家で遺体で発見されたり。

おにぎりはコンビニで余り毎日捨てているのに、買う側にお金がない不均衡です。

作って売る側の企業も売れずにスタッフを解雇し、投身自殺や首吊りが増えます。

やがて心理変調でパニックが起き、ムシャクシャしたテロも目立ってきます。日本にその傾向が出ていますね。秋葉原のあれなんかも。その後は殺人の人数記録競争になって。

個人の対立もひどいことに

総量一定のお金を国民が取り合いする、共食い思想が財源論です。

意図的にエサを減らした動物のオリ状態が日本です。エサは日本円です。

記事→ 財源論とは

他人が不幸になれば、自分に利益が転がり込むのが財源論です。財源論は共存や共生を否定し、国民を分断させます。人権侵害ブームです。

日本の節約志向はいつ始まった?

「日本はいつからおかしい?」の答は1997年4月1日です。

緊縮財政と消費税増税です。貧困化は制度だと知っていました?。

初めにお金を減らす事件があったわけか?

国民は節約に走るほかなく、デフレスパイラルが続きます。

正しいメカニズムはこうです。

・ 各国の政府は自国通貨を発行でき、打ち出の小づちに相当する
・ 発行した自国通貨は、政府の借入金ではなく、自己資金である
・ 公金は政府が追加で発行して支払いに使い、使うたびに増える

日本の不調はお金の発行不足です。政府が出す通貨が足りない。

つまり、税金は財源ではないのです。

大衆は何も知らないわけか

日本人の妄想はこうです。

・ 政府がお金を使えば、あたしたちのサイフから出て消えるからもったいない
・ コロナ感染の予防や救済にお金を使うのをやめて、国が持つ一万円札を守れ

1997年からどんな変化が起きた?

全国の地方で、シャッター通りが増えました。次はモンスタークレーマーの発生でした。ブラック企業はその後です。

社員が死ぬほど働かせる演説がウケたり、犠牲を強いる文書を張り出す冷酷な企業トップが信用されて、カリスマになる時代が続きました。

サイコパスの語が出回って

日本の温かい互助精神を「女の腐ったやつ」と非難して、弱者切り捨ての決断をアピールして、男らしいたくましい気風のオーラが仕切った怖い平成でした。

平成二ケタの格差社会は、鬼が輝いたマウンティング時代でした。他人を蹴落とし殺して平気な勢いの富裕者を勇者として慕いました。鬼に愛人も子どもも多かった時代です。

合成の誤謬が、経済に当てはまる理由がおもしろい

合成の誤謬は、元々は経済分野の言葉らしいのです。

経済用語がオリジナルだった?

節約、倹約、削減を、一人がやれば立て直せますが、しかし全員がやれば国が倒れます。最初からその用法であり、節約で国家が破滅する表現でした。

胸のリボンや白スーツや赤シャツなどは、派生した寓話です。

なぜ難しい漢字なのか?

「合成の誤謬」という難読漢字は失敗でした。「倹約全滅」とか「節約亡国」など、ことわざでよかったような。中国の漢語にあるかも知れませんが。

いつまでも景気が上がらないのは、政府が無駄づかいをやめているからです。政府が無駄と浪費と垂れ流しを激しくやれば、日本は裕福になり国力が増します。

もしかして外国は無駄が多いから好景気なの?

それだけの話です。

他国は無駄が多く、ルーズでいい加減、ラフでアバウト、ずさんな国民性だから、必要なお金を止めずに発行します。だから他国はお金に困らず、経済は伸びています。

日本は「逆をやるから結果が逆だ」と気づけないトホホ状態です。

逆をやるから結果が逆とはこれか

「我が国は完成した文明の頂点だ、成長しないことが勲章だ、エッヘン」て自慢して。

それで5G機器は部品の下請けで、市販製品を輸入に頼る現状です。

政府がお金を出せば、経済成長するグラフ

中国はどこに消えたのか

一人が節約すれば改善できても、全員が節約すれば改善せずに全員が滅ぶ。このマクロな現象を合成の誤謬と呼び、字が難しくてあまり知られません。
Photo: by Reza Rostampisheh on Unsplash