日本人の大半が、お金を理解できないのはなぜ
日本経済を一口で言えば凍傷です。そこに冷水をかける政策が続きます。総理大臣は氷を次々と投入します。国民は怒ります。「改革が遅い、ドライアイスを使え」と。
今回で記事は200回目。日本人が、具体的に何を誤解して自滅中なのかを特集します。
アメリカは裕福で日本は貧困、違いは複雑そう
簡単です。アメリカ政府は積極財政、日本政府は緊縮財政。
アメリカ政府は、スキあらばお金を発行してばらまき、じゃぶじゃぶにする。
日本政府は、スキあらばお金を回収して廃棄し、すっからかんにする。
日本人はそれに納得してるわけ?
経済が落ちるのは、国民の働き方が非効率で、商売もへただと、皆は妄想します。
でも日本製品はアメリカで人気だし、F1も参戦してたじゃん
所得が年々減ると、気落ちして思考力も落ちます。分析に失敗する。
日本人は、お金をどう誤解しているのか
日本人の頭の中はこうです。
日本人の誤解 | 本当はどうなの | |
お金とは何か | 純金の代用品 | 借用証書 |
お金の位置づけ | 物体、ハードウェア | 情報、ソフトウェア |
世のお金はいつ増える | 働いてかせいだ時 | 銀行から借りた時 |
世のお金はいつ減る | 消費して使った時 | 銀行へ返済した時 |
見事にトンチンカン!
日本だけが経済成長しない根底にある思想がこれ。
日本人の誤解 | 本当はどうなの | |
国の財源は | 僕らが払った税金 | 自国通貨の追加発行 |
国がお金を出すと | みんなのお金が減る | みんなのお金が増える |
なぜそうなる | 一万円札を消耗するから | 通貨を追加するから |
国が出せる限界はどこ | 金庫の一万円札の残量 | 市場の商品の供給量 |
出せる限界の理由は何 | 金庫が空になれば破産 | 商品がないとお金は無価値 |
国が13兆円出すと | 国民が13兆円払う | 宇宙の誰も払わない |
真逆かよ
よく見ると、国民の誤解は内部矛盾しています。国がお金を発行できない前提と、お金を発行できる前提がバッティングしているのです。
どういうこと?
税金が財源なら、お金を発行できる事実と整合しません。作曲家がオリジナル新曲を出すたびに、曲を貸してくれた人に弁償する奇妙な発想です。
日本人の誤解 | 本当はどうなの | |
税金とは何か | 国の運営費を集めて備蓄する | 余剰通貨を間引いて廃棄する |
たとえると | 国に納める年貢米 | 大雨時のダムの放流 |
増税すると | 国に一万円札が増えて嬉しい | 国民の購買力が減って経済衰退する |
減税すると | 国に一万円札が入らず悲しい | 国民の購買力が増えて経済成長する |
全部あべこべ
失われた30年は、モタモタした30年でなく、全力で逆走した30年です。
日本人の誤解 | 本当はどうなの | |
経済が低落した原因 | 国の無駄づかいが多い 利権や既得権で浪費 企業の社長らが馬鹿 労働者がナマケモノ 昭和時代の老害たち 年功序列や終身雇用 高齢者や障がい者が重荷 若者の無気力や草食系 少子高齢化と人口減少 温暖化と台風とコロナ |
政府による通貨削減 (日本だけの政策) |
何をやれば解決する | お金を使うな動かすな 社長を外国人に替えろ 労働者も外国人にしろ 国家の改革を徹底しろ 伝統を排除しリセット 日本文化を消し去ろう 弱者にお金を与えるな 高齢者を安楽死させろ 障がい者福祉もやめろ 国の秩序をぶっ壊そう |
政府による通貨増量 (他国だけの政策) |
所得倍増もその調子?
日本人の誤解 | 本当はどうなの | |
所得倍増させる方法 | 皆が2倍がんばって働く | 政府がお金を2倍刷って支出する |
アメリカに限らず、政府が民間に2倍ばらまけば、時給は2倍になるのです。
成長分野がぐーんと伸びても、お金の発行量が1倍なら、時給は1倍のまま。
日本人だけが逆走する理由は、二次大戦とバブル後処理
日本人はお金が人工物だと知らず、白米のような限られた資源だと勘違いしています。
年貢米のようにお金を育てて集めれば、国の運転資金がつくれると勘違いしています。
だから増税されても「それは間違いだ」と言えずに、喜んで差し出すしか選べません。
義務教育で教えれば済むのでは?
教育内容が嘘だから、国民の脳内は白紙でなく理論武装しています。
国民にとって「日本財政破綻論」のフェイクは、ノスタルジーです。
「倉庫の白米と同じで、国のお金も使い切れば底をつく」とガンコ。
現代の白米である現金は、国が必要なだけ刷り足すと知らないわけ。 ← だから金欠
税金は財源ではないのです。
間違った義務教育は誰のしわざ?
戦後の進駐軍です。
日本民族を滅ぼす目的で設けた「日本しばり」が今も残留しています。
米ハワイ州オアフ島の真珠湾攻撃(1941)への報復が、朝鮮戦争(1950)で無効化し、バブルの後処理を間違った時(1997)に再開し、現在(2022)へと続きます。