演劇界の野田秀樹さんの新型コロナウイルス御意見も貧困問題

演劇と新型コロナウイルス

演劇人野田秀樹さんの、苦悩の意見書はどういう内容?

新型コロナウイルス対策で、あらゆるイベントが中止になっています。

総理大臣の一声で、日本の幼稚園と小中高校を3月頭で終了し、長い春休みが始まったことと少し関係するでしょうね。

スポーツイベントでは、選手と関係者だけの無観客試合がいくつか行われました。大相撲もそうです。

人が集まるのを禁止?

そこに、プロ演劇界の野田秀樹さんが意見したのです。こういう内容です。

・ 感染症の専門家と協議して、対策を十全に施す前提で言う
・ 予定される公演は実施されるべき
・ ひとたび劇場を閉鎖した場合、再開が困難になるおそれがあり、演劇の死を意味
・ 劇場閉鎖の悪しき前例をつくってはならない
・ 身勝手な芸術家たちという風評が出回ることを危惧する
・ 公演収入で生計をたてる多くの舞台関係者にも思いを向けるよう願う

この意見は、ネットで激しく批判されました。

国民からバッシングされた、イベント継続の焦点はどこ

批判の多くは、こうです。

「コロナで死ぬかも知れないのに、劇の舞台だけはやりたいなんて、身勝手な意見」。

このもっともらしい意見には、ある立場が抜けています。

何だろう

演劇関係者の貧困化です。劇をやめたら一部の俳優や、舞台づくりの作業者は飢え死にへと向かうのです。月給じゃないから、休めば収入が消えます。

企業のパートタイムやアルバイトなどの従業員も、演劇関係者と同じ立場ですね。

そういう人は増えてる?

この問題は今の日本で起きた、次の二つの変化が焦点です。

・ 平成の30年間に、国民はしだいに貯蓄を減らし、生活費の準備がもうない
・ 非正規雇用の促進で、時給や日給や出来高で収入を得る者が増えている

それを言えばよかった?

「公演収入で生計をたてる」が一番言いたかったことでしょう。

それを「演劇は観客とともに作品をつくる、その場限りの芸術である」の前置きを持ってきたものだから、かっこうのバッシング対象にされました。

欧米と違い日本には芸術がわからず、アートが嫌いで敬遠する人が多いからです。

ウイルスに耐えられない日本へ、構造を変えていた

平成の主流となった経済的信条は、次の二つのスローガンでした。

・ 国の借金をなくそう = フェイク
・ 株主の利益を最大に = レントシーキング

どんな政策がとられた?

政府財政出動を切り詰めました。国民の手にお金を与えない方針です。

法人税を下げて、消費税を上げてきました。庶民の所得を上級国民へ献上します。

正規雇用を減らして、非正規雇用を増やしました。賃金カットです。

国民ビンボー化作戦ね?

その結果、お金がなく微生物の攻撃にキリキリ舞いする日本人の姿です。

貧困でコロナ対策に動けない日本のトロさを、世界はバッシングしています。日本は隣国から受動的にやられているのに、悪事の張本人として論じられるありさま。

日本はウイルス発生源じゃないし

ウイルスが発生した中国がけんめいに対応していると、感染してダラダラした日本へ世界のバッシングが向かってきます。

ダイアモンドプリンセス号が横浜から欧米にまき散らしたとの、人聞きの悪い印象で。

日本はどうすべき?

お金を使えばよいだけの、簡単な話です。

国内のお金は、各国が自主的に増やします。通貨発行権と呼びます。

ところが日本は、通貨発行を禁じる特殊な宗教にのめり込んでいます。

中国にその宗教はない?

ありません。人民元の通貨発行権を使って、お金を必要なだけキーボード操作で生んで投じている中国政府です。対比的に、行動できない日本に映ります。

お金がないのは、宗教に染まって通貨の追加発行を止めているから。

その宗教を世界は理解しません。外国にとっては、お金よりも命の方が大事だからです。日本は逆で、人命とお金のどちらをとるかで、お金に軍配をあげています。

人命の方が大事に決まってるし

実はその考え方も、国家財政の観点で間違いです。国がお金を多く出せば、人命と経済の両方が同時に助かるからです。

「片方を助ければ、片方は失われる」の、ジレンマは妄想です。人命と経済はシーソー関係ではなく、一挙両得で一石二鳥なのが現代の財政方式です。

日本ではお金の意味を勘違いしてる?

「お金を使えば、なくなって消える」が日本の勘違い思想です。

「お金は宝物で、使えば消える」と怖がる人が多い。本当はお金は発行元が自在に増やす商品券にすぎないなのに、日本人は知りません。

世界で日本だけ、お金は使い捨てる価値ではなく、持ち続ける価値です。

「今ここでウイルスごときにお金を使うと、一万円札が底をつく」「日本の借金は子孫のツケとなり、日本は破綻」のウソを、日本だけがかたくなに信仰しています。

コロナ対策費が底をつく不安の声は多い

「国の借金」の大衆向けデマに従えば、夏が来るまで待てば安あがりとなりますから。

夏までに個人のお金は底をつくけど?

多くの国民は自転車操業的に時給で働く境遇に、コロナ以前から変えられていました。

銀行預金がないと、首を吊る場所や飛び込む電車の時刻、富士の樹海でもグーグルマップで探し始めることになります。

国民の死は自業自得か?

「働き方改革」に期待した国民のドジです。国民はワナにはまりました。

目的は国民の賃下げで、発言力を失わせ、無力化する目的もありました。

近年の新しい法律は、いずれも国民の所得を下げる内容です。

日本以外は正常だと知ろう

日本は他にも何か間違っていない?

新型コロナウイルスの後には、もう何も起きないと思っていませんか。

世界を巻き込む事件は、この後にも順番待ちしていますよん。

記事→ 国の借金1100兆円は嘘だった

生活費を月給でもらう正規雇用を減らすほど、日本は不測の事態に対応できず崩壊します。早めに警告してくれたのが、新型コロナウイルス騒動です。
Photo: by Rio Lecatompessy on Unsplash