物価上昇が怖くて好景気を嫌う人←大売れ感謝の値下げもあるしー

好景気になると、逆に値下げ商品が増えてくる不思議

バブルの好景気時代(1987~1992)に、袋入りポップコーンの量が増えました。

80グラムのポップコーンを、90グラムに増量し価格据え置きの、実質的値下げです。

好景気だと値上げに泣くぞ、の警告ばかり聞くけど

机上の論です。物価はそんなに単純ではない。

好景気とは通貨発行とばらまきが進み、庶民に所得増が起きた状態です。手取りが増えた国民は菓子類も多く買うよう変化し、メーカーは次の立場になります。

・ たくさん売れて我が社の業績は向上、社員給与と株主配当ともに増やせた
・ どの菓子メーカーも売れているが、競争に勝つには販売促進も欠かせない
・ 値下げだと景気が悪化するから、同じ値段で増量してキャンペーンしよう
・ 品質を落とさず続けるから、新しいお客も気に入ってくれて取り込めそう

バターロールパンなら、6個入りを7個に増やすとか。

平成のように、一個を小さくしたり安い材料に変えたら、それはデフレ不況の証明。

昭和の人は、出費が減る価格破壊は喜ばなかった?

消費税がない昭和の経済は右肩上がりだから、消費マインドがずっと高かった。儲かった業者が消費者へ還元するなら、返金ではなく増量が当然です。

経済成長の定義は売買数量が増えること ← 数量が減ればマイナス成長にカウント

メーカーとしては、売上数量が増えているからこそ大盤振る舞いできるわけで。販売する数量が減るのは経済衰退であり、デフレ不況となり最初の前提が崩れます。

・ 好況ならスケールメリットや多角化や商売繁盛御礼で、実質的値下げも増える
・ 量産態勢の強化、製造ラインの合理化など、生産性向上を企業は目指し始める
・ インフレ好況では、競争の下げ圧で手頃価格になり、物価は青天井にならない

好景気の企業は、シェア争いで上を目指して、物価を下げる動きが増えるのです。

同じ理由で、バブル時代は試供品が用意され、ギブアウェイが色々出回りました。都市を歩くと、よく無料進呈に出会いました。

シャンプーやひげそり、ばんそうこうや箱ティッシュ。それ以前はタオルやうちわ。年末ならカレンダーや手帳。何かを買うと、気前よく贈呈品がもらえたのが昭和でした。

平成後半に、ポケットティッシュ配りも引っ込んだ

大手の外資系輸出企業とは違い、中小企業は利益が少なく内部留保も余裕がないのです。企業全てに高い最低賃金を強いる、政治の脱線ぶりがわかります。

賃上げは、政府がお金をじゃぶじゃぶにしないと起きません。それが国際仕様です。

中小企業の賃下げは、社長がどケチだからでなく、緊縮財政で商品が売れないから
無料だった手数料が有料化ブームだ

メーカーやショップはデフレ不況で商品が売れないから、別途のサービス料を新設して、補おうとするわけ。銀行のネットバンキングのトークン有料化もそれ。

何かと手数料が上がり名目も増えるのは、不景気の証明、国が傾いている証明です。

緊縮財政でスリや寸借詐欺も増えます。新自由主義は人を変え、性格が悪い人々を育てるのです。迷惑人間がはびこるのが新自由主義です。

不景気だと不良品や偽物が増え、損な買い物が増える

緊縮財政と消費税増税で通貨削減したら当然、不良品、偽物、危険物が増えます。

遺伝子組み換え大豆が一例で、実質賃金低下で安い豆腐しか買えない貧乏だと、国産大豆の豆腐は商品が企画倒れで、富裕者さえ容易に買えなくなります。

先進国の有機栽培の流行が、日本だけ小さいし

欧州国で流行るオーガニック食品やロー食品は、日本ではバブル時代にスタートしましたが、平成デフレ不況が進むと下火に変わりました。あるのは農協の売店など。

好景気だと本物志向になり、不景気だと偽物志向になります。

日本の人々が偽物でがまんする理由

所得減の人は、買う商品のグレードを選ぶ自由度が消えます。泥水を飲んでしのぐ立場に似て、危険でも食べるわけ。緊縮財政で誘導し、低品質の外国製を勝たせられます。

貧乏になれば、危険な食品ばかりになる

緊縮財政すれば、世界で禁止の農薬や添加物も集まります。表示法を変えて隠して。

消費期限の大幅切れや、廃棄食品の使い回しも、デフレでトレンドになりましたね。

コオロギ食で子孫に奇形が生まれる確率の実験も、日本人に押しつけられています。賃下げされた国民は安さを追い求めて、高級和牛の絶滅作戦に賛同する心理にもなる。

全ての原因は緊縮財政が生んだデフレか

日本人の入れ替えが早まるので、緊縮財政をやめられない一面も確かにあります。

国民は「働き方が悪い人材を排除せよ」に向かいます。「企業で働く窓際の老害をクビにすれば、国は経済成長して上向く」の選民思想が、若者の価値観になって久しい。

本当は国がお金の増量をやめて減量に徹したから、ワーキングプアだらけの社会に転じ、メンタル崩壊で腐った社員が増えた順序です。皆の解釈は時系列があべこべ。

商品が売れるには、買い手に通貨をばらまく以外ない

物がなぜ売れるかは、日本では勘違いされています。

「メーカーが優れた物やサービスを作れば売れる」という誤解です。

最も大事な「需要」が常に抜けて、結果はデフレ不況があと60日で28年目に突入。

世界で唯一、戦争でもないのに経済が空回りをやめない日本。

原因が消費税だと、理解した人は少ない。税金は財源だと勘違いしているから。

ところで需要と供給の、需要って何を指す?

需要とは、物が欲しい気持ちの前提となる所持金です。俗に言う「先立つもの」。

物やサービスが売れる最大の原因は、買う側がお金を余分に持っていること

富裕層にプール付き住宅が多いのは、プール代を払えるからです。水泳マニアとは違う。日本ではかつて、高級ソファ、天体望遠鏡、鉄道模型、エレキギターが爆売れしました。バブル時代にはヨットや別荘もどんどん売れた。

需要と供給の意味はこう。

需要がある = 国民が余剰金を持っているせいで、買いたい気持ちが高まっている
供給がある = 需要に応じて、メーカーが商品開発して量産して、店で販売できる

平成に恵方巻(えほうまき)という巻きずしが、さしてブームにならず大量に売れ残った理由は、味や空腹度の問題ではなく、国民が貧困化していたからです。

貧困化した原因は、緊縮財政と消費税増税で通貨削減して、国民一人あたりが手にできる日本円の額を減らしてきたから。

お金を増やすまいとやっきな国策

手取りが少ない人ほど買い物をしない、隠れた法則、隠された法則です。

その法則って、隠されてたの?

コメンテーターたちは、飽食の時代のせいにしましたよね。

「物があふれて幸せすぎる若者たちは、暮らしをシンプルにする哲学を持った」と。

本当は、賃下げされてビンボーだから買えないのです。

幸せならこうならないのでは

物余り現象は、需要が少ないから売れ残りが多いデフレの証明です。不幸な時代。

物に囲まれ若者は幸福、という報道が耳タコだった

少子化急伸でも、若者が貧乏で結婚できないから、が隠され続けました。

飲み会嫌いも、上司との人間関係以前に、金欠で首が回らないわけ。

その結果、店は売れなくなり、従業員を賃下げした悪循環です。

現代国が経済成長するには、需要をつくる、すなわち通貨を追加発行してばらまく
でも物価高を嫌う声が多いが?

日本に「通貨発行して景気が上がると、物価が上がるから皆が困る」と、景気回復を嫌う声が多い。「景気が悪い方が物価が安くなり、暮らしやすくて僕は嬉しい」と。

実際は、好景気だと所得が増えます。需要けん引(デマンドプル)で物価が2割増になると、賃金は3割増などに上がります。年金も、物価スライドと呼んで上げる。

人類の経験則から、良性デマンドプル型インフレ率が2から4パー程度なら、物価以上に賃金が上がります。それなら物価上昇に泣かず、笑顔です。お金ならあるから。

好景気を体験していない世代は、価値観が逆さまにひっくり返ります。

今すでに物価高騰して、しかも各家庭は火の車だが?

物価上昇の原因は、大きく二種類あります。

2022年からの値上がりは、露ウ戦争で石油や小麦の輸入価格が高騰した狂乱物価です。売上増はサウジやロシアに入り、日本にとって悪性コストプッシュ型インフレです。

インフレが二種類あると知らない論者が、通貨ばらまきを敵視し、好景気ヘイトを展開して、貧困化の持続に努めています。

通貨ばらまきで好景気になれば、物価以上に賃金上昇します。だが日本では物価上昇が二種類あると知られず、不景気の続行を願う人も多いのです。
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