貨幣のプール論:メンタリストDaiGo氏をだました理論とは

貨幣のプール論

貨幣のプール論は、財源論と同じ「総量固定」の思想

メンタリストDaiGo氏『ホームレスの命は猫よりどうでもいい』は、経済問題です。

彼は「貨幣のプール論」で洗脳され、優生思想を持たされた被害者です。

貨幣のプール論って何?

使うために蓄えて待機させることを、「プールする」と言います。

水泳のプールではなく。

日本各地にため池があります。昔の人が土手を築いたり掘って、雨水をためて農業用水に使いました。地域の「水がめ」とも呼ぶあれ。

ため池の水に、次の特徴があります。

・ 人が水を増やすことはできず、天の恵みに頼る
・ 総量が決まっているので、少しずつ大事に使う
・ 誰かが多く使えば、他人は少なくしか使えない

ため池の水と同様に、国にお金を備蓄するのが貨幣のプール論です。

財源論との関係は?

同じ意味です。ためたお金を使えば減り、使い切れば底をつき破綻する解釈です。

「家庭と同じで、国も出費が多いとお金はなくなる」の言い方がそれ。

「減税したら、減った分の財源はどこから取るんだ」の言い方がそれ。

お金を天然資源に見立て、人命を捨ててお金を守ろうと必死にケチる。

国がお金を使えばお金が減って、使い切れば国が破綻する思考が貨幣のプール論。お金を水がめの水にたとえて、大事に守りながら使おうとする思想信条を指す。

この貨幣のプール論は、もちろん間違いです。完全に嘘。

貨幣のプール論に染まって、日本経済は壊れた

貨幣のプール論が生み出す、耳タコな常とう句です。

・ 予算をつけるのに、財源はあるのか?
・ 国が何かに支払うと、集めた税金が残り少なくなる
・ バブル時代にお金を使いすぎて、日本はお金が足りない

最近は、次の話も聞きますね。

・ コロナ給付は、税金を多く払ってきた人が多く返してもらうべき
・ 水害や土砂崩れの助成金を受ける住民らは、国民の負担増になる
・ 黒い雨など原爆被災の原告への賠償金は、僕らが働いたお金だぞ
・ 高齢者の安楽死を法制化して、若者にお金が回る社会に変えたい
・ ベーシックインカムは、大口納税者が損だから僕は絶対に反対だ
・ 病気やケガで医療費が多い人は、多めに国保保険料を払うべきだ

いずれも、貨幣のプール論の間違った思考です。完全に嘘。

お金を総量一定と思い込み、使えば減ってなくなる。イス取りゲーム、シーソーゲーム、ゼロサムゲームで奪い合うのです。昔の水争いと同じ。共食いで不仲。

記事→ 国民を救済させまいとする心理

現代の財政は、政府が通貨をいちいち追加発行して払う

最初の一行「人が水を増やすことはできず、天の恵みに頼る」が、大間違いです。

・ 水は天然資源だが、お金は増やし放題の人工物 ← ただのチケットじゃ
・ お金は、人がマシンのボタンを押して増発する ← 必要金額を創造する
・ お金が多すぎた時は、徴税で消して暴落を防ぐ ← 税金は捨てるお金さ

つまり財源は公債発行です。税金は財源ではないのです。

池の水と違い、市中のお金は政府が好きに増減できるからです。

管理通貨制度と呼び、各国は現にやっています。

こりずに、貨幣のプール論を続けたらどうなる?

国民は貧困化します。

・ 100兆円を国民から集めて、国の予算を100兆円とする
・ しかし多く集めると死者が増えるから、60兆しか集めきれない
・ そこで国債発行してお金を刷り足し、補った40兆を赤字とする
・ 赤字の累積合計残高1200兆を、国民は返済できず国は破綻する
・ 破綻せぬよう金持ちに重税を課し、貧困者も叩いてしぼり取れ

福祉を捨て、弱者を間引いて口減らしせよと、メンタリストDaiGo氏も教示したわけ。

こりて、管理通貨制度に変えたらどうなる?

国民は富裕化します。

・ 100兆円の予算を決め、投じる順に国庫短期証券を発行し、円を新たに刷る
・ 予算執行するたびに、国民の市中銀行預金は増え、マネーストックが増える
・ その年に多く増えすぎた者に徴税権を行使、累進課税で余剰金を捨てさせよ
・ 物価上昇率=良性インフレ率が上がりすぎる、その原因の余剰貨幣を間引け
・ 国債発行残高1200兆円を1500兆、2000兆と増やせば、国は経済成長する

日本は明治時代よりも、お金の発行(国債発行残高)が4000万倍近くに増えました。

今400円のうどんが、昔は安かったと知らない人が多すぎ(明治は0.02円)。

日本を廃業しない限り、お金を無限に増やし続けるのが正しく、減らしたらだめ。

二つの行く末は?
貨幣のプール論 = 国がお金を発行せずに、国民は貧困に → 日本
管理通貨制度  = 国がお金を発行し続け、国民は裕福に → アメリカ、中国

政府がお金を出せば、経済成長するグラフ

中国も含めたグラフ

メンタリストDaiGo氏の事件を総括すると?

常識人も優生思想や選民思想を愛するのはなぜか。「貨幣のプール論」「財源論」など、税で国をまかなう勘違いで、現代の『T4作戦』へ向かいます。

教科書や報道番組、ネットで「お金は総量一定」と学び、皆がお金の争奪戦で殺し合いに至ります。自助や自己責任の強要と、弱者の淘汰を望む陰湿な風潮もそう。

メンタリストDaiGo氏への幅広い賛同は、国民が貨幣のプール論を習得したからです。

国民の選民思想を代弁した彼は、絶対に失脚しないはずで、日本の貧困化は続きます。

メンタリストDaiGo氏辛口【ホームレスの命は猫より軽い】財源論
メンタリストDaiGo氏が独自の優生思想を動画で展開して炎上した問題は、福祉の関係者の怒りとなっています。これが彼の独自見解にみえても、日本人の差別意識の基盤である構造を説明します。
生活保護の申請を追い返した職員の思い=優生思想と財源論
生活保護の申請者は、役所の窓口で追い返されることが多いという。これは全てが財源論に基づいた、間違った財政が続いていて、つまり日本国全体が貧困である原因と同一のしくじりなのです。
日本経済は何をすれば成長する?

貨幣のプール論の政策が、緊縮財政と消費税増税です。

世のお金をなくしていくことで、お金を使って失う悲しみを防ぐ国策です。

これを積極財政(財政拡大、財政出動)と消費税廃止へ逆転させれば、大金持ちの納税は小さくなり、貧困者の納税はゼロになります。

池の水と違い、市中のお金は政府が好きに増減できるからです。

だとしても、好きに減らし続けたらだめでしょ

貨幣のプール論をやめれば誰もが税が軽くなり、経済成長にまた戻ります。優生思想や選民思想はすたれ、人権侵害を嫌う日本国民にまた戻れます。
Photo: by Artem Militonían on Unsplash