爆発したレバノンのベイルートは、先進国の生活レベル
レバノンのような事故が、日本に起きる可能性のお話です。
昭和なら起きず、平成令和の財政健全化を目標にすると、日本でも起きる理屈です。
あの爆発はすごかった
2020年8月3日にレバノンのベイルート市で起きた大爆発は、港の倉庫にあった硝酸アンモニウム2750トンに引火したらしく。
倉庫の敷地である埠頭はクレーターとなり、緑の海水が入り込みました。隣の穀物サイロからは大量のトウモロコシ粒が流れ出てしまい、食料備蓄だったそうです。
最初の火災で駆けつけた男性消防士と女性救急医は、爆心にいて痕跡も消えました。
スマホ動画に入った爆発音がすさまじい
ミサイルの光跡やUFOを描き足したフェイクが増えると思い、最初のうちに動画を全てチェックしておきました。
多くの映像で市民は裕福な暮らしを満喫し、途上国には見えません。家はゆったりして、文明の利器もそろっています。大勢がスマートフォンを持ち、記録映像も多いのです。
キラキラした清潔な都市に見えるが
ネットニュースで複数の花嫁が印象的でした。結婚式イベントで撮影中に爆風と衝撃波が来て、花嫁は吹き倒されたり、上からビルの建材が降ってきたり。
花嫁の一人は医師らしく、医学部の入試で点数を下げられる災難がなかったのか、地位の高そうな人も多い首都です。
別の若い女性の動画で、ガラスが降ったらしく顔が縫い傷だらけでしたが、医療技術も先進的のようです。市内のあちこちが先進文明国の仕様になっています。
富裕層が集まってるのか?
日本から脱走してレバノンへ帰った、元ニッサン社CEOのカルロス・ゴーン氏も資産家だし、国内にお金は多いはずです。
なのにレバノン国は5カ月前の3月に財政破綻、デフォルトしてお金が底をつきました。ドル借金が返済不能です。
財政破綻がレバノンに起き、日本に起きない差は生産力
レバノンが超インフレぎみになり、借金を返せなくなったのは、生産力不足です。中東の戦争と1990年まで続いた内戦で、製造業など基幹産業が乏しいからです。
第二次世界大戦で工場が壊滅した時の日本と似て、レバノンはインフレになりやすい。
つまり、レバノンポンドの価値が下がりやすい。
そのメカニズムは?
国民が働けば国力が上がります。
普通はこう考えますね。
「働いて生んだお金から、税金が多く集まるから、国庫が太って余裕が出る」。
これは素人考えで、全く違うのです。
正しい解釈は?
ちょっと複雑です。だから理解者が少ないわけですが。
国民が働けば生産力が高まります。
生産力が高い国ほど、政府が通貨を多く発行できます。
そこはどういう理屈?
お金を多く所持した国民は買い物しますが、物やサービスが市場に多くあれば枯渇せず、お金が余って起きる通貨価値下落がないからです。
買う品物が多くある国ほど、お金を多く発行できます。発行したお金が余らないから。
国の資金力とは備蓄金ではなく、今から新たに追加発行できるお金を指します。
国産品が量と質とも充実すれば合格?
日本のスーパーのパンコーナーは、棚がパンで埋まっています。この状態があらゆる商品で続けば、国債発行をより多くできます。
もしパンの種類も量も少ないなら、品切れでレア化します。少ないパンを奪い合うように皆で求め、価格が上がりすぎます。お金の価値が下がりすぎます。
レバノンにもパンなら多くあると思うが
電器製品や家具や楽器も問われ、レバノンは食料の輸入率の高さが特に痛い。
国産品が少ないと外国から買う時に外貨が必要です。レバノンはEU国や日本からも多くの製品を買うために、ユーロや円を用意します。
外国のお金は支払い不能になる恐れがあり、それが超インフレの原因です。
その苦労は日本にはない?
日本は国産品が多いので、お金をいくら発行しても安全です。
だから日本政府は、日本円が支払い不能にならないのです。
自分が著作権も発行権も持つ円は、好きなように出し放題だからです。
政府がどのお金を使うかで全然違う?
レバノン政府が、他国通貨の日本円の負債を持てば、当然日本へ返します。
この時、自国通貨の為替が変動相場制だと、お金が市場原理の洗礼を受け、商品をたくさん輸入すれば、レバノンポンドがどんどん下がります。
そこで次善の策として固定相場制として、レート維持のために外貨建ての国債を発行するわけです。となると償還は外貨となり、返済不能が起きる確率がゼロより増えます。
日本はゼロなのに、レバノンはプラスになる。
レバノン政府は港が危険だと知っても、爆発物の移動費用を出しにくい。お金が惜しいからでなく、出せば値打ち打ちが下がるからためらうのです。
働いて納めた税金の多さが国力だと思いやすいが
関係ありません。税金は廃棄するお金ですから。
国力を決めるのは、国産品の量と質です。日本は最高級で、レバノンは最低級。
生産力を育て維持する愚直な道が、国力の安定を生む
「日本で作らなくても、安い製品が外国にあれば、それを買えば得でしょ」。
こうしたコスパ至上主義は危険です。
困った時に足元をみられそう
「売ってくれる代わりに、無理難題を頼まれるよ、参戦の誘いとか」。
「外交で衝突した時に兵糧攻めにされて、国民は飢え死にじゃんか」。
それ中二でもわかる話
日本はマスク製造なんか儲からないからと、中国からの輸入に頼っています。新型コロナウイルス騒動で日本はマスク不足になり、買い占めとぼったくり転売が起きました。
世界にマスクを寄付する栄誉も中国が得て、日本は寄付を受ける側。
日本が円の発行をやめ続けるとどうなる?
日本は、何とレバノン化します。
この23年の日本が経済成長しないのは、少子高齢化のせいではなく、お金を出せば破綻する都市伝説への信心のせいです。市販の偽書を信じ込んだ。
日本は「お金が2倍に増えれば価値は半分」とインフレのメカニズムを誤解し、生産力の毀損が原因だと知らず、レバノンに近づく悪化を進めている最中です。
日本のレバノン化は故意だとか?
1997年からの緊縮財政と消費税増税で、国民のお金をわざと減らしてきました。すると国民は貧困化して物を買わなくなり、工場が倒産や廃業します。
すると日本は製造業が乏しいレバノンに似て、輸入品に頼る弱い立場へ落ちます。
それ日本でもう起きてない?
経費をケチった末の爆発は、実は日本が先でした。原子力発電所。
フクシマ原発の爆発は、地震で原子炉が割れたのでなく、津波で冷却装置が流れたとされます。東海地震の津波を想定した補強計画がありながら、コストカットしました。
車の任意保険と似て、お金を惜しんで、危険を低く見積もる判断でした。
やっちゃった
日本は生産力があって、お金が用意できたのに、安全対策を怠り爆発。
レバノンは生産力がなくて、お金が用意できず、安全対策を怠り爆発。