【日本株が上がらない】長期投資家も短期トレーダーも知るべき現実

日経株価

東京証券取引所の、日本企業の株価が上がらない

2020年2月1日。コロナ勃発の号砲が、ダイアモンドプリンセス号の集団感染でした。

やがて各国で株価の底が抜け、何日間も連続して下落しました。

世界同時の株価大暴落、コロナショックね

売り枯れて底を打つと、反発して急上昇しました。上昇が何カ月も続いた最大の原因が、新規参入者でした。

コロナのロックダウンや事業自粛で、GDPは下落し、経済は衰退します。それを埋めるために、各国政府は自国通貨を追加発行し、国民に配りました。

国民は飢えやホームレス、自殺に至らず助かりましたが、お金に困っていない人は給付金の一部を株投資に回しました。買う人が増えても株価は上がります。

2020年はまるで株バブルだった

アフターコロナに景気が戻る見込みで、アメリカ株式のNYダウ、S&P500、NASDAQは上昇を続け、過去最高値(さいたかね)の更新続きです。

ところが日本株は、2021年2月の日経225株価3万円超以降、ゆるやかに下降中です。

日本株は、コロナ暴落前の低迷していた株価へ下がろうとしています。

この32年間、アメリカ株はトータルで右肩上がりし続け、日本株は横ばいです。

日米株価の差を、専門家はどう説明している?

株投資家の一番の指摘が「コロナワクチン接種が日本で遅れている」です。

他にも理由をあげています。

なお、日本株は7割ほどが海外からの売買なので、支配権は日本にありません。

・ 日本はコロナワクチン接種が遅れ、感染数も増加中
・ 米のコロナワクチン接種による好景気で、FRBの金融引き締め予告の影響
・ 米はインフレを受けて、金融緩和策の縮小、テーパリングを始める
・ 好景気で長期国債の金利を上げると、国債に買いが集まり株価は下がる
・ 東京オリンピックの反動がある
・ メジャーSQやマイナーSQの先物で、海外ファンドに相場を操縦される
・ 企業の好決算で株がむしろ売られるという、天井の低さが目立つ
・ 日経225の値嵩株(ねがさかぶ)の下降トレンドが足を引っ張っている
・ 個人投資家の信用買いが増えすぎて、慢性的に上値が重い
・ 自動車などの半導体需要と供給不足のアンバランスで、相場も不安定
・ 好景気と不景気の見通しが交錯し、原油価格が乱高下している
・ 香港や上海の株市場の低迷に、日本市場が最も影響を受けている
・ アフガニスタン政府崩壊で世界が不安定になる懸念が加わった
それらの指摘は正しいの?

一番大事な要因がやっぱり抜けていますね。

デフレ。

平成日本のデフレ不況を、やっぱり見落としている

日本株の弱さは、日本がデフレ不況だからです。

アメリカ(NYダウ平均) 日本(日経平均)
1989年 2753.20ドル(12月31日) 38957.44円(12月29日 史上最高値)
38915.87円(12月29日 終値)
2021年 35360.73ドル(8月31日) 28,089.54円(8月31日)
32年間で
何倍になった
12.84倍 0.7218倍

日米の株価比較グラフ

1997年の緊縮財政と消費税増税で、日本のみデフレスパイラルに入りました。

日本企業が強い頃と弱くなった今(色付きが日本企業)

・ 緊縮財政  = 国の財源である国庫短期証券の発行を減らし、貧困にする政策
・ 消費税増税 = 国民がすでに所持しているお金を、吐き出させて廃棄する政策

投資家は「企業は努力不足」と思っていますが、犯人は自国通貨を削減する政策です。

消費税増税が不況の主因

24年間の政治がわざと企業をつぶしたわけか

お金を干された国民は物を買わず、売れゆきが落ちた企業は業績不振になりました。

ソフトバンクグループや楽天の株価が低迷するのは、内需の庶民相手の商売だからです。庶民は緊縮財政と消費税増税で実質所得が減り続け、物やサービスを買い渋ります。

ソフトバンクグループは中国の成長株を買い、含み益で企業資産を上げる戦略へ転向。

輸出企業のみ好調なのは、好景気の外国では物やサービスが買われるからです。

投資家も知らされない日本の悲惨なランキング

投資家たちは日本の財政をどう思ってる?
・ 政府がお金を使えば、一万円札が減って底をつき破産する
・ 政府が発行する国債は借金となり、国民は払えず国は破綻
・ 政府がお金を発行すれば、ハイパーインフレで円は紙くず
日本財政破綻論のまんま!

真っ赤な嘘を信じて、「財政健全化が必要だ」言い出す投資家も多い。

財政健全化が、二次大戦に由来するジェノサイドだと知らないから。

記事→ 日本財政破綻論とは

投資家はインフレを嫌ってるが?

アメリカのインフレをみて、日本もインフレだと警戒する人が多いのです。

インフレ好況が続くと、中央銀行は長期金利を上げます。すると大口機関投資家は投資先を株から国債へ移し、株が大量に売られ(ヘッジ)、株価が一時的であれ急落します。

だから株投資家は、インフレを有害とみています。

インフレこそが経済成長する条件なのに、投資家はデフレを愛してしまう。

日本だけがデフレだとの認識もない?

自分にお金が入るうちは、今が好景気だと誤認します。

経済が過熱し富裕で金余りなのは、アメリカなど先進国です。日本は長年不景気で、国民経済は凍りつき金欠です。

たとえるなら、アメリカは真夏で熱中症、日本は真冬で凍傷。アメリカが冷却作戦へ進むからといって、日本は今からお金をばらまかないと凍傷のままです。

投資家に限らず日本人の怖がり方は、インフレとデフレがあべこべです。

投資家の頭の中も財源論か?

打ち出の小づちを政府が持つ管理通貨制度の時代だとは、投資家も知らないのです。

記事→ 財源論とは

特別定額給付金や持続化給付金は、自分たちの税金だとまるで勘違いしています。

記事→ 管理通貨制度とは

「ワクチン接種で日本も元の好景気に戻る」という、不合理な意見も投資家に多い。

コロナ前に戻ってどうする?

ところで、株価が上がり続けるアメリカは正常なの?

物価がじりじり無限に上がれば、正常進化です。

昔の屋台で一杯1円のうどんが、今400円になった現象と同じです。

1000円うどんが増える頃は、平均株価はもっと高いはず。

日本の株価は何をやれば、過去最高値へ向かう?

政府が消費税を廃止し、積極財政に転じる以外に何があるのでしょう。

政府が通貨をばらまくだけの話

国民にお金をドサッと渡せば、企業製品は売れ出し、画期的な新製品も生まれます。

トランプ、バイデン大統領ともドルをばらまき、インフレ好況に戻しました。

記事→ ウォール街のトレーダーも知識がない現代の財政手法

日本株がアメリカ株に負ける理由は、国の緊縮財政と消費税増税です。アメリカはインフレ好況で株を持てば儲かり、日本はデフレ不況で損します。
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