日本が貧困化した原因は、お金の機能の間違い解釈
特別定額給付金や持続化給付金への、悪口は多い。
給付に反対する動機は、こう想像されるかも知れません。
上手に生きてきた人は、生き方が下手な人が苦しむのを喜ぶ、という指摘です。
実際の動機は、そんな気休めよりも、実利面でしょう。
もろに財源論か?
日本の経済学者の大半は、政府が100億円を発行した時は、国民に100億円を払わせる、という嘘を信じています。
政府が国民に肉料理を出す時に、国民の体から切り取った人肉を使う勘違いです。
この考え方だと、国民はいくら食べても成長しません。
管理通貨制度と金本位制で、世界は二分されている
世界の財政は、二つに分かれています。
「管理通貨制度+信用貨幣」と「金本位制+実物貨幣」の分断です。
単語を知らない人も多そう
現代の世界の国家財政は、次の組み合わせです。
・ 信用貨幣 = お金の意味は、金額の貸借関係を示す借用証書である
しかし過去の西洋は、次の組み合わせでした。
・ 実物貨幣 = お金の意味は、レアなゴールドの代用品とした宝物である
二つの違いは?
管理通貨制度+信用貨幣 | 金本位制+実物貨幣 | |
お金の流れ | 政府がお金を用意し 国民へ供給する |
国民がお金を用意し 政府へ供給する |
お金とは何か | 借用証書、ソフトウェア | 財宝、ハードウェア |
政府がお金に託す意向 | お金はただのチケットだ 使って国をつくろう 楽しく出費拡大 |
お金は貴重な資源だ 使わず温存しよう 身を切る出費削減 |
財政の方向性 | 積極財政、富裕化 | 緊縮財政、貧困化 |
お金はいつ生まれる | 人が銀行から借りた時 | 人が働いた時 |
お金の由来はどこ | 政府の著作発行権 | 金銀銅 |
お金の管理者は誰 | 政府 | 市場 |
国の財源は何 | 自国通貨の発行 | 国民が働いたお金 |
徴税の主な目的 | 余剰通貨を廃棄する | 国の財源を確保する |
国を強化する方法 | 無限に通貨発行する | 無限に増税する |
その上限の制約は何 | インフレ率2から4パーセント | 国民の年間自殺数 |
国の予算は最大で | 税収より必ず大きい | 税収に等しい |
お金の最大量は何で決まる | 国産の商品の量と質 商品を増産すれば上方修正 |
国にある金の延べ棒 金を採掘すれば上方修正 |
国の予算1兆円のコスト なぜそうなる |
無料 自主発行するから |
1兆円 他国から借りるから |
景気はなぜ上がる 超好景気はなぜ起きる |
政府がお金を発行するから 企業の銀行融資が多いから |
皆がまじめに働くから 皆が死ぬほど働くから |
景気はなぜ下がる デフレ不況はなぜ起きる |
政府がお金を削減するから 政府がお金を削減しすぎ |
皆が仕事をさぼるから 皆が仕事をさぼりすぎ |
国民と社会はどうなる | 所得増で物が売れる 多子化と人口増 国力と国際地位アップ |
所得減で物が売れない 少子化と人口減 国力と国際地位ダウン |
国民同士は何を始める | 生命を助け合う | お金を奪い合う |
国民の人生観はどうなる | 人生を楽しもう 個性と付加価値バンザイ 皆で力を合わせよう 協力社会 博愛思想 互助思想 |
無駄をなくそう 自助と自己責任バンザイ 一人で生きていこう 競争社会 優生思想 選民思想 |
コロナ給付金に何を思う | 各界にばらまきGDPを増やせ 全員が助かり経済が持ち直す 消費税廃止を給付と併用せよ あり余る者だけ所得税で回収 |
国のお金は底をついて 財政破綻し円は紙くず 水商売や外人に出すな 大増税して金庫に戻せ |
他人がお金を儲けると | 儲けが市場に回り僕も儲かる | その分僕の儲けが減る |
ゲームにたとえると | 倍々ゲーム | イス取りゲーム |
貧困者が亡くなると | 国の人口が減って悲しむ | 国の支出が減って喜ぶ |
どの国が採用している | 全ての国(日本を除く) | 日本 |
金本位制から管理通貨制度へ、切り替えたのはいつ?
管理通貨制度への切り替えは、今から90年ほど前でした。
1929年にニューヨークのウォール街の株が暴落して、世界が超デフレ不況となり、死者が大勢出た事件でした。
この世界大恐慌は、第一次世界大戦の賠償で貧困化していたドイツで、ヒトラーが第二次世界大戦でリベンジする火ダネとなりました。
世界大恐慌を1930年代にどう解決した?
ニューディール政策でした。
政府がゴールドの量を超えて、紙幣を刷ってばらまきました。公共投資を含みます。
すると国民の飢え死にも、企業倒産も減りました。この理屈どおりが表の面でした。
通貨発行の上限はゴールドやシルバーの量と関係ないと、人類は悟りました。
日本の高橋是清(これきよ)はアメリカより先に円を刷ってばらまき、日本は先にデフレから脱しました。
同じ作業を2020年2月からのコロナ禍で、トランプ+バイデン大統領がやっています。中国はコロナ前からお金を増刷し、日本の尖閣諸島を攻めるコストも国債発行です。
そこに話がつながるのか
しかし財政技術の完全な交替は遅れ、二次大戦は起きました。
1971年のニクソンショック(ドルショック)で「ドル札を純金と交換する確約の破棄」が、新たな分岐点でした。
1973年に施行、世界は管理通貨制度+信用貨幣へ完全移行しました。
改めてお金の物理量を無制限にした理由は?
オートメーションの増産です。車を溶接するロボットが象徴します。
国産品が量産できれば、国民にお金を多くばらまいても、商品が売り切れません。
商品がじゃぶじゃぶなら、お金がじゃぶじゃぶでも釣り合う、当たり前の話です。
対して、貴金属が貨幣量を決めると、口に入る量しか弁当を作らない不合理です。
実物貨幣論だと、大勢が飢えます。
日本だけが飢える方式を続けてるわけ?
それが緊縮財政と消費税増税です。
日本国民は、福祉の切り捨てを好みます。福祉の名目で増税したのに、あべこべ。
全員死ぬまでやめないつもり?
1945年夏に、放射線を二度あびるまで突き進んだ、あれと同じ国民の意地です。
なぜ日本だけが中世の貨幣観なの?
教科書に、あべこべの嘘が書いてあるからです。
税金は財源でないのに、財源だと嘘の記述です。
日本だけが怒涛の勢いで、階段を転げ落ちるように貧困化しました。