なぜ民営化すれば貧困化する:国鉄と郵便で失敗続き

桜鉄道

国営だと金持ちになり、民営だと貧乏になるのはなぜ

企業を国営にすれば、国が経済成長し、国民が裕福になります。

国営企業の経費は政府の通貨発行なので、順調に世にお金が増え経済成長する
国営企業が経済成長する話なの?

違うのです。民業全体が成長します。全体が。

車や家電メーカー、ラーメン店や漁民やオペラ歌手など、国営でない全てが繁盛します。

じゃ逆に民営化すると、みんなが貧困化する?

当然です。現になっている。

車や家電、ラーメン店や漁民やオペラ歌手、全ての所得が減ります。

・ 国営 = 運営費は政府が出す → 通貨発行するから、世のお金の総量が増える
・ 民営 = 運営費は企業が出す → 発行済み通貨を移動し、世のお金は増えない

国営企業のお金が増える話ではなく、「世のお金」が増える話です。民間のお金が。

それで国営企業が多い昭和に、ジャパン・アズ・ナンバーワンか?

親方日の丸が多いほど、日の丸親方が国内に通貨を供給し、民間の所得が増えます。

国鉄と郵政民営化に、国民は今もだまされたまま

「国鉄の赤字17兆円」は、国民をだますスローガンでした。

「赤字をなくそう」のダマシに、国民は引っかかりました。

国の赤字17兆の本当の意味は?

明治大正昭和に、17兆が国民のサイフに送り込まれました。富裕化。

その赤字17兆を清算してゼロにした意味は?

平成に、国民のサイフから17兆を回収して捨てました。貧困化。

でも国鉄職員は怠慢で、労組はストばかりだったが?

くわえたばこに長髪で横柄な駅員など、散々でした。駅トイレの汚さも。

解決は民営化ではなく、苦情の窓口の出番です。情報時代の利です。

なぜ国鉄のトイレは汚かった?

17兆を恐れる心理で、清掃コストを節約したからです。

「貨幣のプール論」で17兆を悪と思っているから、今も国鉄民営化バンザイの勘違い。失われた30年の原因が節約だと理解すれば、労組つぶしのメリットは言わなくなる。

記事→ 貨幣のプール論とは何か

税金は財源でないのに、財源だと勘違いして国鉄をつぶしたわけです。

2022年後半に、地方鉄道の廃線基準を出したけど

だから今も、失われた30年が健在ですね。

一方の郵政民営化は、だまされたと批判されてるが?

もう露骨でした。国民が獲得したもの。

郵便局の削減、はがきと封書とゆうパックの値上げ、ATM回数制限、硬貨有料化、トークンへ課金、年賀状の縮小と廃止検討、ポスト集配削減、土曜配達中止、昼の窓口閉鎖、デリバティブで資産流出と不良債権、保険の不正勧誘事件、株価の低落

小包が値下げになるからと期待した国民は、値上げにあぜん。

しかもゆうちょ300兆円が、貯金でなく預金となり、ペイオフで戻らないのです。

そのうち経営破綻がささやかれ、外資が買収する話へと進みそう。その作戦です。

民営化してはだめな事業を、正しく理解しよう

現代国は、国営企業が国力に寄与します。通貨発行権が伴うからです。

だから、全てを民営化した途上国は劇的に貧困化し、冗談抜きで遺体の山でした。

遺体の山を競う国たち

国営にすべき分野と、だめな分野がある?

ラーメン店は黒字にしやすいから、民営が向きます。味自慢で儲かるし、文化的な発展も期待できます。地域色を出して工夫して。冷麺とかも。

家電メーカーも民営が向きます。漁民やオペラ歌手も。

国営、県営、市営、公営にすべきは何?

万人に必要で、採算が合わない分野です。好例がインフラの、特に土木系。

官庁、県庁、市役所、裁判所、道路、高速道路、鉄道、電気、ガス、水道、郵便、インターネット、全銀システム、クレジット網、マイナンバー、健康保険、年金、主食の栽培、食品の品種改良、植物種子の保存、エネルギーや医療などの研究所、国立公園、国定公園、国立病院、国立大学、歌舞伎劇場、オペラハウス
鉄道が赤字確実なら、なぜ私鉄がある?

サービスのアイデアを競わせ、横の協力で補完し、街づくりするメリットです。

列車だけだと赤字なので、駅ビル百貨店やターミナル開発、ホテル運営などをセットに、多角経営してもらい特典や優遇措置を政府が与えます。交換条件です。

列車運賃は安くして赤字にして、テナントビルで黒字にして、プロ野球も。1980年代に大成功。「交通の便」は国力に直結するから、政府が通貨発行して補助すればベスト。

近年問題の「開かずの踏切」は、誰が払う?

高架工事は通貨発行した公金投入がぴったり。公共性が高く、改善効果が絶大。

高架工事を国費で払えば、世のお金の総量が増えて、国民のサイフは厚くなる
インフラは赤字経営でもいいわけか?

逆です。赤字を増やさないとだめ。黒字だと国民所得が失われて死にます。

まだわかっていない人が多い。「大事な工事には、国の大事なお金を使ってよい」という話ではありません。その考えの人は、根本から認識が逆さまです。

国がお金を使えば、どんな工事であれ、お金を発行して支払うから、国民のサイフは厚くなるのです。皆の銀行預金が減るのでなく、増える。

国の無駄もある程度は許そうという話ではなく、無駄が多いほど富裕化する話

だから赤字ローカル線を廃止すると、みるみる貧困化しました。理解できていますか。

理解できないからこうでしょ

「大切な分野にはちゃんとお金を出そうよ」は、焦点が理解できていない人の言い方。

それで国営企業が多い昭和に、ジャパン・アズ・ナンバーワンか?

日本に以下のサービスがあった時代に、経済成長が大きかった。

ローカル線、電電公社、大規模年金保養基地、厚生年金ホール、ユースホステル、日本育英会、各種公益法人、わけのわからん外郭団体、どうでもいい天下り法人、補助金づけ、手厚い保護策、高齢者の診療費タダ、高齢者の交通費無料、族議員、議員の無料パス、豪華庁舎、箱物行政、土建立国、県住市住、住宅都市整備公団

廃止や民営化、独立行政法人化で行政をスリム化するに従い、階段から転げ落ちるように貧困化しました。大勢が首を吊り、線路に身を投げ。特に女性。それ、当たり前すぎ。

なるほど、線路に身を投げないように廃線にするわけね

・・・

記事→ 長いトンネルの中にいる女性たち

アメリカやフランスの国策は、民営企業への巨額の公的資金です。農業にも膨大な補助金を送り、食の安全を確保し、他国の支配や侵略も防ぎます。
Photo: by KOTA HAMORI on Unsplash