GAFAのような世界的IT企業がなぜ日本に生まれないのか

GAFA

GAFA並みの世界的IT企業が、日本で育たなかった謎

GAFA(ガーファ)とは、Google、Apple、Facebook、Amazonです。

インターネット時代の4強で、企業資産の時価総額が大きい。

Microsoftがありません。

マイクロソフトはパソコンOSで世界を席巻した後、ネット時代には新興ベンチャー企業に遅れがちでした。

GAFAはそんなに強い?

マイクロソフトのネット検索エンジンMSNは、Googleほど普及せずに廃止されています(今はMicrosoft Bingが成功しつつある)。一握りの天才たちの結果論です。

GAFAは全てアメリカ企業です。プログラミング言語は英語だから、有利なのは確か。

IT技術の開発には、初期投資のコストが膨大にかかる

この問題は、すでに答を出していました。

アメリカは、好景気でインフレ好況です。日本は不景気のデフレ不況です。

先進技術は、インフレ好況の国で生まれ、デフレ不況の国では生まれない

当たり前の話です。

30年で開いた差(色付きが日本企業、世界一は日本のこの会社)

日本の一人負け?

ネット時代の起点は、1995年のマイクロソフト社の新OS、Windows 95でした。

1998年から世界でインターネット時代が本格化し。しかし日本だけがそのタイミングで世界で唯一、ガクンと貧困化したのです。

なぜ日本は貧困化した?

1997年4月1日に緊縮財政と、消費税増税5パーセントに上げたからです。

日本政府は1997年から通貨削減を始め、ITに投資するカネが国内から消えた

ゼロシーリング、マイナスシーリングの語をご存知でしょうか。

日本のITが、アメリカ、中国、台湾、韓国に負ける理由は、IT業者のレベルの低さではなく、円を減らされ干されたからです。

要はプログラムを組むカネを没収された?

ITイノベーションの研究開発費と、IT製品を買う庶民のお金も減らされました。

製品が売れないから開発は中止、特許も国際貢献も科学分野の受賞も減ります。

消費税増税が不況の主因となぜわかる

1998年は携帯電話の普及し始めでした。光通信がなく固定電話の銅線にモデム接続したネット時代幕開けは、決定的に大事な時期でした。

よりにもよってその時、お金のばらまきとは逆の回収を始めました。通貨削減です。高い山に登る直前に、アメリカは腹いっぱい食べ、日本は断食して下剤も飲んだ。

で、インパク、インターネット博覧会を開いて、ネットに皆で触れようと促しましたね。インパク開始の翌日が、2001年元日、21世紀の第一日目でした。

大企業の社員もリストラされダンボールで寝る路上生活の頃、インパク体験者はわずか。

ミニマルライフや断捨離ブームだったし

「物余りの飽食時代に、物質的な幸せに否定的な若者の新しい生き方」とでたらめ報道。

それも嘘か?

物余りはデフレ不況の表れです。買うお金が足りないから、市場で商品がだぶつく。

物が買えない貧困を、「文明と距離を置く若者の新哲学」としたフェイク報道です。

報道はこう言うべきでした。

「今デフレに変えたら、デジタルオンチで世界から取り残されます」。

「役所作業のデジタル化も遅れ、人海戦術の時代から出られません」。

記事→ ネットが日本の景気を上げたか下げたか

評論家やカリスマたちは、日本人の性格批判に終始

「日本人は個性嫌い、冒険や挑戦に背を向け、出る杭を打ち、足を引っ張り合い、縦社会の横並びで、年功序列が抜けず、陰湿ないじめとブラックに、老害もひどいから」。

「だから斬新な技術が生まれない」式の批判は、日本の成功者が大好きですね。

労働の質が低いナマケモノ説も耳タコ

あげつらった日本の欠点は、デフレ不況で起きた「貧すれば鈍する」です。

日本人の性格の悪さは、貧乏に落とされた後で生じた順序でした。貧困化が先に起きて、沈んだ空気の中で日本人は腐ったわけです。

時系列の前後関係があべこべ?

好景気の頃の日本には、話のわかる上司とよく動く部下が、そこかしこにいました。社員らはアイデアと個性を競い、画期的な製品を世界へ輸出して好評でした。

国策で不当に貧困に落とされた結果、ケチで意地汚い性格に変化したのです。

路上テロや大量殺人で死刑判決が出た者さえ、政策が他国と同様の積極財政と減税なら、普通の暮らしで楽しくやれました。生まれつきの極悪人ではなかったのに。

しかもカリスマ論者たちは、お金は働けば増えると誤解しています。

ほう?

「お金を増やしたいなら働け」って。国家財政では、お金は印刷して増やします。

現代の財政は「管理通貨制度」と呼び、お金を政府が発行し国民に与えます。直接の給料でなく、国土整備で与えます。政府がお金でインフラを買います。

政府がインフラを買うってどういうこと?

アメリカは高速道路が無料です。連邦準備銀行がドルをじゃんじゃん刷って建造します。国民の所得からさらに減るお金に、高速料金はありませんよね。

マイカー族や社用車や、トラック野郎や観光バスの高速料金を、政府がおごっています。景気を常に底上げするために、ドルを国民にばらまいています。

ドイツのアウトバーンも政府のばらまきです。

高速料金がタダの国内業界が、国際競争に勝つのです。通るたびに、高速料金をがっぽり払わされ、払う機器も買わされる日本人は、世界を相手に不利です。

記事→ 高速道路の無料化はなぜできる?

IT業界のインフラコストも、中央政府の打ち出の小づちで払うのが正解です。

アメリカIT業で具体例は?

グーグルマップです。

低高度を回る軍事衛星の技術で撮影した地球全域の写真を利用する契約にも、政府支出がもぐり込んでいます。世界の有名ブランドは、公的資金で優遇も受けています。

新自由主義を欧米は建前にして、国内事業を保護してきたのに、日本だけ保護の放棄をバラ色と誤認し、国を壊してきました。

護送船団方式を日本は捨て、海外は取り入れたすれ違いは知られますね。護送船団方式とは、政府と大企業とメインバンクと系列会社がグルになるビジネス手法です。

欧米は実は補助金だらけ?

欧米が仕掛けた市場原理主義を日本は真に受け、極端に「小さな政府」を目指しました。規制緩和と構造改革で業界を荒廃させ、せっせと倒産を増やしたのです。

欧米では国が民間のすそ野にお金をばらまいています。好例が、欧米の農業保護と公務員の多さです。日本だけ、公務員が目立って少ないと知っていますか。

政府がお金をばらまく国は、民間の給料が上がる、これが現代の成長戦略です。

1997年に何をすればよかった?

消費税3パーを0に下げれば正解でした。ところが逆走しました。

でも、国の財源が苦しいらしいから

その宗教。税金は財源でないと、アメリカは知っています。日本は知らない。

記事→ 国税の役目を知らないと、1ミリも理解できない

記事→ 消費税の役目を知らないと、1センチも理解できない

国の財源は国債発行で、国が払うとお金が増えるわけか

消費税増税で、地方の本屋さんやCD屋さんも激減し、今度は電子ブック化に通貨削減が影を落としました。

Amazonが登録無料の電子ブック製造販売店Kindleを運営するまで、日本では登録手数料5万2千円を著作者が払うビジネスモデルで失敗しました。

5万2千円かかるIT部分を、政府出資でイノベーションすれば互角なのに、のがした。

「自由で柔軟な発想力」が、アメリカITの勝因だと思ってた

勝因は、米政府が発行してばらまくお金の多さです。

・ ハイテクなどの技術革新は、公金で支えたが勝ち
・ 公金とは税金でなく、自国通貨の国債発行である

WEBのW3Cはマサチューセッツ州、ドメインのICANNはカリフォルニア州。

ITのシリコンバレーには、アメリカ政府が軍事予算を投入しています。

インターネット自体が、米国防総省とCIAの連絡網を流用していますね。

それ聞いたことある

国費投入がイノベーションの秘訣です。国債発行が成長戦略。

アメリカの奥義は政府出資です。民営では滅ぶと知っている。

奥義を知った中国政府はスマホやルーターに出資して、人民解放軍出身の知的技術集団、ファーウェイ社を成功させました。

EU国が中国に弱腰なのは、EUの方針も緊縮財政と増税で逆走して、お金不足だから。

米政府と中国政府は「税金は国の財源でない」と知っていて、逆走せずに積極財政で減税です。大量印刷したお金の効力が、月着陸というわけ。

時代について行けない無能ばかりが国内にやたら目立つのは、時代について行くのに必要な日本円を、1997年から国策で減らし続けてきたからです。
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