原価厨は貧困化によって生まれる心理なのか
原価厨の「厨」は、中二病というような言い方と同じで、原理を主義として物ごとを割り切って「僕って正論がわかる人です」をアピールする意味です。
原価厨の思想は、次の原理です。
「ラーメン店の商品の中味の麺は、スーパーなら20円台だ。他の具を合わせても100円にもならない。それを400円につり上げる悪徳商法を糾弾すべき」。
思想だけでなく、行動を起こす人がいますね。
誰もマジレスしないし
そんな発想に対して、真面目に説き伏せる人は少ないでしょう。原材料をかじるわけでもなし、調理器具や人件費やテーブルとイスや冷暖房も含め、400円では安いほどです。
現に日本の外食産業は世界的に法外に安く、欧米やアジアから来日した人から安さに驚く声があがります。どの国も外食産業は高いのです。日本の2倍や3倍の値段。
中国の友人に聞くと、母国では企業の社員は昼休みに帰り、昼食は家が普通だそう。
原価厨は無銭飲食願望?
クレーマーの一種といえる原価厨が増えた背景も、平成日本のデフレ不況と貧困化です。支払いを免れる口実探しの社会背景は、いつだって貧困化です。所持金の減少です。
できれば踏み倒して逃げたい気持ち。曲解した「お客様は神様だ」心理の突出へ向かい、一部は原価厨へ向かうのでしょうか。
モンスタークレーマーが台頭したのは、1999年でした。
キャンピングカーは費用対効果がない、という声の急増
ネット掲示板に時々出てくるマイナーな話題のひとつに、キャンピングカーがあります。キャンピングカーには根強い人気があり、近所で不況下でも続く店が気になります。
キャンピングカーは種類が多く、ハイエースやキャラバンなどワンボックスカーのルーフを高くして簡易ベッドを入れたタイプ。また貨物トラックの荷台を、居住用のボックスに換装した最多のタイプ。そして自走せず、SUV車で牽引するタイプもあります。
理想の逸品はアメリカ製フォード社のトラックをキャンピング仕様にした大型乗用車で、マイクロバスのような規模になっています。あこがれの理由に、6800ccガソリンか、7700ccディーゼルエンジンで、登り坂も快適な点もあります。
ところでキャンピングカーは、ネットですぐに論争になるのです。
コストが高すぎ
キャンピングカーでなく普通の乗用車で行き、旅館に泊まればよく寝られるし、低コストになるという意見です。一回の旅費は少ない方がいいという、コスパ重視です。
「こんなにコスト高の車を買う人は、きっと頭が悪いね」と。
この言い方に同調する人が多いのは、日本がデフレ不況で貧困化しているからです。
貧困になると、趣味性の高い商品が嫌われ、実用性への執着が強まります。
キャンピングカーで旅行する最大の目的は、キャンピングカーを使うことです。主導権を自分だけが持つ旅なのです。
どこに泊まるかを事前に決めて、旅館に予約を入れる旅とは違います。何月何日に何をするか、出発時刻も決めない旅です。時間に縛られない自由度の高い体験になります。
コスパで人生設計する、縮み志向のデフレマインド
キャンピングカーを所有し旅することが、いかに無駄が多いかを説いて否定する、背景にある現実はお金に困った生活苦です。お金は使うと減る。使わないと残るから助かるという苦境が、人の性格をケチにします。
1円も使わない人が一番金持ちになれる式の、サバイバル思考というか。
現実には、キャンピングカーのユーザーが多いほど、暮らしにゆとりが大きい裕福な国になっています。そんな国には、キャンピングカー専用のキャンプ場が用意されています。日本にその整備はなく、一度も先進国並みの裕福を獲得していない国情がわかります。
ところが日本でも、近年キャンピングカーの需要が高まるきざしがあります。
何が起きた?
路上生活です。家賃が払えずに住居を失った人が、家より安い車で生活するようになり、ベッドが欲しくてキャンピング仕様に改造する流れです。
貧困化でキャンピングカーの需要が増える、困ったトレンドです。