ドル高・円安は、アメリカと日本の何が違うから?
1ドルが何円にあたるかが「ドル/円」です。
二国のお金の価値の高い低いは、二国の経済力に従うのです。
その経済力とは何を意味する?
次の状態なら経済力は上昇中です。
2.企業売上が増加中 = 金満の国民が物やサービスを買い、企業が潤っている
3.GDPが連続増加中 = 国や企業や国民が出費して、GDPが上がり続けている
4.インフレ率が高め = 良性のデマンドプル型インフレ率の適切な上昇が続く
アメリカは全て満たし、日本は全滅。
なぜアメリカは好況で、日本は不況か
まず『Windows95』の発売以降、アメリカはシリコンバレーに軍事予算をばらまいて、ドルを増やしました。当然ばらまくお金は(デジタルで)新しく刷り足します。
アメリカ | 日本 | |
財政はどちら | 積極財政と減税 | 緊縮財政と消費税増税 |
お金をどうした | どんどん増やした | どんどん減らした |
政府は何をやった | ドルをばらまき続けた | 円をばらまき徹底拒否 |
国の無駄は | 国の無駄を増長した | 国の無駄を削減した |
国民のふところは | 所得増で富裕化 | 所得減で貧困化 |
消費の動向は | 消費ブーム | 節約ブーム |
冷戦後の努力は | アメリカを取り戻そう | 日本らしさを捨てよう |
してその結果は | 成長した30年 | 失われた30年 |
通貨の価値は | ドル高になった | 円安になった |
通貨の金利は | 金利上昇 | ゼロ金利 |
当然の差であり、疑問はわきません。
2022年の春から、円安が一段とひどいのはなぜ
コロナ以降はアメリカも景気が落ち、デマンドプル型インフレが0.1%に下がりました。そこでトランプ大統領は減税し、ドルを特別多くばらまきました。
その後IMFも「各国は通貨を最大限発行せよ」と、全世界に向けて勧告しました。
バイデン大統領もばらまき続け、デマンドプル型インフレが2.6%に上がりました。
日本だけはコロナ後もばらまき拒否が激しかった
ばらまきを渋ったアベノマスク氏が多少ばらまき、次の総理以降はばらまき拒否。
貧困自殺を増やすこの政策に対し、日銀は人命を守る方向で超低金利を続けます。
当時2021年春頃は、それほど円安でなかったが
新型コロナ後半に、各国は行動制限を解除しました。イベント解禁など商業再開です。
すると景気が上がるから、金利を上げて釣り合わせます。
アメリカは多くばらまき、金利上げも目立ち、日本との差が拡大したドル高現象です。
なぜアメリカはドルを多めにばらまいた?
中国との戦いに勝つため。中国はコロナ前からニュータウン建設でも人民元をばらまき、経済成長が飛躍的です。
増えた人民元を円に換えた中国人が、北海道や京都の土地建物を安く買い叩きます。
もうひとつはロシアウクライナ戦争で、ウクライナ支援の金額だけアメリカ国内は景気が上がるから、デマンドプル型インフレが下がりにくい現象も隠れ理由でしょう。
アメリカFRBは金利を上げるが、日銀はなぜ上げない
アメリカは好況で、日本は不況だからです。
・ 金利は各国の中央銀行が手動で決め、行員の頭で判断し決断する
・ 金利を上げると景気を冷やすことができ、下げると景気を温める
・ 高い金利の効能は、民間融資が抑制され、お金が増えにくくなる
・ 長期金利の高さは、今年より来年の景気がよい見込みを意味する
金利とは、国の経済成長ぶりに対して与えられる、成績ともいえます。
次の順序で金利を上げるのです。
不景気の時は金利を下げないと、成り立たないわけね
「世界にならい日銀も金利を上げろ」は「成績を高く書き換えろ」と言う無茶です。
他の生徒より低すぎるから、4か5に書き換えろと要求 ← 利上げしろの声がこれ
5をつけない教師のせいで、生徒は試験の点が伸びないのだという論法。
日本の経済論者や名誉教授たちも、その意味で日銀を批判しています。
皆が金利を理解しないのはなぜ?
管理通貨制度を無視して、金本位制、財源論、貨幣のプール論が信条だからです。税金は財源でないのに財源扱いすれば、無限に増税が必要で、経済成長が絶対に起きません。
多くの日本人は、お金を倍増させれば、価値が半減する思考です。ほとんど宗教。
ではアメリカがドルをばらまけば、何が起きたか。ドル安でなくドル高になりましたね。それで論者や名誉教授たちは、現実を説明できずにいます。
説明できない部分は黙るか、嘘を重ねるかに終始。
日本で経済に関して、通説が20個出てくれば、20個とも嘘です。