料亭の食材使い回しと鳥インフルエンザ事件も原因は同じ

和食文化

平成に多発した、食品会社や高級料亭の食材使い回し

平成の数々の事件に、日本のデフレ不況の貧困化が招いた、人命の消失が目立ちました。1997年の消費税増税の翌年に自殺率が上がり、また過労死の多さも目立ったのです。

昭和の過労死は、未来に期待がある中で体力の限界の面が強かったのです。それに対して平成の過労死は、未来なき暗い気持ちというメンタルの崩壊が前面に出てきました。

心身はつながっているから、気落ちすると心臓が止まりやすいらしくて。

その結果が、うつ病の激増です。うつ病は抑圧で起きやすいのです。ネットに「うつ病は単なる甘え」と書いて回る工作が増えましたね。これは、国民を抑圧したい立場が増えている証明ですよー。

忘れかけているあの連続事件

平成の悲しい事件のひとつが、食品会社や料亭などの「食材使い回し」でした。

前からあった説もありますが、経費削減、コストカットで、あらゆる選択肢を排除しない平成の経済縮小ですね。家庭の感覚で、食べ物を節約したわけです。

家庭のように国も節約しろと言いたげで

高級料亭さえ貧困化の渦中にあるわけです。大衆食堂に限らず。

トップたちはおそらく従業員をクビにしたくなくて、材料費を浮かせる経費削減を始めたのだと想像できます。中小企業の大半は、不景気でも雇用維持を考える習性なのです。

記者会見のぎこちない会社トップを責めて、デフレ不況の社会抑圧のはけ口にした、後味の悪い事件でした。国民が没落するあわれな光景なのに、皆でおもしろがっていて。日本の途上国化が急進したイメージでしたね。

前後して起きた、容疑者が海外の人だった毒入りギョーザ事件に対してトーンダウンしました。日本もいっしょだという空気が広がったからです。

日本人が自信を喪失して、未来を悲観する事件でした。

鳥インフルエンザ感染の報告が遅れた、鶏農場の事件

大規模な鶏農場で鳥インフルエンザが発症していたのに、保健所への届け出が遅れて騒ぎになったあれです。ニュース報道が内部事情に切り込む中、農場のトップは追い込まれて自殺しました。

あれも日本の経費削減自己責任で、人間否定が起きた危機でした。家畜が感染症にかかるかは不可抗力で、自己責任で通されては浮かばれません。

狂牛病とか色々あった

食料安全が徹底しない理由も、国の経費削減です。

食肉業検疫保険など廉価な互助と財政出動があれば、申告は早かったでしょう。アメリカやフランスは食料企業に手厚いから、日本の自己責任感覚はやばいんですよ。

公が助けないことが国際化や公正さだと考える日本の風潮です。ドライなはずの欧米の方が食料産業に手厚く念入りで、日本みたいに投げやり同然ではないしー。

不正しなけりゃ破産して死ぬし、不正したら引責して死ぬしと、各種産業は追い込まれています。国民がお金を失いゆく政策が原因なのに、モラル問題へ話を小さくして共食いさせられる印象が残りました。国民の分断。

政界のお友だちになれずに?

国内の食肉業は輸出産業でもないから、レントシーキングで行政を抱き込む力はないでしょう。大手食品会社も、弱者として切り捨てられた感が残ります。

「グローバル化は楽園だ、国内企業をどんどん淘汰して減らせ減らせ、日本も北欧みたいにコンパクトにせよ」なんて喜んで、それは死の行進です。

企業が減るほど、国内の供給力が減るから、発行できる貨幣量の上限が下がります。国力低下で他国に食われる意味です。これ、評論家もよく知らないみたいです。

リチウムボタン電池も廃棄しにくい、家電サービス後退

大きい家電ショップも青息吐息とわかりました。

前に、ボタン型のリチウム電池を大型電器店へ捨てに行くと、回収はやっていないと言われました。この規模の店なのにって感じ。「今回はこちらで廃棄しておきます」と温情の対応だったのですが。

プリンターインクや電池などの廃棄物回収ボックスを並べた、平成初旬の光景は消えています。お金にならず逆に出ていく付帯サービスを、大手販売店も続かずコストカットしています。社会奉仕から撤退する企業の姿です。

「みなさまのお役に立つ会社です、社会的責任を全うします」と言えない時代に変わり、株価で評価される企業文化に変わったのです。

実は日経平均株価がいくら高くても、国内の景気とは全く関係ないのですが。

平成の緊縮財政と消費税増税によって、国民の自由に使えるお金、エンゲル係数の外にある「可処分所得」が縮小しました。

可処分所得って何?

好きな物を買え、趣味や教養にあてる、家計で余裕のお金です。大きい国が先進文明国です。アメリカ人の物持ちはすごい。ちなみに、食費や電気代はそれじゃないから。

日本は緊縮財政で経済縮小し、それで物が売れないから、国内の全産業が傾いています。すると本業にも死者が増えるのです。過労死認定裁判ばっかですね。

「経費削減しながらの好景気」は矛盾した定義です。好景気だと「お金があるからサービスは細かいし、切り捨てません」「よけいなことまでやります」に向かいます。

切り捨て、撤退、廃業が続くのに好景気だなんて、絶対にあり得ないことです。

「果たして今は好景気か不景気か」と、判断を迷う必要はありません。不景気です。

デフレ不況下で続いた、食品会社の食材使い回し事件。経済成長を捨てれば食の安全も捨てるはずなのに、皆で求め糾弾した未練がましい事件でした。
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