コンビニの深夜営業をなぜやめるかは、常に的外れ
「24時間、開いててよかった」のコンビニエンスストアに「深夜は閉めろ」の声が出たのも、やはり消費税増税してからです。
これも、時間短縮する理由を間違ったフェイク情報が多い。
「深夜はお客がわずかなのにこうこうと灯りがついて、電気を無駄に使っている」という指摘です。電気に注目しますが、話がずれています。
焦点は、夜にお客がわずかしか来ない経済低調です。
不況だから。
消費税増税で買い物の痛みが強まり、国民が消費行動を控えたからです。コンビニの売り上げが減少し、電気代が負担になった貧困化の典型です。
デパートはすでに撤退が多く、会社解散や他社に吸収されています。節電の話ではなく、不況で商品が売れない話なのです。エコの話にすり替えたらだめ。
少子化の人手不足といえば、移民政策の後押しにされています。しかし今、コンビニ店員になりたくない人が増えました。人手はコンビニ以外に流れています。
何しろ内は低賃金でブラック、お客はモンスターだらけと、警戒する働き手が増えました。ブラック企業やギスギス社会に、なぜ変わったのでしょうか。
不況だから。
低賃金はコンビニ店長のせいではなく、本部の搾取がエスカレートしたからで、原因は消費税増税による買い物の縮小です。国民が消費行動を控えたからです。
商品の値段が高く感じる変化が起きた、発端は消費税増税でした。買い物の痛みで消費は鈍化して当然。少し高いだけでもサイフにこたえます。
恵方巻(えほうまき)というノリ巻き寿司を大量に用意して捨てたのも、サイフが軽い人が関心を持たないからです。企画が悪いとか以前に、みんなが貧乏なのです。
不況だから。
お金を手放すのが惜しく、商品がつまらなく見える状態を「デフレ」と呼びます。
要するに不景気なだけか
「ビンボーな日本国民が相手では商売あがったり」が本音です。買う側がビンボーで売れないのが理由の全てです。他に理由はありません。
浅草ノリへの嗜好など、好き嫌いの変化は関係ない話。
でも「深夜営業しても不景気で儲からないから」とは言いにくい。そこで資源を気づかうエコや、従業員の働きすぎへずらした不正直な報道なのです。
好景気に変えてやれば、営業時間は延びる延びる
歴史を振り返れば、日本に多かったのは「よろずやさん」でした。生活雑貨店です。食べ物、服、靴、電池、シャンプー、工具類など、何でも屋さんです。
今も地方都市や山間部で見かけます。家族運営の所帯じみた店が多く、店員は概して親切だったようです。
このよろずやさんが1960年代から、スーパーマーケットへ大型化しました。でも一部はよろずやさんで残り、1970年代からコンビニエンスストアに変わります。全国チェーン店へ誘われ、加盟していきました。
セブンイレブンで知られるように、朝7時から夜11時までの一日16時間でした。これが24時間に延長されたのは、1980年代の好景気と直接の関係があります。
消費が活発なら営業時間が長い方が、店もお客も得です。需要が増えれば供給が応じて、ともに経済発展に寄与してきたわけです。
コンビニ以外はどうだった?
スーパーマーケットも時間が長くなりました。10時から20時まで10時間のオープンは、9時半から22時までと12時間以上に拡大し、閉店も0時、2時と延ばして16時間以上も開けて、深夜遅くでもパラパラとお客がいました。
当然、正月の1月1日に開けて初売りする店も増えます。1月2日はどこも普通に開いていました。買うお客に勢いがあり、売る店も勢いづいて。
10万円の福袋に行列ができ、呉服店の50万円の福袋の中は、100万円分の品でした。
買う人が多いと、あらゆる時間帯に商売をやりたいのが人情です。
深夜のお客が少ない店も、昼に稼げるから、夜はサービス還元で遅くまで開けて。
好景気だから遅くまで働く企業人も多く、国民全般が深夜の飲み会とか、家に仲間がよく集まるとかして。割高のコンビニでも、便利さにお金を払った頃です。
不景気に変えてやれば、営業時間は縮む縮む
1990年代終盤に国を不景気に変えると、スーパーマーケットは時間短縮しました。
買い物客が減り、買う金額も少ないデフレ不況が起きての判断です。深夜2時の閉店を、前日11時へと3時間も短縮したりして。
つまり時間短縮は景気が決めます。景気以外に色々あってなどと、探してつくろわなくてもよい話です。いちいち嘘つかなくていいから。
あらゆる変化の原因は全てデフレか
コンビニが24時間営業をやめたい動機や、国民が納得してしまう空気は、『主婦の友』が売れなくなった理由や、福島原発の防潮堤が低いまま爆発を許した理由と同じです。
犯人はデフレ不況です。原因は政府の緊縮財政と消費税増税です。
大きい問題はこの一個だけ。
最大の問題をなぜ隠すの?
映画にありますよね。自分が属する組織が犯人の場合は、皆が変にぐずぐずした態度で、誰も本当のことを言えない場面。
マジ指摘すると悪い目にあいそうだし、評論家はテレビから干されそうで、政策の汚点に触れない忖度が自然発生するものです。