税率を大きく上げても、税収は小さくしか増えない
消費税の「税率」を上げても、「税収」はそれほど増えません。このお話です。
増税のパラドックス問題ね
「増税しても税収は増えない」「率に比例せず低くとどまる」の経験則があります。
消費税5パーセントを8パーに上げれば、1050円の製品は1080円に上がります。
30円の税額アップで、店で1000個売れていたなら、税収は3万円増えます。
でも売れ行きは落ちるはず
当前、価格アップで割高感が高まり、買わない者が増えます。1000個売れていた前提が崩れ、999個以下に減ります。
625個に減れば税収は同じで、この空回りも日本経済の鈍化につながります。
たばこと同様、増税のたびに全ての商品の売れ数が減っています。
どういう商品が打撃を受ける?
電気、ガス、水道は、増税後も売れます。
でも高級果物やプラモデルや楽器や天体望遠鏡は買う人が減ります。大塚家具なども。
消費税はたばこ税と同じ「買うな」の意味になり、売れ数を減らします。
増税には限界があるわけか?
値段400円のラーメンを2倍の800円に値上げしても、店の利益400万円が2倍の800万円に上がらないのと同じです。
客が高価格にがっかりし、売れる数が減るから。利益が380万円になる逆転もあるかも。
税金は財源でないから、税収アップは勘違いの妄想
税金は財源ではありません。通貨の間引きです。多すぎるお金を捨て去る目的です。
話の全てがひっくり返るね
「税率を上げなくても、景気を上げれば、税収は増える」は、正しい理屈です。
しかし本気でやるなら、話が変ですね。
財源でないから、税収を増やす必要が最初からないから。
ならなぜ、増税しても税収は上がらないと指摘する?
「税金の機能も知らないあんたはアホでしょ」とからかっているわけ。
皮肉で言ってるのか
税収アップ法を教えるアドバイスではありません。
政府はお金を好きなだけ出せるからね
十分に出して、かつ、あり余るほどは出さないのが正常な国です。
政府は資金が欲しくて徴税するのでなく、通貨価値の安定化です。
税収は不問で乱高下が正しい。安定して税収を確保する目標は、壮大な勘違いです。
経済を上向かせるにはどうする?
政府が通貨発行してばらまき、良性インフレ率2パーセント以上にお金を増やします。
逆をやる令和の今は理屈どおり、良性インフレ率0パーセント以下のデフレ不況です。
景気を普通に上げたら、税収は大きく増える
単純に景気を上げれば、劇的に税収が増えます。税率を上げなくても。
景気上昇のスイッチを役人が押せばどうなる?
昭和末期の好景気に戻ります。国民にお金が回ると、貧乏暮らしの人も所得税を払う範囲に入るほどお金を得ました。確定申告する人だらけになりました。
結果、何と税収が国の予算を超えました。国債発行が不要になり、政府黒字が実現したのです。1990年前後には、民間融資のマネー・クリエイションで経済成長できました。
政府黒字は健全なの?
意外にも不健全です。政府黒字はハッピーではなく不吉です。
政府黒字の後で恐慌や戦争が起きるジンクスがあり、今の日本の境遇と一致します。
なぜ政府黒字は危険か?
政府が黒字なら国民は赤字です。国民は本物の借金をしています。
返済で経済縮小(信用創造と反対の信用収縮)が起き、経済衰退します。
・ 政府が黒字なら、国民は赤字、これが貧困な先進国 ←国民は粗暴、好戦的に
借金を返済したからバブルがはじけたわけか
それ以外に何があるのか。銀行借金を銀行に返すとお金は消えて、総量が減ります。
融資金の返済ラッシュで経済縮小したのが1990年代後半の日本で、ハゲタカファンドが日本企業を買いあさり、食い散らかしました。
人類の模範的な「ザ・電器製品」のサンヨー電気が傾いた頃です。
昭和バブルの余剰金は当時何に使ったの?
たとえば、各地で河川改良を大々的に行いました。
その後の豪雨で、上がってこない濁流を見て涼しい顔で過ごせました。しかし河川改良に出遅れ、脱ダムブームで公費を倹約した地域は、平成末の豪雨で川があふれました。
・ お金を大切に守り、倹約に徹した都市では、住民は水死した