マスコミのインフレ騒ぎ、どこが間違いなの?
マスコミの経済解説は常に間違え、今のインフレ報道も間違いです。
どこがおかしい?
ロシア戦闘の原油高騰で、日本もインフレ率1.9パーセントになったそうだ。
日本政府が目標とした2パーセントに、あと一歩で届きそうだ、バンザーイ。
悲願のインフレ達成を歓迎する声が確かにある
あいにくインフレは二種類あります。
良性インフレと、悪性インフレです。
生まれて初めて聞いた!
・ 悪性のコストプッシュ型インフレ = 石油などが高騰し原価が上がり狂乱物価
二つはどう違うの?
良性のデマンドプル型は、物価以上に給与報酬が上がり、国民が買える物が増えます。
政府と日銀が目指してきた2パーセントは、良性のデマンドプル型の話です。
悪性を目指すわけないか
悪性のコストプッシュ型は、給与報酬が横ばいか下がり、国民が買える物が減ります。
ロシア戦闘で日本に起きた1.9パーセントは、悪性のコストプッシュ型です。
物が買えなくなる狂乱物価だから、喜んだり恋したらだめ。
なぜコストプッシュだと、給与報酬が上がらない?
値上げ額は、原油や石炭を売る国の儲けなのです。日本企業の儲けではなくて。
しかも不況の日本で、企業は値上げせず減益を強いられ、給与報酬を下げます。
インフレを体温にたとえると、理解しやすい
人の体温が上がっても、それだけでは良いか悪いか、わかりませんね。
・ 悪性 = 人が病原菌の感染で体温上昇 → 体を冷やせば病状が悪化して死亡する
同じ上昇でも、天国と地獄ほど違うのか
てんごくの「ごく」と、じごくの「ごく」が、同じ漢字のつもりに似ているかも。
病気で上がった日本の体温を、運動で上がったと勘違いし、冷やして倒れるドジ。
所得は横ばいか下がるわけで、暮らしは悪化し不景気そのもの。
これを「スタグフレーション」と呼びます。
アメリカもスタグフレーションらしいが?
スタグフレーションも二種類あります。
世界各国は、インフレ好況からのスタグフレーションです。
日本だけは、デフレ不況からのスタグフレーションです。
物価が上がり、所得が上がらないスタグフレーション
世界と日本の違い。
世界の主要国 | 日本 | |
起きている現象 | スタグフレーション | スタグフレーション |
基調はどれ | デマンドプル型インフレの好況 | デフレの不況 |
そこに何が加わる | コストプッシュ型の狂乱物価 | コストプッシュ型の狂乱物価 |
国民はどうなる | 収入は増えたが物価も上がる 嬉しい悲鳴がトーンダウン |
収入は減って物価だけ上がる 泣き面に蜂で破産や自殺 |
人が飛び込む場所 | プール | 線路 |
政府がやるべきは | 資源の手配と増産 テーパリングのアナウンス 貧困層への補助金 |
消費税とガソリン税廃止 自国通貨のばらまき 生活必需品への補助金 |
世界は猛暑の身に、冷や水をあびた。
日本は凍傷の身に、冷や水をあびた。
日本だけが正反対だとなぜわかる?
インフレ率の指標は主に四つあります。
・ コアCPI = 野菜を除く (季節変動を排除)
・ コアコアCPI = 野菜と石油も除く (資源高騰も排除)
・ GDPデフレーター = 名目GDP/実質GDP(派生コストも排除)
下ほど、コストプッシュ成分が除かれ、「成長するインフレ」か「衰退するインフレ」かを区別しやすい。
GDPデフレーターは、物価上昇中でも惑わされず、デフレ基調を見破りやすい。
日本以外はコロナ禍のGDP低落を防ごうと、ドルや人民元を大量に発行して国民にばらまきました。結果は、デマンドプル型インフレで経済成長中。
日本はコロナ禍のGDP低落を放置し(新自由主義の信条)、円のばらまきを断固拒否。結果は、デフレを強めて経済衰退中(失われた30年の継続を選択)。
具体的なインフレ率は?
アメリカ | 日本 | |
CPI(前年同月比) | 8.5 % | 1.9 % |
コアコアCPI(同) | 6.5 % | -0.8 % |
日本のマイナスのコアコアCPIも、徐々に上がるはず。いくら小麦や石油の価格を除いても、天体望遠鏡や美容院の価格に、軽油代や電気代が玉突き的に足されるから。
日本だけは「緊縮財政+コロナ禍+ロシア戦闘」で買い物がさらに減り、企業業績悪化、賃下げや解雇がさらにすすみ、自殺が増えるはずです。そして隠そうとする。
アメリカはもうハイパーインフレになってない?
ハイパーインフレの定義は、前年同月比12974パーセントです。ケタが4つ違います。
ハイパーインフレを振り回す者は、デマで踊りやすいタイプか、躍らせるタイプです。