日本人のほぼ全員が、財政をこう誤解している
日本の貧困化は、国民が脳内である種の勘違いを起こし、脳裏に浮かべる財政システムが間違っているせいで起きています。
陰謀説もあるけど?
日本国を貧困化させて崩壊させる黒幕は、海外の某秘密結社だという陰謀論があります。しかし直接の関与は、次の実態で否定できます。
・ そもそも、国民に選挙権があり、政治家を自由に選べる
皆さんのご家族は、「税金は国の財源だ」と言っていませんか。言っているなら、日本を貧困化させた犯人はその人たちですよ。外国の陰謀ではなく自滅です。
国民は財政の考えが間違っていて、それが直接原因で貧困化しています。
どういう間違い?
「お金は人類には発行できず、神様が生んで配布する」。
「だから各国は税金を集め、国をまかなう資金を準備する」。
「無駄づかいが多い馬鹿日本は、資金を使い果たして財政破綻する」。
「少子高齢化時代の費用負担が、日本が劣化した発端だ」。
「人口が増えると経済は右肩上がり、減ると右肩下がりになる」。
「縦社会やいじめ社会では、経済はさらに不調となり貧困化する」。
「日本人の引っ込み思案と非効率と年功序列は、時代遅れで世界に通用しない」。
「貧困化した国民は使えない人ばかりだから、滅ぶ以外に選べない」。
「滅びたくないなら、日本文化を捨てて英語社会に変えたまえ」。
すごいもっともらしい
自分はそんなの、全然思っていないという方もいるでしょう。しかしネットをたんねんに見ると、上記がすごい層の厚さで支持されているとわかります。
主張者はカリスマとなり、すごいファンが集まっていますよん。
なぜ貧困化したのか、ファンの集まりが示していますから。
日本人の財政への勘違いは、どこが起点になっている?
「お金は人類には発行できない」という、最初の前提です。
現実は、どの国も自国通貨を発行しまくっています。
政府がお金を多めに発行すれば、貧困化はなくなります。それだけのことです。
それが全てか?
貧困化の理由は無数にあると、勘違いしていませんかー?。
妄想がふくらみ、奇妙な理論が幅をきかせています。
どういう理論?
最もメジャーが財源論です。税金で国費をまかなう宗教です。
財源論が間違いなのは、お金を発行する仕組みがあるから。
国の出費は、発行したお金で行う道理です。回収したお金ではなく。
財源論は有害なの?
財源論は諸悪の根源で、高齢者や障がい者を税金を食いつぶす負担に定義する罪です。
国民感情の中に、納税を免れる彼ら彼女らに、世の中から消えろとの願いが潜伏します。ネットに殺意むき出しで噴出しています。
具体的には?
高齢者に不幸が起きた報道で、年金が浮くから財源が助かった喜びや、安堵のコメントが掲示板に並びます。
高齢者を無駄に長生きさせるな、病人やケガ人も始末しろと。
働かない人が減れば税金が助かると、ほとんどの人が信じています。人間を必要と不要に分ける優生思想へ向かいます。
財源論が、これら選民思想にお墨付きを与えています。
日本に差別的な人が目に余るほど激増した動機が、財源論です。
本当は現代の国家財政は、どういう仕組みなのか
99パーセントの人が語る「日本の構造問題」や「日本立て直し提案」は間違いです。
通貨発行権があるからです。
お金は政府が自在に増やせるのです。足りなくて泣くのは、お芝居です。
神でなく、人がお金を発行するものなのか?
独立国は自国通貨を定義して発行し、増減する権利と義務を負います。
「お金は働けば増える」は素人考えで、政府が発行すると増えるのです。
東京で国会議員と財務省職員が円を発行します。宇宙の神から授かりはせずに。
そのお金には裏づけがいらないのが、現今の特徴になっています。
お金の裏づけって何?
ゴールドです。金の延べ板。
近世から近代のお金は、金、ゴールドと交換できました。交換義務がお金の価値を保ちました。だからか「キン」と「カネ」は漢字が同じ「金」ですね。
そのタイプのお札を、兌換紙幣(だかんしへい)と呼びます。珍しい漢字です。
どんな紙幣なの?
兌換紙幣に相当し、近年まで残ったのが米ドル札でした。ゴールドといつでも交換できた約束が長かったのです。しかしある時、廃止されました。
それ以後は、お金を発行できる上限の目安が変更されました。
お金の発行には限界がある?
兌換紙幣は、国内の金庫にある純金の総量で、お金の発行上限が決まりました。
不換紙幣は、国内の商店にある商品の総量で、お金の発行上限が決まります。
・ 今は「商品」の供給量が、通貨量の上限を決める
商品の供給量って、どういうこと?
適切なインフレ率に達するまで、お金を増やせるのです。
なぜなら、発行したお金で買う商品がないと、お金がだぶつきすぎます。お金の値打ちが下がります。同時に商店の棚も空っぽです。
なので、商品研究所とデザイナーと工場と、商店と店員が多ければ多いほど、お金を劇的に増やせる道理です。それを目指す政策が正当です。
このセオリーどおりがアメリカと中国です。GDPが世界1位と2位。
本当にそうなってる!
産業が豊かな国では、お金を多く発行できます。政府がお金おを増やしたり減らしたりする自由度が高くなり、国民が貧困化する余地を封じるのが容易な国になります。
言い換えれば、国内のお金の枯渇は、原理的に起きません。
ボタン操作で自国通貨を発行して、国内に流せば完了するから。
日本は?
みんなが信じるのは財源論です。間違った思想で、世界で浮いています。
お金を増やせない前提で、今あるお金を奪い合い殺し合い、共食いです。
みんな経済を難しく考えてるし
日本国内には商品が山とあって、増産も速やかです。工場が遊んでいるほどです。なのにお金をあえて減らして国をビンボーにしてきた悪い冗談です。
先日も、製鉄工場を閉鎖する報道がありましたね。世界潮流ではなく、単に内需をわざと縮小させて、皆が物を買えなくして企業がつぶれているわけです。
自分で物を売れなくして、物が売れないと嘆く、異常な惨状です。
いかにも日本らしいというか
国民の99パーセントは、通貨減らしの政策で暮らしが悪化したと気づきません。
平成と令和のカリスマたちは「君らの働き方が非効率だ」と嘘を言います。
「僕についてくれば、お金の儲け方を伝授しよう」。
「メルマガを買い、オンラインサロンに参加し、この教材を買いたまえ」。
さらに「日本古来の伝統をぶっ壊して日本らしさを捨てよう」と言い出します。「過去と決別して欧米人に生まれ変わるつもりで」「国や地域を捨てて地球人になろう」と主張します。ついて行く信者がとても多い。
貧困理由を知らないまま、迷走する日本人の悲しい姿です。政府がお金を発行するボタンをあえて押さない、宗教的サボタージュが原因だとも知らずに。
なぜ日本では故意にお金を減らす?
財源論の思想から自動的に導かれる、当然の帰結です。
お金を愛して抱きしめ、使い惜しみます。
財源論は、お金を使えば減って消える解釈です。惜しんで使わず、金庫に寝かせると人生に勝てる教えです。
命よりもお金が大事という、日本的な新興宗教です。
ここまでを理解すれば、99パーセントの勘違いから卒業間近ですよん。