税金の無駄づかいを批判する、その悪口で日本は壊れた
「税金の無駄づかい」という言い方がよくあります。間違った概念です。
国は支払いに使うお金として、国税を欲しいわけではないのです。政府に貨幣プリンターがあるからです。
貨幣プリンターは別名「通貨発行権」で、打ち出の小づちの機能です。
お金は神がつくるのでなく、日本円は東京で好きなだけ発行できます。
日本は日本円だけは出し放題?
円以外の米ドル、ユーロ、人民元、英ポンドなど他国通貨は、確かに日本からみて神の領域です。でも円だけは、日本で国民の必要に応じて増減できます。犠牲もなしに。
「増減できる」は許可というより責務です。通貨の増減を怠ると価値が安定せず、国民が飢えたり他国まで領土争いに巻き込むからです。
知らない人が多くね?
知らないから現に貧困化が起きて、国が傾いています。
国が建造物をつくるたびに、税金の無駄づかいで叩かれます。箱もの行政だとか。典型が昭和時代から進めた瀬戸内海の5つの橋です。本州と淡路島や四国の間を、車と列車を通す巨大な吊り橋です。
「税金で建てて壮大な無駄づかいだ」とか「維持費も高くついて税負担がたいへんだ」という指摘は壮大な勘違いです。
税金は財源ではないからです。
国税は財源ではなく、超インフレを抑制する機能
国税は過剰インフレを抑制するために徴収します。
国民に渡したお金を一部返却させて痛みを与え、爆買いする心理を防ぐ目的です。だから国民が儲けたお金の余った一部を手放させて、税の役目は終わります。
集めた税金は、納税の瞬間に廃棄されます。
そして翌年のスタートでは、政府が新たに貨幣プリンターで新造したお金を国民に渡します。「1年後に一部回収するぞ」と予告すると、国民は買いすぎに注意します。
買いすぎれば商品が枯渇するから、防止するのが国税です。
お金の発行元は政府というわけね
お金を生む魔法が使える者が、お金を得た国民のサイフの中が欲しくて、目の色を変えるなど、あるわけないですから。相手の立場で考えればわかることです。
国税は国民にお金のありがたみをわからせるために、懲罰的に徴収するものです。渡しておいたお金の一部を返却させて、お金の価値が保てます。お金が過度にあり余る状態にさせまいとした、巧妙な良策が徴税です。
となれば、税金ドロボーという批判は意味をなしません。己に不要なものを泥棒する者はいないのが普通です。
昔からみんなが間違ってた?
「税を集めて予算として使う」は間違った解釈です。
「お金を発行して使った後で一部回収する」が正しい順序です。
ということは徴税する前に、先に国民に渡すお金が必要になります。そのお金はどこから出てくるのでしょう。貨幣プリンターに決まっています。
具体的には?
「国庫短期証券」(旧称:政府短期証券)です。後で国債に差し替えます。
いかにも本物の打ち出の小づちで、日本でも毎年何度も振っています。
発行しても赤字計上しないお金は、他に何種類かあります。別にいくら発行しても返したりしないから、どうでもいいわけです。赤字は言葉のアヤです。
政府の赤字は危険でなく、赤字が増えない国は貧乏です。国力が伸びずに縮みます。
政府赤字を増やすほど、国は充実していきます。
実は日本に税金ドロボーが、本当にいるかも知れない
しかしこの原理は、日本では話がひっくり返っています。
国民だけでなく政府要人までが、税金は予算づくりの財源だと勘違いしている疑惑です。税金を国の支払いに使おうと本気で思えば、どういう不幸が起きるのか。
ここで大幅に脱線して、思い込みが怖いというお話をひとつ。
太陽と月は同一物だという話です。
別ものだけど
朝は太陽が出て、夜は月が出ますね。それで一部の人たちは、太陽が夕方になると海に入水してジュッと冷えて火力が衰えて、目で見て安全なほど暗くなった太陽が、月の正体だとてっきり思っているのです。
一個の天体が昼は太陽の姿となり、夜は月の姿に変わる解釈です。本気でそう思っている人がそれなりにいるのは実話です。強く信じる限りは、心の中でつじつまが合います。昼の青空に白く薄く月が出ている日を、無視しさえすれば。
人は見たいものだけ見えるという?
国税もまた、財源だとてっきり思っていれば、理屈に合うと感じるものです。国税を財源扱いして、金銭出納の出入りを等しくする無茶も可能で、日本の妄想もそれです。
そうして倒れた国は実際にあり、アルゼンチンとギリシャです。ギリシャ・ショックと呼んだあれですね。
その手の勘違い納税システムはこうです。まず土着民から税金を集め、たくさん集まればその費用で国家を結成し文明を築きます。集めた税金で国をまかなうわけです。
サークル活動の運営費みたい
たとえば60兆円の税金が集まれば、翌年の予算は60兆円となり、うっかり61兆円使えば国は滅亡して、他国に吸収されるシナリオです。
その国では税の取り立ては暴力的になり、予算欲しさに恐怖政治に向かうはず。
そんなわけねーだろー
実際には、近代以降の先進国の財政は全く違います。
貨幣プリンターで先にお金を発行します。
お金の発行が先です。
後ではなく先。
お金を刷って使うのが先行する?
発行して国民に渡します。その後で徴税を行い、一部を国民から回収する順序です。
回収は一部ですよ。全部ではなくて。全部だとアルゼンチンやギリシャ。
すると、国民は儲けたお金を使いまくり遊びほうけるわけにいかず、お金をある程度大事にします。物を買いまくりすぎる風潮に水を差し、商品の枯渇を回避できます。
当たり前ですよね。もし国民にいくらでもお金を渡せば、日本中の商店の棚は空っぽになります。超インフレと呼びます。
お金が多く商品が少なすぎの、需給のアンバランスで超インフレは起こるのです。
お金が多いと危ない?
注意がいるのは、通貨の総額の多さは問題でない。何円なら危ない絶対の数値ではなく。商品に対してお金が余りすぎ。商品よりお金が過多のアンバランスがまずい。
まずいから余剰金を徴収し、消費を減らすよう仕向けるわけです。商品が市場から消えるまで買い物に熱中する国民を、政府がほどよく妨害します。それが徴税です。
そうして製造販売の数量が拡大する経済成長のスピードに合わせて、国民にお金を与えるテンポを計りながら、貨幣プリンターでお金を増刷し続けます。
そうして、国内の商品供給力と二人三脚で、お金を増やしていく財政が正統です。
この話の中に、税金ドロボーという概念は出てきません。フェイクなのです。
他国はちゃんとお金を増やしてるの?
アメリカ合衆国は何だかんだで、それを堅実に続けています。
近年いきなり目覚めたのが中華人民共和国で、日本のGDPをぶっちぎり差をつける一方です。人民元の貨幣プリンターで、国内のお金をガンガン増やしています。
日本を攻撃したり買収する費用も、人民元を追加印刷して用意しています。
日本政府だけが、お金の発行を放棄する新興宗教で、唯一逆走しています。