人は食べるために働く?労働の本当の目的は食料の生産量を増やす

食べるために働くのが正解で、しかし意味は昔と違う

カリスマご意見番たちは、労働を馬鹿にする言い方が大好きです。

「労働なんて奴隷がやること、学歴の低い馬鹿たちの罰ゲームさ」。

「でも僕らは半日しゃべって書けば、庶民の月収をかせげるのよ」。

現場で働く者を卑しめ、さげすむ彼らの生き方に、国民もあこがれます。特に若者の目には弁論で売れっ子の高所得者は尊敬の的で、信者やファンの輪が大きい。

不労所得へのあこがれは日本のトレンドだし

働くのをやめたくて、アメリカ式「FIRE」など悠々自適への願望が増えました。小学生に一番人気の仕事がユーチューバーで、労働をさげすむ選民思想のすそ野は広い。

何がきっかけ?

1997年以降の緊縮財政と消費税増税です。世に出回るお金の量を故意に減らすことで、労働の価値を下げていく壮大な国策です。通貨削減して、国民の賞金総額を下げます。

経団連の陳情を実現し、庶民のお金を吸い上げて、大企業に渡す目的です。

労働者は虐げられ、殺されても文句が言えず。平成の流行語のひとつが「底辺」でした。

なぜ経団連はそんなことを

日本が経済停滞したから、庶民からお金を奪い取る戦いを仕掛けたのです。

税金は財源でないことを、経団連は知らないから。

党へ政治献金したり、議員を高給の外部役員に迎え、法律を変えさせます。

カリスマ論者たちが労働を蔑視する根底は何?

自らを神聖にする願望もあるでしょう。

ユダヤ教とキリスト教の共通の経典である旧約聖書の頭に、アダムとイブの物語があり、禁断の木の実を食べた罪で、人間は労働という罰を受ける運命を負った。

ただ、労働を低くみる心理には、お金の意味や機能の誤認が色濃く出ています。

特にお金を発行する意味に、経済学の名士たちもチンプンカンプンなままです。

食べるために働くのは、正しいか間違いかどっち?

現代も正しく合理的です。もちろん皆さんが考える意味と全く違いますが。

みんなは何が違う?

皆さんが思う労働目的は「食べ物を買うお金をかせぐ」ですね。

お金づくり。

正しい労働目的は「買う食べ物を作る」です。

食物づくり。

お金はどうでもいい?

お金は政府が電子ボタンを押せば出るから、考えなくてよい。

ここを理解できない者は、「外国の食べ物を買えば安上がり」の誤判断が起きやすい。

食料を外国から買うと何が問題?

外国が日本に売る農作物は、自国民を全員食わせた後の余りです。だから量も質も価格も不安定で、振り回されます。売る側にとって、在庫処分のバッファーです。

一方的に農薬を増やされたり、遺伝子組み換えにされたりします。買う側は内製できない立場の弱さで足元をみられて、苦情も言えません。農業を笑う者は、いずれ泣きます。

泣きたくないアメリカやフランスの政府は、自国の農家に巨額の補助金を与えて公務員の待遇で安定させています。飢餓以前に、他国の支配を受けない防衛戦術です。

農家を馬鹿にし、からかうのは日本人だけ。現実の農業は、へびにかまれたり毛虫に触れたり、スズメバチに刺されて死ぬなど厳しい。

技能と度胸がない素人には困難で、アナフィラキシーショックであの世行き。

現代の労働の目的は、通貨発行量の上限を上げること

ひと昔前と今では、労働の目的はガラリと変わりました。

1 太古の労働目的 = 食料を得るために働く

日本で縄文時代に稲作が続き、たん白源の狩猟採取も並行、量の確保が目的でした。

2 近世の労働目的 = 食料を買うお金を得るために働く

イギリスの産業革命以降に、お金を獲得する労働意識が一般化したでしょう。

3 現代の労働目的 = お金の発行限界が高くなるよう、商品を量産すべく働く

信用貨幣と呼ぶお金を政府が国民に与えます。国民は必要な物やサービスを生産します。

生産物が多いと品切れしにくく、お金の価値が落ちない。政府がお金をより多く発行し、より多く国民に与える好循環で、国民も生産を増やせて経済成長が持続します。

昭和の日本でこれが実現したのは、経済を破壊する流行がなかったからです。新自由主義に変える前の、ケインズ理論が主流だったから。

農業だけで十分経済成長するわけか

大豆を増産して、多く売るだけでも経済成長です。

経済成長とは、商品を多めに作って、多めに売買する現象です。

ハイテクや財テクやイノベーションへの執着は、新自由主義に毒され、経済成長の定義を曲解しています。

お金は国境の中で、増減させて役に立つ契約書類

国民はいくらお金持ちになっても、労働を続けないといけません。

買う商品がないと、お金に価値が発生しないからです。

お金と商品の量を、二人三脚で増やすことが成長ね

国産品を多く作れる持続的な生産力が、通貨発行を増やせる条件です。

タコ焼きや定食、ボールペンや消しゴム、電器や楽器に下着や正露丸、車や船や新幹線、発電所や天文台やロケットや人工衛星や惑星探査機や素粒子加速装置も欲しい。

ビル設計や建設もやらないとだめで、建設後のガラスふきや、トイレ掃除や取り壊し工事なども全て自国民でやりたい。医療も介護も内製化したい。

外国の商品を輸入したのではだめ?

外貨について理解すれば、輸入に頼ると経済衰退すると理解できます。

輸入品を買うお金は、自国通貨でなく外貨です。外貨を得るには自国通貨と交換が必要だから、自国通貨の価値が低いと貧困化します。この理屈はわかりますか。

国産品が多い国だけが、輸入も多くできる理屈か

国産品が乏しい国は、ひんぱんに過剰インフレになる。レバノンやスリランカがそう。

なら他国の人を連れてきて国産品を作らせたらだめ?

それだと子孫に技術を伝承できず、技術を他民族に奪われます。他民族が社長になると、日本人は奴隷扱いされるのは自明の理です。

さらには内部分裂で紛争が起きやすく、内戦に発展します。

国民の内戦を防止するために、外に目を向けさせる対外戦争が必要です。民族のるつぼも格差社会も、戦争への近道なのです。

新自由主義は戦争と親しいのか?

だから「国境をなくせば平和になる」と、事実と逆の虚偽デマを流す黒幕がいるわけ。

現に緊縮財政と消費税増税で、日本は戦争をぐんと引き寄せました。「ウクライナの後は日本だろう」とよく指摘されます。「消費税、思えば遠くへ、来たもんだ」。

しかしドンパチは起きず、領土を占有して日本人を除去する作戦が先行するはず。

現にやっている。

政府が国民に労働を義務づける理由は、国産品をより多くそろえたいから。商品が多いとお金の価値が安定し、お金の発行を増やせて国力が上がる。
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