2020年3月の日本国民は、消費税をどう思っている?
日本人が消費税10パーセントへの増税をどう思っているかは、以前から少し変化したようです。人の本心はネットによく出ます。何しろ匿名なので、脅迫や圧力で言わされることは少ないでしょう。
増税の前は
「消費税は財源づくりのために必要で、増税はやむを得ない」。
増税の後は
「消費税は財源づくりのために必要で、でも上げたのはまずかった」。
必要と思ってるのは変化なし?
前も今も一貫した間違いは、「財源づくり」です。財源なんてものは国政に存在しませんから。日本に広まった決定的な妄想です。
政府が10兆円使えば、国民はどんな目にあうのか
税金を財源とする意味がないのは、なぜでしょうか。
通貨発行権です。
各国の政府はお金を自在に発行できるからです。券の発行元が、券欲しさに目の色を変えるわけはありません。
別のことにたとえたら
芸能人がサイン色紙を世に流す。書いた本人が、他人から奪い取りたくなりません。本人はサインを買い入れて転売しているのではなく、自分が書いているから。
出し放題です。発行元が自分なので。
一筆書くたびに誰にも権利料を払いません。自分の直筆の字だから。
出し惜しまないし、枯渇もない。他人から奪う動機がありません。
「皆さん焦らないで、すぐ書きますから」。
そこまでは誰でもわかりそうだが
お金を10兆円発行するのに、何の犠牲も払いません。
何もないところから政府貨幣を発行します。発行したお金を国債と呼びます。
10兆円の政府貨幣を担保に、日銀当座預金を通して公共事業の代金を国民に渡します。するとGDPが10兆円増えます。当たり前ですが。
国民の所持金は10兆円増えて、リッチになります。誰が何円増えるかはともかく、平均すれば一人あたり7万8千円の所得が増えます。
ところが・・・
人間には邪念があり、思想信条もあります。
思想は先頭に立ちます。我が子の輸血を拒否して死なせるなど。
お金にどういう思想がからむ?
10兆円が増えたのではなく、減った解釈が始まります。
正反対か?
邪推する理由は色々あります。思想は人それぞれ。信仰の自由ですね。
邪推する動機のひとつは、リアリズム、写実主義です。抽象概念を嫌う。
たとえば?
「お金がわいてくるなんて、あり得ない」。
「質量保存の法則や、エネルギー保存の法則で考えればわかる」。
「仮に本当にわいてくるとしても、僕は信じないし、信じたくない」。
「信じないものは、存在しない」。
「存在しないなら、誰かのお金を盗んだってこと」。
「誰かとは、国民しか考えられない」。
「国は僕らのお金を盗ったな、ドロボー」。
あるある
「政府が10兆円を使えば、どこかが減った」「使った分が消えた」の邪念です。
まずは「俺たちの大事な税金10兆円を使って消し去りやがって」と怒る。
さらに「将来の子孫に借金を背負わせ、未来世代に払わせる魂胆だな」。
もうひとつ「俺たちの銀行預金を、裏口から引き出して使いやがった」。
真実はどれ?
本当は10兆円を丸々、国民がもらっています。通貨発行権で10兆円を生んだから。
お金を生んで増えています。どこかから持ってきたのではなくて。
この世の円が10兆円増えて、宇宙全体で10兆円増えた。
政府は打ち出の小づちを持つってこと?
お金とは書類なのです。出し放題。
キーボード類をポンポンと押す作業で、データベースに数字を追加するだけ。
そんなに簡単?
ところが思想信条はやっかいで、10兆円を奪われたと邪推し、暴走がエスカレート。
「政府は悪い人の集まりだ」と集団化して暴れまくります。
結局どうなるの?
今の日本になったわけで。
政府は国民をうるさく感じ、10兆円の発行をやめます。お金の追加を止めて、国民が手にするお金が減ります。後はテキトーにウソをついておしまい。
そして、ここが大事なところです。
知らなんだー、なんちゃってー
「お金が減った、すると貧困化した」。という言い方は日本語になっていません。お金が減った後で貧困化したんじゃなくて、減った瞬間に貧困化していますから。
「お金を減らしてやった」は「貧乏にして差し上げた」の意味です。増税って貧乏にすることですから。「そういう見方も可能なり」ではないし、副作用とは違う。
税金は財源ではありません。どの国も、自国のお金だけは出し放題だから。
財源論でいくら考えても、国税の理解は全く不可能
財源論の特徴は、国のお金は「総額が固定」という勘違いです。
イス取りゲームのように、何脚と決まった数量を奪い合います。
増やし減らしができない前提です。通貨発行権を無視した思想信条だから。
政府はお金を増減する責務があり、しかし国民がそれをやめれと叫ぶからやめた。すると日本は傾いたでござるという、当たり前の話です。
国税は何のためにある?
政府が国民に与え続ける一方だと、お金が増えすぎて価値が下がりすぎます。これを良性インフレと呼び、対策はお金を一部回収して廃棄し、極端なだぶつきを防ぎます。
これが徴税です。だぶついていないデフレ時には、徴税は不要です。「凍てつく真冬も、とりあえず冷房だけはやろう」とは考えないわけ。
国税は捨てるお金だった?
「消費税は財源づくりで必要」は妄想です。国税に財源の機能がないどころか、現代国家には財源の概念さえ実はありません。
お金を発行できる政府にとって、国民にお金をいくら持たせるかは自由です。アメリカ政府は多めに持たせる方針で、日本政府は持たせない方針です。
どうみてもそうだし
国の方針で裕福度を人為的に操作するのが現代だと、日本人は全く知りませんよね。
アメリカの大卒初任給は55万円、日本は22万円という差も、通貨発行量の差です。頭の賢さや行動力や、労働効率の差ではなくて。
月給55万円の国も、お金を増減するさじ加減で22万円に落とすのも簡単です。貧困化を強めることも、お金を発行する担当者がキーボード操作で自在に変更できます。
国民に持たせない策はどれのこと?
緊縮財政と消費税増税で、国民が手にするお金を減らしていきます。
だんだん貧困が進んでいるのは、だんだん減らしているから。
急に減らせば、急に貧困が進みます。
・ お金はバリアブル(総量が可変)で、国民の意思でお金を増減する
・ 日本はお金はリジッド(固定式)だと妄想し、総量一定を奪い合う
それはそうと、なぜ政策で貧困化を進める?
国民を弱い立場に落とし、隷属させる目的が考えられます。
国民の貨幣観の間違いに、政治が従っているのです。