国が節約しても、こんなにも無意味とわかる数字
「日本にはお金が不足している」と危機が言われます。実はこれ、厳密に言わないと話がみえてきませんね。
政府が使えるお金は、足りる足りない?。
国民が使えるお金は、足りる足りない?。
政府と国民は全く違うわけか?
政府が使えるお金は足りています。
国民が使えるお金が足りないのです。
国が無駄づかいしてお金が消えたから?
あべこべです。国が無駄づかいをやめたから、国民のお金が足りない。
カラクリを理解するには、二つの数字が必要です。GDPと国家予算の二つです。
ごく簡単な数字です。
GDPは国内総生産の金額です。国内総生産は、経済活動で動いた金額の年合計です。
GDPは、所得の合計に一致します。
ちなみに1980年代に聞いたGNPは、国民総生産です。昔は国民GNP、今は国内GDP。
GDPの数字は、各国の経済力を示します。
日本は世界何位?
日本は銅メダルです。
1位はアメリカ合衆国、2位は中華人民共和国。日本は1970年代の昭和に西ドイツを抜いて2位になり、平成の長いデフレ不況の間に、長いインフレ好況の中国に抜かれました。以下ドイツ、イギリス、フランスの順です。
2019年の日本のGDPは、540兆円です。飲んで食べて、乗って建てての合計です。
もうひとつの数字は
次に重要な金額は、240兆円です。
これは何でしょう。食費?。人件費?。サービス業?。
240兆円は予算の総額です。1年間に日本政府が支払うお金です。
ヒェー
という悲鳴が聞こえそうですね。そうじゃないですか。国の出費をなくせば日本のお金は助かり、暮らしがよくなるとの声が圧倒的に多いですから。
なくそうにも、毎年240兆円出しています。240,000,000,000,000円。
GDPのうち、国民が働いた増分は1倍ちょっと?
540兆円のために、政府は240兆円を出して支えています。どうでしょう、この現実。
もしこの240兆円が無駄だからと、半分の120兆円だけ政府が出す節約でどうなるか。
減らしただけGDPも減り、540兆円のGDPが420兆円に落ちるかも知れません。
120兆は半分だから、GDPも半分の270兆円に落ちるかも。
等差であれ等比であれ、経済大国の銅メダルから陥落します。
8位入賞がやっとか?
つまり、政府が支出して国民に与えた大金が、国内経済の4割から5割も占めています。私たちのサイフにあるお金は、半分近くは政府がくれたお金です。
政府が払ったお金がぐるぐる回り、みんなの台所とふところを温めています。
国の経済がシャンとするかヨレヨレかは、政府出資の規模しだい。
政府が多く出せば裕福、少なく出せば貧困。それだけの話です。みんなががんばって働けば国が発展するのは、政府が多く出した場合だけです。
政府が少なく出すと?
国民はいくら働いてもビンボーです。
働き方改革は脱線していて、関係ない話。
政府が多く払って国民にたくさん渡せば、民間企業の時給が上がる計算です。
政府は国民の経済を、積極的に支える存在だったとは
政府とは、国会議員と官僚と、中央政府機構の集合体で、国民の代理人たちです。本来は、国民の敵でなく味方です。
政府がお金をドバッと国民に投げ与えて、国民はそれを元手に力を合わせて、240分の540倍へ、2.25倍へふくらます計算です。100倍などでなく2.25倍です。
すっくなー
政府の240兆円がなければ、日本の国民は全員が飢えてしまい、座して死を待つか、外国へ亡命しない限り生存不能でしょう。
諸行無常の響きあり。ジェノサイドと呼びます。
ジェノサイドになるわけか
「政府はもうお金を出すな、もったいないから削減せよ」と、政府出資を罪悪視している人は、日本の破壊に加わっている理屈です。何もわかっていない人。
政府は国民の代理執行役だから、国民が裕福になるよう仕向ける義務があります。貧困化し死者が多めになるよう仕向けるのは、壊れた政府です。
そして現実に日本政府は多額を出して、国の経済を支えてきました。「お金が惜しいから節約しよう」などと誤解で心配しても、現実はケタ違いに出しまくり、破綻もないし。
もしその出資を減らせば、国民は際限なく貧困化します。
そして平成令和に急転した方角はそっちです。昭和とは違い、政府の様子が変です。