同名絵画の転写です。
長旅から帰国した人が体調をくずし、何人かの医者に異常なしと診断されたところから、物語は始まります。紹介されて、夫婦でお寺に相談に行きました。
さっそく、お寺の本堂でおはらいを行います。念仏をとなえていたお坊さんが、しだいに声を大きくして何者かに何かを叫び命じた次の瞬間、本堂に大音響がとどろいて、夫婦はびっくり仰天。そして、体調を回復しました。
大音響はもちろん、他の住職が陰にひそみ、特別製の棒で特別製の板を叩くなどして鳴らしています。木造のお堂は音響的に極度のライブなので、音は大きく響き渡ります。
ところが音に驚いた本人の身に、変化が起きます。望みどおり回復することで、音が出たことと、我が身の変化の、二つの奇跡が起きたのだと信じるようになります。人の被暗示性という機能は、現代でもよくわからない分野です。
この絵画は、病を解決しようとするお寺が総力をあげ、大音響を鳴らした瞬間を描いています。