お菓子やちくわや生麺、中味が減る値上げはインフレか
ネット掲示板でポツンと無視され、誰も答えない大事な質問の定番が、これです。
「インフレは物価が上がることですね?」。
「食品の中味が減れば、実質的値上げだからインフレですね?」。
「最近それが多いから、経済は好況で好景気だと思いますが?」。
答は?
デフレです。不況です。不景気です。
「コストプッシュ型インフレ」と呼ぶ値上げの一種で、デフレがひどいと起きます。
・ デフレ = 物価が下がり続ける現象(不景気になり、最悪)
デフレとは、物価が下がり、お金の価値が上がり、貴重で使いたくない現象です。
「お金を使いたくない」という消費の低迷がデフレのポイントです。
物価だけ見てもだめ?
物価以上に所得が上がる良性インフレと、所得は上がらない悪性インフレがあります。
悪性 = コストプッシュ型インフレ = 景気縮小する値上げ(所得が上がらない)
デマンドプル型インフレは、需要(デマンド)が増えた商品の、嬉しい値上げです。
これは、自国通貨を発行してばらまけば生じます。
コストプッシュ型インフレは、費用(コスト)が上がった時の、苦境の値上げです。
こちらは、石油価格が高騰すると生じます。
実質的値上げは悪性なのね
平成時代の最初はちくわでした。98円で5本入りが4本に減り、短めの5本に変わって。最後は短めの4本で。穴を広げて肉薄にする細工もあるかも。
ちくわは材料コストが大きく、材料を削ればコストカットできます。
スナック菓子も価格据え置きで、80グラムから64グラムへ減りました。
令和は生麺でした。昔からうどんは一袋200グラムで、やきそば、ちゃんぽん、和そばは150グラムが多かったのです。最近は140グラムに減ったステルス値上げです。1袋単位で食べるから、国民は今後やせて体力も落ちます。
メーカーの苦しい決断?
生麺を減らした原因は、消費税増税10パーセント化です。
工場の水道代も運送費も、従業員の生活費も上がります。軽減税率で8パーの食品とて、出荷価格が108分の109倍などに上がります。コストプッシュの悪性インフレです。
「増税のおかげで晴れてインフレ達成」は勘違いです。悪性だから。
しかもデフレ下の狂気の増税で、値上げしない店も多かった。
デフレで増税するのは、税金への勘違いです。
税金は財源ではないのです。
過去のインフレはどうだった?
実質的値上げは、インフレ好況が縮小した1970年代前後にも起きました。上げ底食品がやたら増えました。袋や箱の底に詰め物を入れてかさあげするなど。
対抗して、消費者センターのような非営利団体が各地に生まれ、詐欺的な商品への批判が始まったのです。空洞が多いアンパンなどは日本で嫌われます。
それは品質まで落ちてるわけで
そこです。実質的値上げはニセの材料も併用され、粗悪品や欠陥品や危険物が増えます。平成に起きた「産地偽装ブーム」もそれでした。
カレー専門店が古い豚肉を廃棄物処理業へ出すと、処理業者が弁当の会社へ横流しして、トンカツ弁当に転用された事件もそれ。
転用した業者は、従業員を解雇するまいと必死です。
不景気なのに値がどんどん上がるのはなぜ?
近年の実質的値上げは、物の数が売れない業績悪化のカバーです。売れ数が少ないから、一個を高くしないと採算割れするから。
税込み980円のヤカンは、消費税が5から8パーなら、1008円になる計算です。しかし税抜き1000円で1080円が新価格でした。コストプッシュ型インフレ率7パー以上。
コスト下げ競争で資本主義が崩壊し、損を取り返す値上げです。
日本はデフレ貧困化がひどすぎて、インフレと勘違いする人が多いわけです。
インフレとデフレは、本当はどちらが怖い?
インフレは怖いとの、世間の声も間違っています。
経済成長は良性のデマンドプル型インフレ下で起きます。
良性インフレが過剰でも人々は飢えません。金満が行きすぎてお金の価値が下がっても、幸福の続きでありブラックではない。
給料の金額は爆上がりするから、のたれ死にもない。
怖いのはデフレか
インフレは経済膨張で、デフレは経済縮小です。恐慌や飢饉です。
デフレは金欠だから、自殺や過労死や無理心中が増えます。金欠だから解決金もなくて。家で餓死した遺体が平成半ばから増えたし、列車が人をはねて止まる自殺ブームも。
世界で日本だけがインフレ恐怖症がひどいらしく
デフレの今、良性インフレの心配は奇行です。
しもやけの人が熱中症を心配する、病的な良性インフレ恐怖症が日本です。
それ!
冷え切った部屋で凍えている日本。
「なぜこんなに寒いの、暖房を入れようよ」。
「暖房の熱で、町が火の海になってもいいのかっ!」。
こんな人ばっかり。
最も恐ろしい現象、デフレスパイラルは今その最中
1990年代から、デフレスパイラルの語をよく聞きます。
デフレスパイラルは、ネガティブスパイラルの典型です。
・ 物価が下がると、給料を下げざるを得ない
二つが延々とループする、今の日本がこれです。
テレビ番組も安売り歓迎で
1990年代半ばから、価格破壊バンザイと特集番組で叫び続けましたね。物価はいくらでも下がれと。出費ゼロなら暮らしは楽、世は天国、楽園じゃと。
お金が減らないからみんなが金持ちになれて、理想の社会バンザーイと。
下がった今がこの斜陽国?
安売りしたら、作った人も、売った人も、儲かりません。
店や製造業の売り上げが減り、みんなの所得は激減です。失業。引きこもり。
売る側が死んでしまう
店員や業者は、買い物客と同じ顔ぶれです。
買う人と売る人は、実は同一人物ですよ。
バラ色の報道はそれを黙ってた?
価格破壊が進めば、やがて安くても買う気が失せます。前の半額でも高いと感じて。
外国の目に日本全体がバーゲン価格に映り、買いあさられます。生産技術や特許や土地までも、所有権が海外流出します。お家芸も奪われます。
日本の利権が、海外の利権に移ります。
富裕層も貧困化してるって?
テレビ放送も貧困化しました。
最近、ネット記事がネタのトーク番組が増えました。ネットによい情報があるから使おうぜと、楽する道ではありません。
放送局の台所が苦しいから、出張と取材を減らしたのです。手抜きの番組が増えたのは、勝ち組の業界も貧困化しているからです。
そういえばスタジオも地味だし
テレビプロデューサーも、資金があれば独自取材したいはず。
空洞が大きいアンパンみたいな番組が、実力だと思われたくないはず。
日本の格差社会は、富裕者全体が百万得て、貧困者全体が百万失う、プラマイゼロではなく。富裕者が十万失い、貧困者が百万失う、トータルがマイナスの現象です。