お金を使えば使うほど戻ってくるのはなぜか
女子高生でしたか、インタビューに答えました。ラジオ放送。
「みんながお金を使えば、ぐるぐる回って景気がよくなりますから・・・」。
日本に向けた処方箋は、それだけの話です。
ハイ、すっきり。
お金が回る意味
女子高生が見通したものは何だったのか。
お金を使えば受け取った人も使う、その連鎖反応です。連鎖反応がバンバン起きるほど、景気がよくなります。
一万円札の所有者が次々変われば商品は次々売れ、国の経済規模GDPが拡大します。
お金を使うと手元から消えます。でも受け取ったラーメン店や靴下店やオルゴール店に、逆に現れます。一万円札が動けば、3人がラーメンや靴下やオルゴールを入手できます。
でも買うカネないし
確かに今、ない袖が振れず、少ないお金を使わず大切にとっておきたい心理が国内に充満して、一万円札の移動がゆっくりです。
お金が貴重に思えて、買い渋りや買い控えする。この心理を不景気と呼び、それが集まり物が売れにくい現象をデフレと呼びます。不況です。
その分かれ目は、国民にお金を与える政治をやるか、やめるかです。
国民の働きぶりはどう?
働き方は関係ありません。全体のお金が不足して分け前が減るだけの話です。
商品はだぶつき、行列に並ばずに買えます。しかし購入金がない人だらけで、行列ができない。商品は在庫の山。この現象をデフレと呼びます。
お金は使えば消える感覚
お金は使えば減る、失われる、なくなる、消える、は完全な間違いです。
女子高生はそこを見破っています。
お金を使えば消える感覚は自己中?
ラジオの電話リクエストで、紙幣に住所氏名を書いて戻って来る日を待つ子どもがいて、遠い県から電話がかかってきたと、得意げに話しました。
DJは紙幣への書き込みは犯罪だと、説教に終始しましたが。
ミクロ経済はパーソナル、マクロ経済はソーシャル
あたしは靴下を買いました。という局地的な話が「ミクロ経済」です。みんながあらゆる製品を買いました、が「マクロ経済」です。
女子高生の発言は「ミクロでなく、マクロで考えようよ」の意味です。
「お金を使わないと経済はため水のようによどむから、流水の動きをつくろうよ」と。
ケチにさせたのは誰?
犯人は通貨を削減する政策です。
順を追うと、バブル後に首脳は焦り、銀行に不良債権を処理させました。すると、融資の返済で国内のお金が減りました。その時、政府は財政出動で補うべきでした。
財政出動って何?
各国政府は、自国通貨を必要なだけ発行できます。国のお金不足はお芝居です。
政府はお金を発行して買い物します。二段階を財政出動や積極財政と呼びます。
しかし日本政府は、財政出動を増やさず、通貨総量を逆に減らしました。
消費税増税ね
池で考えます。水が足りず、魚がアップアップの状態だとします。
水中の酸素が減るし、水が浅すぎて魚が横倒しで弱ってきたシチュエーションです。この異常事態をどう解決するか。
唯一の解決は、水を増やすことです。バケツやホースでジャージャー入れて増やす。
誰でもわかるし
ところが1997年からやったのは正反対。
「あえて水を増やさない」。
「逆にくみ出す」。
具体的には?
増やさないのは、財政出動の縮小。
減らすのは、消費税の増税。
財政出動しないと水が浅いままで、根性がある魚も生存が困難です。
さらに、減った池の水をくみ出し捨てた。消費税増税です。
増税は間違ってた?
増税は、純粋にお金減らしです。
国民が持つお金を減らすインフレ抑止策です。過剰な好景気になれば、国民がお金を使えなくして買い物を食い止め、物価の高騰を防ぎます。
家の便器を金メッキに替えるぜいたくな時代は、買い物ブームで店の棚が空っぽになり、円の価値が急落します。消費を冷やす氷の役が増税です。
増税はお金を減らして経済を冷やす目的です。「物を買うな」の警告です。
みんなの思いと全然違う!
みんなの思いは福祉の充実ですよね。それ完全に嘘ですよ。
福祉は増税で切り捨てられます。現に福祉は青息吐息です。
国の無駄づかいは、日本経済のプラス要因になる
日本政府が逆走して国民は被害者だという、それだけでしょうか。
国民は政府に向かって「無駄づかいをなくせ」と要望しています。
その要望は正反対で、政府が無駄づかいすれば景気は上がります。
どんな無駄づかいでも?
昔、大蔵省の職員が変なファッションバーで遊んで、事件になりました。
「ノーパンしゃぶしゃぶ」と大衆雑誌で話題になって。
聞いたことある
仮に省庁が無駄づかいすればバーの所得になり、バーの従業員が買い物を増やします。GDPの片隅で経済に貢献します。省庁の運営は、貨幣プリンターのお金だから。
でたらめな出費をなくせば、意外にも経済は右肩下がりに悪化する理屈なのです。
でたらめが野放しの時代の方が、国民の所得は高くて裕福でした。国力もずっとあった。『ジャパン・アズ・ナンバーワン』は1979年。40年前。道理と実態は一致します。
族議員がうごめき、官公庁の好きにした時代が左(オレンジが日本企業)
昔の方が日本企業強すぎ
行政のクリーン化で、日本は貧しくなりました。
クリーン化が足りないのでなく、クリーン化するにつれて落ち込みました。
大蔵省の事件の後で、確かに日本は死んだね
ノーパンは民間企業が大蔵省を接待したので、大蔵省が払ってはいないはず。ということは、この時のマスコミは大蔵省の立場を理解せず、敵に回ったわけです。
国民が官僚の無駄づかいを強く批判した後、官僚は居直ったかも知れませんね。中央政府も生きた人の集まりだから、感情があります。復讐心もあるのです。
「国が本当に無駄づかいをやめたら、どんだけ国民が苦しむか、今にみてろ」。
「政府が無駄をなくせば、国民が大勢死ぬ現実を、肌で感じさせてやる」。
「いつか近いうちに皆殺しにしたる」。
「このうらみはらさでおくべきかー」。
昭和の無駄づかいさえ、まだ少なかったわけか
女子高生の「みんながお金を使えば」は、有意義な使い道かは関係ない話です。
皆がくだらんことに使っても、経済は右肩上がりで伸びます。