お金を生み出す神様はどこの誰?→その辺の銀行でした

銀行の信用創造

銀行のマネー・クリエイションとはお金をどうするの

前に触れた「日本政府は打ち出の小づちを持っている」が気になる方はいませんか。無料でお金を生むなんて、比喩か誇張や極論かと思えます。

先に結論から言いますが、イギリスの銀行家たちが考案して、昔から世界中で採用されている方式が、「マネー・クリエイション」の制度です。「お金づくり」です。

お金をつくるって?、誰が?

誰かが銀行からお金を借りるとします。企業の社長とか、皆さんでもよいし。「融資」と呼びます。その貸し方がおもしろいのです。

常識では、物を貸すには在庫が必要ですよね。知人に傘を貸すとか、本やビデオソフトを貸す図書館や、レンタカーも。必ず物体を貸します。

在庫を保管する倉庫なども広いはず。家の傘はともかく、建物の敷地面積も大きい。

ところが銀行がお金を貸すには、倉庫がいりません。

電子の時代だから?

関係ありません。何と、貸す時にお金を生み出すのです。貸す瞬間にヒョイとお金を発生させます。在庫のお金を融資に回す流用ではなくて。

お金を生みます。

生むのです。

何も取り寄せません。しかも銀行の全資産より多く貸し出せます。

お金を新たに生む銀行業務をマネー・クリエイションと呼びます。

注意してください。貸したのにマネー・レンタルとは呼ばないのです。レンタルではなくクリエイションです。レントでなくクリエイト。

創造って意味?

クリエイションは創造です。原材料なしに、無から有を生みます。

クリエイティブはデザインやアートとか、創造性の付加価値で高級感がありますね。

天地創造の神みたい。お金を生む神様は銀行なのでした。

そんな通貨発行なので、銀行業界に「万年筆マネー」という語がありました。預金通帳に万年筆で数字を手書きした瞬間に、お金をこしらえるからです。

今はキーボードを押すから、キーストロークマネーとも呼びます。

・ お金は太古からソフトウェアであり、ハードウェアではない
・ 通帳に万年筆で直筆した昔も、お金はソフトウェアであった
・ 通帳にプリンター印字する今も、お金はソフトウェアである
現場では常識なのか

これに関して、何とイングランド銀行が英文説明書を用意しています。

んっ、なぜ銀行業務に、説明が必要なのでしょうか。

マネー・クリエイションは高度な頭脳の産物

理由は、マネー・クリエイションを理解した人がわずかだからです。5割や8割でなく、人類の99パーセントは誤解しています。ネットの説明もウソだらけです。

日本でも銀行員の半分が理解し、半分が誤解していたそうです。

マネー・クリエイションを毎日やる人も、わからずに任務を遂行していて。

外部→ イングランド銀行によるマネー・クリエイションの説明(PDF)

生涯理解に届かない人も多い。相対性理論や、ポアンカレ仮説でもあるまいし。

理解しない人に、国会に呼ばれた経済評論家やノーベル経済学賞の人もいます。そこまで誤解が激しく、あちこちで害が起きています。

実害はあるの?

日本での害は貧困化です。平成以降の貧困化はお金への無理解で起きています。

「お金の量は固定し、出費オーバーすれば破産する」という無駄なおびえです。

少子化急進もそれが原因です。原発の爆発は直接的でした。使えばお金は消えてなくなるという動物的な恐怖心で、堤防の補強工事を省いて、津波でやられました。

ダムの水や米びつの米みたいに、今ある残量を大事に保ち皆で分け合うという、間違った考えでお金を守ろうとして、日本経済は傾く一方です。

貨幣プリンターを知らない!

現代はお金を必要に応じて増やす方式なのに、知らずにお金不足に泣く喜劇です。

政府が何かに援助すれば、別の何かを切り捨てる間違いを犯します。各分野が同時にお金を必要とするたびに、在庫のお金の争奪戦です。予算配分の醜い争い。

テレビで話題の事業仕分け、出費切り詰めも、日本人の壮大な勘違いでした。

高齢者の介護に補助金を増やせば、引き換えに子育て支援金を減らすとか。子育て支援金も増やせば、大学の研究費補助をカットするとか。それは共食い。無駄な争いです。

政府の貨幣プリンターでお金の全体量、総量を今よりも増やせば解決します。

そうだと知らないと解決しない。

お金を土地と混同してるとか?

お金は計画的に増減するものです。土地とは違い、合計量を人が増やします。

京都大学のiPS細胞の研究をやめさせ、浮いたお金を福祉に回す持ちかけがありました。

「iPS細胞の方が大事だ」の助け舟が、そもそもお金の合計を一定とする勘違いです。

どれかを栄えさせれば、どれかに滅んでもらうイス取りゲームやシーソーゲーム感覚で、国の財政を間違って唱える人が多いわけです。日本だけがゼロサムゲーム。

本当は、税金は財源でさえないのです。

海外でもマネー・クリエイションは理解の壁

マネー・クリエイションの理解困難は、日本だけではありません。

世界も同じ誤解でコケています。世界同時不況です。

日本ほど激しくはコケないのは、日本と違い理解した少数が権力を持ち、正しく導くからでしょう。ノーベル賞の人を否定してまで、国を守るのは大変な勇気ですね。人の地位で判断する国では道を誤ります。

何が理解のブレーキなの?

「無から有は信じられず、信じたくない。理解する気もない」の心理ブレーキです。

「貸すなら絶対に元手となる元金があるはず」という間違った信念です。

「ある物は貸せても、ない物は貸せないでしょ」の、動物的な本能です。

有名大学の名誉教授らもそうだし

他の動物と違い、人間にだけ可能な抽象思考は、実は人間も苦手です。

どこかからお金をパクり、裏で使い回す転がしが銀行業務だと邪推に走ってしまう。

お金をどこからパクったと邪推するの?

政府がパクったと疑う人は、やはり銀行預金に目をつけます。

みんなが預けたお金を裏で引き出し、別の窓口から融資でレンタルし、利子で儲けていると恨む人が多い。

マネー・クリエイションは歌みたいなものです。いくら歌っても、歌は体内から枯渇しません。「歌えば減る」と警告する無意味さは理解できますね。

ちなみに、マネー・クリエイションは日本の経済用語で「信用創造」という、奇妙な訳語を当てています。本来なら「貨幣創造」なのに「信用創造」。

訳せばお金なのに、なんで信用なの?

俗説があります。このようにトンデモ呼称で、あげくに国が傾いた言葉がありましたね。

政府の赤字」です。

政府の赤字は増やすほど国民が富み減らすほど国民が多く死んでいきます。赤字が増えるとおめでたいのに、まずいと思わせるトンデモ名詞です。

赤字のイメージに引っかかり、政府の赤字減らしを訴える経済評論家たちが続出します。一般国民も追従して。よくある「政府悪代官説」は、この逆転した常識の産物かも。

実は逆なの?

国の赤字を増やせば増やすほど、経済成長しているのです。増やしたと同時に。

不適切な日本語で、日本国は逆走して経済縮小し自分の首を絞め続けています。

政府がお金を出せば、経済成長するグラフ

別の語に言い換えないの?

政府の赤字」は「国民の黒字」です。政府が国民にお金を供給する役目だから当たり前ですが、赤字と聞けば皆さんビビリますね。なくそうと必死になります。

通貨削減は人命の削減、国民の死です。みんなは選挙でそちらを選んでいるのです。

また出た!、日本沈没状態

銀行の役目はお金を生むこと。マネー・クリエイションして貸せば、国内のお金の合計が増えます。預金を又貸しせず、店頭で書いて新造します。
Photo: by Roberto Junior on Unsplash